起きた先には
「はい席に着く。HRを始めええぇぇぇええええ!?」
その時、生徒達の体を光が包みこんだ。
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まばゆい光が彼らを包みしばらくすると光は徐々に薄くなっていった。煉耶は光によって少し目をやられていた。
(だぁああ、さっきの光なんだよ。うげぇ、目ぇいてぇ)
だいぶ目の調子が良くなってきたので目を開けるとそこには周り一帯に木が生い茂っていた。そこは自分達のためにと言わんばかりに森の中でぽっかりと木が無くなっていた。周りには自分と同じように地面におしりを着けて座り込んでいるクラスメイト達がいた。いまだ誰も声を出すことができていない。
(それにしても顔は熱いし頭も痛い。あ……これ結構ヤバいかも)
もう一度周りを見渡すとみんな顔が赤く、倒れている人までいる。そんな中から座っている舞と悠姫、倒れている秀と瑠璃を見つけた煉耶はドサッと音をたて倒れてしまった。そしてバラバラと倒れていき、3分後にはもう意識のある者は居なかった。
「ん……ん……くん………れんくん、煉くん」
「う、うぅぅ…るり?」
「あ、煉くん起きた!体しんどいだろうからあまり動かない方がいいよ」
「ああ、わかってる。……他の奴は」
「舞と悠姫は起きてるよ。秀次君はまだ倒れてる。クラスだったら後……2人かな」
「そうか。ありがとう」
そう聞いて煉耶あたりを見渡した。確かに瑠璃の言った通り後3人は横たわっている。
(太陽が低いな、さっき見た時は高かったからほぼ1日寝ていたんだな)
だるい体を起こし足は伸ばしたまま座った。自分の手を見ながら握ったり開いたりする。はぁというため息して、何気なく地面に咲いていた花を摘んで眺めていた。すると
(ん、なんだこれは)
ユリの花
根に微量の毒を含んだ花。
そんな文章が煉耶の視界には浮かんでいた。そして煉耶はその文章が正しい情報だと思ってしまっている。しかしその花は今までに見たことも無いはずの花だった。
「んあ、んん~~」
煉耶が花を見ている内に秀次が起きたようだ。
「起きたか秀?」
「あ、ああ。目が覚めたよ煉耶。それより煉耶ここどこだよ」
「そんなことは俺も知らん。逆に知ってる奴がこの中にいるのかよ」
「あ~まぁそうだよな。急に光った後ほとんど記憶ないし」
「そうだ秀、起きてすぐに悪いがちょっと来てくれ。3人もこっちに来てくれないか」
「なんだよ煉耶」
「どうかしたの煉くん?」
煉耶の周りに4人は集まってくる。
「ああ、この花を見て何か気づいたことはないか」
「この花?ただの花にしか見えないよ?」
「えっ、マジで瑠璃ちゃん。俺にはなんかユリの花~とか文章が見えるんだけど」
「シュウ、あんた大丈夫?そんなのどこにも見えないわよ?まだ休んでた方がいいんじゃない」
「私も瑠璃ちゃんと舞ちゃんと同じで綺麗な花にしか見えないよ?」
「煉耶お前も言ってくるってことは俺と同じで見えてるんだよな?」
「ああ。秀と同じで俺にも見えてんだよ。説明文みたいなもんが」
「いやいや。シュウと煉耶大丈夫?それ幻覚じゃないの?」
「いや、俺にはしっかりとみえるぜ」
「起きてから大分たったし、意識もはっきりしている。俺達だけが揃って同じ幻覚を見ているなんておかしいだろう」
「じゃあこの花はどう煉くん?見えたら私にその文章言ってみて2人共」
そう言って瑠璃は1つの花を2人に渡してきた。それを2人は見ると
お惚け花
この花を食べると何故か3分間だけ自分のステータスがコロコロと変わって見える。
先に煉耶が瑠璃の耳の近くで言い、その後秀次がその場で言った。
「すごいよ2人共。言ってる内容が全く同じだったよ」
「うわぁ、本当に2人には何か見えているんですね」
「えっ!それ本当に瑠璃!というかシュウ、ステータスって何よ?」
「本当に本当だよ舞。私も知りたいな。知ってる煉くん?」
「いや俺は知らねぇな。煉耶は知ってんのか?」
「ああ知ってるよ。ステータスって言うのはゲームとかでよくある自分の能力が表れた表っていうか、パラメーターというか。HPとかMP位なら聞いたことがないか?」
「はい。それなら聞いたことがあります。さっきの花の説明からしてステータス?が私達にもあるんでしょうか?」
「まあアニメとか小説では頭の中で念じれば見えるらしいぞ。物は試しだ念じてみようか」
そう言った煉耶は目をつぶった。他の4人もそれぞれが念じてみた。
(おいおい本当に出てきたよ。ははっ、笑えないなこれは)
他の4人にも見えたようでわっとかおっと声を上げている。煉耶に見えたステータスは
レンヤ・シラヌイ 16歳 男 種族 人間
スキル 体術Lv6 立体駆動 身体強化Lv2 中位鑑定Lv2 索敵Lv3 隠密Lv4 下位剣術Lv2 下位調合Lv1
(おお~凄いのかどうかわからん。さっき見えたのは中位鑑定のおかげ?か)
「秀どうだった?」
「おお、見えたよ煉耶。さっき見えたのはスキルのおかげだろうな。お前らもステータス見えたか?」
「うわぁすごいね。スキルっていうのが見えるよ」
「私もね。こんなものが見えるなんて私もおかしくなったかしら」
「舞ちゃんの言うこともわかるけど、私にも見えるよ。けど本当に見えたね」
「ああ。これが小説だったら異世界に転移とかだったりするんだがな。もしかしたらもしかするかもな」