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【完結】お飾りの婚約者としての価値しかない令嬢ですが、少し変わった王子様に気に入られて溺愛され始めました  作者: ゆうき


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第十七話 いざ魔法の習得へ

 お茶を楽しんだ後、ルーク様を見送った私は、何かあっても良いように、外で魔法の練習を始めた。


「えっと、杖の力を、大地に繋げるイメージで地脈と繋いで、それを引っ張り上げて……魔法として放つ!」


 ルーク様が教えてくださったやり方。それは、精霊を介さずに地脈に直接繋がり、力を引き出すというものだ。


 地脈というのは、一人の人間でどうこうできるような代物ではない。故に、人間が地脈に直接繋がったら、命を落とすといわれている。


 そんな、普通なら絶対に不可能な方法だが、私の桁外れな精霊の力と、お母様の杖があれば、可能性はあるらしい。


「なにこれ、あまりにも桁外れすぎる……!」


 杖から伝わってくる地脈の力の感覚は、人間一人でどうこうできるようなものじゃないと、直感的に感じた。


 例えるなら、巨大な霊峰に細い糸を何とかくっつけて、そこから引っ張り上げるような……うまく表現できないが、とにかく難しさの次元が違う。


 しかも、難しいだけならともかく、一回やるだけでとんでもない体力を消費してしまう。ルーク様も、きっとこのような疲労を感じながら、魔法を使い続けているのね……。


「でも、私にはこのやり方しかない……やるしかありませんわ!」


 全ての意識を集中させて、地脈に何とか繋がろうとすると、何かと繋がったような感覚を感じた。


 それから間もなく、その何かに全てが吸い込まれそうになって……本能的に、繋がりを断ってしまった。


「す、すごい……私の存在全てが持っていかれるかと思いました……これが、星を巡る地脈の力……!」


『シャーロット殿、気をつけて。失敗したら、君の魔力や意識が、全て星に持っていかれてしまう。今は君が自分で繋がりを断ち切れたから良かったが、油断したら命とりだ』


 大変なのも、危険なのも承知のうえとはいえ、実際に経験すると、恐怖で足がすくみそうになるが、私を守ってくれたお母様のことや、私を支えてくれるルーク様のことを考えたら、恐怖は消えていった。


「もう一回ですわ! はぁぁぁぁぁ!!」


 令嬢には似合わない大声を上げて気合を入れてみるが、そんなもので成功するわけもなく……何度も失敗を重ねるうちに、疲労で立っていることすらできなくなってしまった。


「ぜぇ……はぁ……ま、魔法の練習は毎日しておりましたが……こんなに疲れたのは初めてですわ……」


『いや、むしろよく耐えた方だよ。僕の想定だと、初日は一回もやればギブアップと思っていたからね』


「そ、そうなのですか?」


『うん。見ている感じだと、精霊の力の使い方が上手なおかげだと思う。これはあくまで僕の予想だけど、僕と出会う前からしていた魔法の練習の時から、魔力が足りない部分を、無意識に精霊の力で補っていたんじゃないかな?』


 知らないうちに、そんなやり方をしていたのだろうか? 私には、魔法を教えてくれる先生はいなかったから、自分では気づきようがない。


『この調子なら、完全にマスターすれば、地脈の力を制限なく使えるようになると思うよ』


「ほ、本当ですか?」


 ルーク様にそう言ってもらえると、なんだか本当にそうなんじゃないかと思えてくる。絶対に、ものにしてみせるんだから!


『でも、ちゃんと休憩した方がいいよ。焦る気持ちはわかるが、万全じゃない状態で練習しても、ただ時間と体力を浪費するだけだかし、命の危険に晒される可能性も大きいからね』


「うっ……はい、わかりました」


 このまま無理してもう一度やろうとしているのが、見透かされてしまったわ。ルーク様、こっそり私の思考が読み取れる魔法を使っていたりして……?


『せっかくだから、のんびりと自然を感じてくるのはどうだい? 本当なら、僕がエスコートしてあげたいのだけど、人形は小屋を離れられないように設計されているから……一人でになってしまうけど』


「それはいけませんわ。せっかくこんな素晴らしい自然を堪能できる機会は、あなたと楽しみたいです」


『シャーロット殿……』


 今までの私だったら、すすんで一人で行動をしていたと断言できるが、ルーク様は特別というか……一緒にいたら、絶対に一人よりも素敵な時間になると、確信している。


『それじゃあ、公務を放ってすぐにそっちに行くよ』


「お仕事を放りだすなんて、そんなのいけませんわ」


『あはは、冗談だよ。おっと、これから視察先の人と集中して話すから、一旦意識の接続を切るね』


「わかりました。お気をつけて」


 その言葉を最後に、ルーク様の人形は言葉を発さなくなった。とはいえ、動くことは出来るようで、私を安心させるために、ニッコリと笑ってくれている。


「……すぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」


 すっかり手持ち無沙汰になってしまった私は、湖の傍にまで行って腰を降ろし、大きく深呼吸をした。


 なんて穏やかな時間だろう。もう叶わないことだけど、こういう場所でお母様と静かに暮らせていたら、どれだけ幸せだっただろう……。


『シャーロット! シャーロット!』


「あれ、どうかしましたか?」


『シャーロット、座ってる! 見えた! 元気、無い?』


「いいえ、少し休憩をしていただけですわ」


 しんみりとした気持ちで湖を眺めていたら、ホウキが私の元にやってきた。表情はホウキだからないけれど、きっと心配そうな顔をしているのだろう。


『やっぱり、元気、無い! たくさん、元気!』


「……?」


 ホウキはそう言うと、小屋の方へと戻っていく。それから間もなく、たくさんの仲間を引き連れて、私のところに戻ってきた。


『一人、寂しい。寂しい、元気、でない』


『でも、ホウキ、たくさん! シャーロット、元気、なる!』


「みんな、私のことを心配して……ありがとうございます」


 そうね、一人だと寂しくて悲しいけど、こうやってみんながいれば、元気を分けてもらえるわ。

 ただの思い込みと言われるかもしれないけど、私はとても嬉しいし、寂しさも吹き飛んでくれたもの。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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