第一章2 『準備と連絡と』
短いですが。
そうと決まればあの人に連絡しないと。
「こちらFDGのキサラギですが、秋月総理はいらっしゃいますか?」
「おお、キサラギ君か。」
相変わらず元気な人で安心した。
「君の方から連絡してくるのは久しぶりだな。」
「そうですね、前回の大災害の事後経過報告ぶりですかね。」
「あの件は本当に助かったよ、それで今回はどうしたのかね?」
「実は...」
とりあえず朝から現在までの概要を説明した。
「なるほど、確かに国としてはメリットしかないが...個人としては危険が伴うから反対したいところだね...」
「しかし組織としてはこの機会を逃したくはないのです。単純に興味があるのもありますし、あちらの世界からの何らかのアプローチがあった場合対応もしやすくなりますしね。」
「そういうところは君は前総司令の君のお祖父さんとそっくりだね。あの人も一度興味を持ったら止まらなかったからね。」
「たしかにあの人はそういう人でしたね。」
「まあ了解した。君の事だから最悪帰って来れるんだろ?」
「はい、何かあった時のために座標転移型遺物を用意してあります。」
「では楽しんで来るといい。」
「はい、失礼します。」
これで総理には話がついた、あとは他の国の大統領にも......
アメリカとロシアの大統領がなかなか説得に手間取ったが、なんとか行く準備が進んだ。
特にアメリカ大統領の娘の話が長かった。親バカだろ。
遺物等の準備は部下達がやってくれているから見に行くか。
見に行ってみると何故か金庫が部屋の中央にぽつんと置いてあり研究部隊の博士や助手たちがそれを取り囲んでいた。
近くにいた博士に尋ねる。
「これは何をしたんだ?」
「あ、司令。マクスウェル博士の立案でNo-052《無限大の金庫》に遺物を入れて見たんです。すると、遺物の状態が安定状態のまま固定保存されるようで、簡単に説明すると内部では時間が停止していました。」
「それで、なぜ今ここに052があるんだ?」
「司令方が持っていく遺物をこの中に入れていけば容量を圧倒的に縮小出来るのではと考えまして、雪乃様に許可を取ったところ許可が下りまして、現在持っていく遺物の中でも時間停止が安全な遺物を収納中です。」
「それはなかなか使えるな。これにNo-081《絵描きの夢》を使ってアクセサリーなどの形に変えたらもっと運び易くなるんじゃないか?」
「なるほど!収納が終わったら実験してみますね!」
「ああ、任せた。」
これで遺物の持ち運びが楽になった。
マクスウェル博士に感謝だな。
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