表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とらぶる❤  作者: 彩月莉音
第4章 ドッキドッキな野宿体験学習
97/401

第93話

 女たちに促され、従順にカーチスたちがついていく。

 浮かれている、ブラークとカーチス。

 久々に、ナンパが成功し、その顔は、歓喜している。

 それに対し、未だに、キムの疲れが取れない。

 楽しげな四人の後に、気乗りしていない表情でついていった。


「いろいろと、私たちに、教えてくれるんでしょ?」

 悦が含む笑みを、零している女たち。

「勿論。何でも、答えますよ」

 笑顔を崩さないカーチス。

「楽しみね」

「楽しみしてください」


 チラリと、一人の女が、前に視線を巡らす。

「そこの場所を、曲がっていきましょ?」

「「わかりました」」

 気前がいい返事をし、女たちに、誘われるがまま、ついていく。

 キムの顔だけが、帰りたいと描かれていた。


 カーチスやブラークの背中を窺い、ダメだなと、嘆息を吐く。

 やる気満々なオーラが、滲み出ていたのだった。

 前を歩く四人の足に、迷いがない。


 言われるがまま、角を曲がっていった。

 歩いて、その道を抜けると、人気がない、広い場所へと繋がっていた。

 広い場所には、大きな岩や、使い捨てられた、大きな箱などが、乱雑に放置されていたのである。


 何もない、辺鄙なところだった。

 その中央で、女たちが立ち止まる。

 それに追随するように、カーチスたちも、足を止めた。


「さて、いろいろと、教えていただこうかしら?」

 女たちの顔が、瞬く間に、豹変していった。

 そして、屈強な五人の男たちが、姿を現したのだった。

 カーチスたちを、見下しているそうな双眸だ。


「全部で、七人か」

 そっけないカーチス。

 ブラークやキムも、七人の顔触れを、平然と窺っていた。

 カーチスたちが、驚かない様子に、女たちや、姿を見せた男たちが、怪訝そうな顔を漂わせている。


「驚くと、思っていたの?」

 不敵に、笑っているブラーク。

「あんたらの正体は、どこかの諜報員だろう?」

 意外にも、自分たちの正体を、見破っていることに、彼らは、瞠目していたのだった。

 だが、驚きは短い。


 自分たちが、甘かったようだと、臨戦態勢を、瞬時に執り始めている。

 油断していたものの、何度も、死線を潜り抜けていたのだ。

「落ちこぼれでは、なかったようだな」


 してやられた男たちの眼光。

 微かに、険を帯びている。

 そして、まだ、優位に立っていると、巡らせていた。

 ベテラン揃いの七人と、見習い中の三人では、格が違うと。


「優秀だよって、言ったでしょ」

 茶化したようなに、カーチスが口にしていた。

 ムッとしたような女たち。


「では、いつから、気づいていたんだ?」

「最初から」

 ニコニコ顔で、カーチスがネタを明かした。

 訝しげていく、リーダー格の男だ。


(どういうことだ?)


「お姉さんたちを、見た瞬間にね」

 さらに、渋面していく。

 女たちも、わからないと言う顔を覗かせていた。


(あいつらは、上手く化けていたはず)


 遠く離れた場所で、リーダー格の男が、しっかりと様子を窺っていたのだ。

 カーチスたちと、女たちのやり取りを。


「上手く、観光しているふうを、装っていたけど、節々に、俺たちを、窺っているのが、わかっちゃっていたし、護身用の武器を、ちらつかせていたけど、その他にも、暗器を複数隠していたでしょ? まだまだだね、お姉さんたち」

 ヘラヘラと、笑っているカーチス。

 してやられた女たちの顔が、酷く歪んでいる。


 何度も、同じ手で、何人もの男たちを、手玉に取ってきていた。

 それにもかかわらず、今回は失敗してしまった。

 子供相手にだ。


 黙ったまま、唇を噛み締める。

 諜報員としての、矜持があった。

 それを汚されたようで、目の前にいるカーチスたちを、殺気が籠もった眼差しで睨んでいる。


「確かに、優秀なようだな」

「でしょ」

 胸を張っているカーチスたちだ。

「だが、まんまと、俺たちのところに、来たところが、マヌケだ」

 ふふふと、残忍に笑っているリーダー格の男。


「残念だな、おっさんたち。逆だよ、俺たちが、おっさんたちを、誘き出したんだよ」

「子供が、嘘をつくのは、よくない。少し、しつけをしないとな」

 リーダー格の男が、ほくそ笑んでいる。


 しっかりと、落とし前をつけると言う意志が、双眸に浮かび上がっていた。

 そうした視線に晒されても、物怖じしないカーチスたち。


(度胸だけは、あるようだが。それが、ダメだと言うことを、知らないのが、子供だな)


 まだ、諜報員たちに、余裕があった。

「おっさんたちよりも、俺たちは、ここの場所を、よく知っているんだ。あそこから、誘き出すのなら、ここが、一番人気がない場所だってことは、俺たちは前々から、理解しているんだよ。だから、おっさんの負けだよ」

 ブラークの説明に、徐々にリーダー格の男の顔色が、変わっていった。


(ガキどもの言い分も、当っているな)


 心の中で、何度目かの、舌打ちを打っていた。

 羞恥心と、怒りを滾らせた眼光で、遊び感覚でいるカーチスたちを捉えている。


読んでいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ