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プロローグ
世界をつなぐ影。
その中に入れば、この世界ではないどこかに行けるという。
数多くの冒険者がその影をくぐり、数多の冒険をしてきたわけだ。
そして必ず冒険者達は手みあげを持って帰ってくる。
【異世界の奇物】、この世界では作り上げれないような代物だ。
冒険者はその奇物を高値で売り生計を立てている。
そしてたちまち影の周りは冒険者相手の店や商会などの店が建ち、
今日も繁栄を続けているのだ。
そして今日。
ついに今日。
ボクもあの影の中へと入る。
許可はいらず勝手に入れるのだが、
問題がある。
どんな世界とつながるかはわからない。
冒険者曰く、帰るためには特異点に触れる必要がある。
そして向こうから帰ってこない人が年々増えているのだ。
怖さがあるが好奇心には抗えない。
ボクは影に向かい、大きな一歩を踏み出した。