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わたしとおやすみ 『調理実習は、もちろん恋の実習』

作者: 物語のあるリボン/いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

今日の家庭科の授業は、調理実習

楽しみにしていた、調理実習

家で何度か練習をしてきた、調理実習

私は、今日の日をどれだけ楽しみにしていたか

昨日も、本に穴が開く程レシピを見ては、頭の中で繰り返し料理をした



ただの授業と言えばそうなのだが、この間、クラスで席替えをした事で事態は一変

隣の席には、大好きなあの人がいるではないか

4人1グループでする調理実習の班は、教室で決まっている席班と同じだ

と言うことは、好きな人が同じ班にいて、一緒に共同作業をするということ

失敗しないように、料理が出来る女の子だと思われたくて、実は頼りになるって思われたくて

それより何よりも、一緒に作ったものを隣で一緒に食べられる事が嬉しい事だ

〈推しの作る物が食べられる幸せ〉と言えば伝わるだろうか

そんな事を考えているうちに、うちの班も他の班と同様、準備は進められている



トントンとリズムよく刻む玉ねぎは、均等に程よく細かく小さい

それもそのはず、何度か家で、みじん切りを練習していた成果の賜

『うまいじゃん』

『そんなことないよ』

予想通りの答えを頂いたが、練習していたと言えるわけない

まな板担当の私と私の推しは、仲良く人数分の食材を切る

どの担当をするかは、その時に応じて決める事にしていたので、たまたま、近くにいた私達が担当することになったのは、まな板係だった

これが初めての共同作業なのかと、ニヤニヤしながら次の野菜を切る



『そんな好きなんだ料理?』

『え?』

『いや、だってめっちゃ嬉しそうだから、料理するの好きなんかと』

『あ、え、ううん!好きな方だと思う』

『そうか心強いわ!じゃあ、これも切ってよ』

『うん』

上手いように使われているのではないかと思うが、それもまた良い

どこで恋に発展するか分からないものだし、せっかく練習もしていたので見てもらいたい



野菜も一通り切り終わり、最後にサラダのきゅうりもみに取り掛かる

私の推しはスープ係の男子と仲良く話をしているので、一人下ごしらえを始める

塩とひとつまみ、きゅうりに付け、ゴロゴロとまな板できゅうりを転がし、塩を揉み込む

ふと、隣に推しがやってきて、おもむろにきゅうりを掴む

何を思ったのか、きゅうりに付いた塩を指で取り自分の口元へと運んだ



そして、眉間にシワを寄せ一言

『うん。これ砂糖だよ』

『ふぇっ?!』

『だって塩、スープで使ってるもん』

手に付いている塩を舐めてみたが、頭で思っていた味と、口に入る味が上手くマッチせず、私は一人悶絶する

『うぇー、ごめん間違えちゃった』

『洗って塩を揉み込めば大丈夫だろ、ほら』

キラキラと輝く推しは、まな板にあるきゅうりを持ち、付いていた砂糖を手際よく洗い流す

まな板にシャッと塩をまぶし、その上にきゅうりを置いたと思ったら、これまたかっこよくきゅうりを転がす

まるで料理人のような手付きに私は、うっとりと見惚れていた



ハンバーグ、サラダ、コーンスープを美味しく頂いた後は、後片付けだ

洗ったお皿を渡されキレイに水を取る

今度は、ふきん係

『はい!』

お皿を次々に渡され、食器棚へと走り『わたしとおやすみ』が忙しなく揺れる

次のお皿をもらい鼻唄を歌いながら水気を切る



『何かお前見てると楽しいわ』

『なんで!?』

『しっかりしてるようで、ボケてんのおもしろいから』

『あ、それ私も思う』

『俺も!』

班の仲間が口を揃えて私を見る

『ボケてない!』

『良いことだ!』

洗い物を済ませた推しは、温かい目をしながら大きく頷き、私の肩をポンと叩く



いいところを見せて、気になってもらう予定だったのに

何だか腑に落ちないが、肩ポンしてくれた事が嬉しかったので、結局良かったのだと思い直した私は、ご機嫌で最後のお皿を拭いた

最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

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