第0石 プロローグ
「やっと見つけたぞ……」
男が女の子に殴りかかる。何だあれ……およそ人間には不可能だろうという速さで男は走り、攻撃する。女の子も、それを異常な速さでいなし、受けている。
「大人しく"夜の石"を渡せ」
「くっ……!」
少しずつだが、男が優勢になっている。
"夜の石"ってのは、恐らくだが俺のポケット入っているあの石のことだろう。つまり、俺はこの石を置いてこの場から逃げれば、また平和な日常を取り戻せるってことだ。
男は女の子を完全に制圧、地面にねじ伏せた。勝負は決まってしまったらしい。
何やってんだ俺、早く逃げろって。こんな連中と関わったってロクなことが無いだろ。早く石を置いて、逃げなきゃ……
「おいてめえ! てめえがほしいのはこれだろ!」
あーあ、バカじゃねえのか。こんな面倒そうなことに首突っ込んで。人生2回目だ、余計なことに首突っ込むのは。1回目だって、つい昨日の攻撃じゃねえか。懲りろよこのバカ。でも何でだろうな
「ざまあ見ろ、ストーカー野郎」
後悔は、無い。石を、飲み込んだ。
皆様どうもこんにちは。小夜寝草多と申します。
久しぶりの投稿です。本連載では、前回の「世界最高の暗殺者」より1話の文字数を増やしておりますので、少し取っ付きにくくなっていないかが心配です。ですが、その分内容を更に良くしていこうと推敲を重ねています。
まだまだ至らぬところばかりではありますが、これからどうぞ末永く、よろしくお願いいたします。