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とらぶる❤  作者: 彩月莉音
第9章 魔法なんて大っ嫌いだぁー
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第391話

 クラスメートの友達たちと、ミントが歩いていると、慌てふためいているカイルの姿を見つけていた。

 辺りを、キョロキョロしているカイル。

 友達と一緒にいるミントの姿を捉え、ミントに近づいていった。

 ミントのクラスメートの友達は、突如、教師のカイルが近づいてきたので、萎縮して立ち止まっている。


「俺の生徒たちが、どこにいるのか、知らないか?」

「稽古だよ」

 あっさりと、ミントから告げられた。

「稽古?」

 訝しげな顔を、カイルが覗かせている。

 授業の担当教師から、生徒たちが来ていない知らせを受け、何かあったのかと、来ない生徒たちを探していたところに、友達と談笑しているミントに出くわし、ミントに尋ねてみたら、容易く解答を得られたが、答えの内容をすぐに理解できないでいたのだ。


「そうだよ。お兄ちゃんの稽古に、つき合わされているの。剣術科と魔法科で」

「……」

 何でもないような顔でいるミントを、捉えたままでいるカイル。

「私も、誘われて出るつもりだったんだけど、友達と、お出かけするから、断ったんだよ」

 ふふふと笑っているミントだが、友達たちは困惑の顔を滲ませていた。

「……自ら、志願したのか?」

 渋面のまま、カイルが聞いてきたのだった。

「違うよ。承諾した子もいれば、承諾しなかった子もいるから、トリスたちが、罠を仕掛けて、捕獲して、連れて行ったと思うけど」

 とんでもないことを、口に出していると言う自覚がない。

 ミントの友達たちは、それって、不味くない?と言う顔を覗かせていたのだった。

 だが、ミントは気づかなかった。

 てへへと、笑っているトリスたちの悪ガキの顔を、カイルが掠めている。


「あいつら……」

 低い声音で、怒りを燃やすカイルだ。

 ミントの友達たちが、怖がっていたのだ。

 きょとんと、カイルを見上げていた。

 何で怒っているのか、わからなかったのだった。


「ちなみに、どんな稽古だ?」

 冷静に務めようとしているが、なかなか、上手くいかない。

 ますます、ミントの友達たちが怯えている。

「簡単だよ。お兄ちゃん対みんなだよ」

「リュート一人に、全員で、突っ込むのか?」

 カイルが、顔を引きつらせていた。


(それを、稽古と呼ぶのか? 稽古じゃなく、リュートを相手にした、戦闘だろう、それは……)


「うん」

「で、剣術科と魔法科の全員か?」

「剣術科は、全員みたいだけど。魔法科は、バドが外されているみたい。バドがいると、収拾がつかなくなる可能性があるから、最初から、除外みたい」

 トリスから聞いた話を、そのまま教えている。

「……」

 ミントの言葉を聞き、確かにと巡らせているのだ。


(こんな真似、普通はしないぞ。だが、リュートだから、できてしまうのか……。ま、バドまで加わったら、派手になって、相当の怪我人が、続出しているはずだ……。トリスたちも、その辺は、考慮したようだが……、だが、『バトル』を前に、こんな大掛かりなことを計画しなくとも……)


 ますます、カイルの顔が歪んでいく。

「どうしたの?」

「何で、こんなことを?」

 やや声音が、低くなっていた。

「この前のアガールの街で、あんまり、いい戦いができなかったからね。みんな、弱いんだもん」

 ぷっくりと頬を、含まらせていたのだ。

 面白みに欠ける戦闘に、ミント自身も不満を抱いている。

「……」

 ある程度、グリフィンから報告を受けていた。

 けれど、物足りないからと言って、発展途上の生徒を巻き込むなと、突っ込みたいカイルだった。

 『バトル』の前に使えなくなったら、どうするつもりだと、落ち着き始めた怒りがワナワナと浮上していったのだ。


「トリスが言っていたよ。これで、少しは、大人しくなるって」

「大人しくさせるために、俺の生徒を使うな」

 険を帯びた眼光で、愚痴を漏らしている。

「そお? 剣術科にとっても、いい稽古になるんじゃないの?」

 首を傾げて、どこが、カイルの不満なのか、理解できないミントだった。

「ミントたちは、まだ、知らないだろうけど、『バトル』が近づいているんだ。そのため、みんな頑張っているのに、身体が使い物になっていなかったら、推薦が……」

 思案する顔を見せている。

「知っているよ。チェスターから聞いているし、私に、推薦を出すから、出ないかって、言われているから、出るか、検討中なんだ」

 ニッコリ笑っているミントの姿に、視線が注がれていた。


(前にも言っていたが、結局、ミントにも、出す気なんだな……。魔法科の基準は、確かに……実力主義だが、これは、意趣返しも、含まれているな……)


 心の中で、盛大な溜息を、カイルが漏らしていたのだ。

「……そうか」

「うん。たぶん、もう終わっているんじゃないの?」

 のんびりと話している暇はないと、ようやく、気づくカイルだった。

「どこだ?」

「グランド」

「どこの?」

「どこだったろう?」

 首を傾げているミント。

「わかった。とにかく、グランドを回ってみる」

「そうして」

「じゃ」

「じゃね」

 ミントに別れを告げ、近くのグランドから、回ってみようと駆け出す。

読んでいただき、ありがとうございます。

今年、最後の投稿となります。

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