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僕は高校1年の「上石碧路」だ。
成績は中の中、ごくごく平均的な成績(大体通知表は3ぐらい)。
そして、僕の席の前に座っているのは、学年トップの成績の「岩和田たね」だ。
そう、彼女は誰もが認める優等生だ。
だが、彼女には僕にしか分からないと思う問題がある。
それは、色々と隙きがありすぎるということだ。
3時限目は確か地理だったな。
えっと、ノート、ノート。
あった。
よし、次の授業もがんばりますか。
って、岩和田さん!
制服がめくれて、背中が見えているよ!
うわー、気まずいなあ。
他の人もきずいていないしな。
これ、言ったとしても、他の人から変態扱いされてしまうしなあ。
どうしよう。
仕方ない、我慢するしかないか。
にしても、岩和田さん、全く気づかない。
どれほど、集中しているんだろう。
そういえば、岩和田さんの背中ってすごく白くて、すべすべしていそうだなぁ。
って、自分よ、何を考えているんだ、まるで変態じゃないか。
...真面目に授業受けよ。
岩和田さんの背中が気になって全く授業に集中できない。
やっぱ、思い切って言ったほうが良いのかな。
岩和田さんのためにも。
でもなあ、時間が経つにつれて言いにくくなるんだよなぁ。
授業はあと20分か、
...ん〜。
「はいこの問題、岩和田、答えてみろ。」
あ、これで、岩和田さんが立って、制服のめくれが直るんじゃないか。
これだったら、僕が言わなくて済む...
って、直っていない、というか、悪化しているような、、、
「キーンコーンカーンコーン」
やっと、授業が終わった。
僕は、岩和田さんの背中を見ていたという恥ずかしさから、
授業が終わるなり、トイレに駆け込んだ。