表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/51

episode.30

「ちょ、ちょっと待って!? プロポーズ!!?」



奈々ちゃんが、口に運ぼうとしていたアスパラベーコンを机に落とした。おしぼりを奈々ちゃんに差し出すと、横から莉子りこが感慨深い顔つきで私を見る。



「あの結衣ゆいもついに人妻かぁ」


「え?」


「…え?」



私の反応に、同時に二人が意外そうな顔をした。しびれを切らした奈々ちゃんが、ちょっと戸惑いながら「…結婚…しないの?」と質問してきた。まぁ、そうなりますよね。あれだけ二転三転しておいて、結局付き合ってるんだから、その先にあるのは『結婚』の二文字になりますよね。



「…えっと…もしかして、噂の東堂さんのこと…好きになっちゃったとか?」


「ち、違う、違う! 東堂さんは大切な人だけど、恋愛とか結婚とかそうゆう対象では!」


「…じゃ、なんで?」



莉子が冷静に質問を投げかける。その隣の奈々ちゃんときたら、頭の中の妄想がダダ漏れている状態だった。



「高宮さんに不満があるわけではない…です」



一段と二人の眉間のシワが深くなった。今までにない状況に説明が難しい。けど、一番は何かをきっかけに高宮さんの気持ちが離れてしまうのでは?…ということなのかもしれない。高宮さんを信用していないわけではないと思う。けど、どんな恋愛においても別れがくることは少なからずあるのだ。そして、『結婚』は契約であり、『恋愛』とは似て非なるものだと思っている。『別れ』の重みが違う。



「つまり結衣は、いつか捨てられてるのが怖くて、怖気づいてるってこと?」


「奈々ちゃん、言い方! まぁ…でも…簡単に言えばそうかもしれない?」


「高宮さんに『どんな事があっても、結衣といる未来を選択する』て宣言までされても不安ってこと?」


「…それは…」


「ねぇ、結衣はそんなうだうだしてて、明日高宮さんが死んでも後悔しないの? ちゃんと忘れられる?」



莉子にそう言われて、高宮さんが自衛官であるという事実から、都合よく見ないふりをしていた自分に直面した。この前の東堂さんのけが…日頃から訓練をしていても、命の危険性があることを実感したばかりだったのに。



「…全然ダメじゃんわたし…」


「結衣?」



高宮さんが明日死んだら…そんなの、後悔するに決まってる。いつか別れがくるかもしれないけど、そんな先のこと、今から心配するより1日でも長く高宮さんと一緒にいたい。



「私、すごい時間の無駄遣いした…」


「そんなことないって…たくさん考えたから、今の結衣がいるんでしょ?」


「まぁ、善は急げって言うし、早めに高宮さんに会って気持ち伝えておいで」



すぐにスマホを取り出すと、高宮さんにメッセージを送った。今年もサマーフェスタが開催される時期となり、準備に追われているとのことで、それから1週間後、ようやくフェスタ当日、高宮さんに会える日となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ