side律
クリスマスの2日前、彼女とのデート。
「…高宮さん。大好き」
彼女が初めて俺のことを『好き』と言ってくれた。
彼女とはなかなか会えない分、少しずつ距離を縮めていけたらと思っていた。それでも、会えば会うほど彼女を自分だけのものにしたいと思ってしまう。
あの日だって本当はあのまま帰したくなかった。
彼女はこんな俺の気持ちを知ったらどう思うのだろう…。
「…はぁ」
「高宮一尉、クリスマスに訓練だからってへこまないでください!」
いつものテンションで秋庭が絡んできた。
「お前と一緒にするな」
「東堂一尉、高宮一尉が妙に当たり強めです!」
「まぁまぁ、秋庭もわかってやれ。今あいつは中学生並みに彼女を大事にしすぎて迷走中だ」
東堂が秋庭の肩を叩きながらくすくす笑っている。俺だって、こんな長期戦になるとは思ってなかった。付き合って5ヶ月、ようやく彼女から『好き』と言ってもらえた。こっちの都合で我慢させてる分、向こうのペースでと考えていたらこの結果だ。
「えぇ!? ご、5ヶ月も手出さないなんて!! 高宮一尉って…神ですね! 俺には到底無理です…」
声が大きい! そして哀れみの目で俺を見るな!
「高宮一尉って、もっとスマートに遊んでる人だと思ってました!」
どうゆうイメージだよ!?
「まぁ、あながちその予想は間違ってないな」
東堂! お前も余計なこと言うな!
多分、俺がそう望めば彼女は流されてくれると思う…けど、今後のことを考えると『俺が』ではなく『彼女が』俺とそうなりたいと思ってもらえない限り長続きはしないだろう。
彼女とのこれからを大切にしたいから、この一線だけは絶対に俺の一存では越えられない。
「……はぁ」
「東堂一尉! 高宮一尉がまたため息ついてます!」




