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酸っぱい恋  作者: シュウ
檸檬編
7/19

先輩と後輩

ここから檸檬編のスタートです。

「れもーん」

「ん?」


後ろから名前を呼ばれた私は振り返った。


「はぁはぁ。どうして先に行っちゃうんですか? 待っててくださいっていつも言ってるのにー」

「だってくるみが来るの遅いから」

「遅いとか関係ないんです! れもんが待っててくれればそれで済む話じゃないですか」

「・・・先輩を待たせるのはどうかと思うよ」


今ここで膝に手をついて息を切らしながら喋っているくるみは、私の可愛い後輩である。そしてこんな私にまとわりついてくるめんどくさい女の子でもある。


私とくるみは同じバスケ部に所属していて、背の高い私からしてみると、くるみは背が小さくて見た目的にも可愛い後輩でもある。

なんでもなかなか身長が伸びないから、バスケで身長を伸ばすのが目的なんだとか。

入ってきた当初は、まずルールを知らない、ドリブルをすれば足に当たってボールがあさっての方向へ、シュートがリングに跳ね返って顔に当たる。つまりバスケのど素人だったのだ。唯一知っているルールはトラベリングだけで、3ポイントのルールも知らなかった。

その頃に手取り足取りでルールやらドリブルの仕方やらを教えていたせいもあって、妙に懐かれてしまったらしく、今ではこうして一緒に帰らないとプンスカと怒り出す始末である。

私は小学生の頃からバスケをしていたので、高校でバスケ部に入部したときには、身長のこともあってすぐにユニフォームを渡されていた。

クラスメイトや先輩とは上手く接することが出来るのだが、いかんせん話すのが得意ではないので、一人でいる時の方が落ち着く派だ。趣味は読書とバスケ。

そんな私の足元にすりつく子猫のように、くるみはまとわりついてくるのだ。


「今日もれもんは大活躍でしたねー」

「そうかな。いつもどおりじゃない?」

「そのいつもどおりが出来るかられもんはすごいんですよー」


くるみは私のことを『れもん』と呼ぶ。

別になんと呼ばれてもいいんだけど、一応は先輩なので『先輩、をつけろ』とか『さん、をつけろ』、『敬語で話せ』とか言ってみたものの、敬語以外は実践する気がないようなので、私もそれ以来スルーしてしまっている。我ながら甘いんだか適当なんだか。


「今度の一年生大会のレギュラーなんだって?」

「そうなんですよ! これもれもんが特訓してくれたおかげですねー」

「そうかな・・・」

「そうですよっ」


私のおかげとか言われたら、少しは鼻が高くなるってもんだ。


「あのドリブルもできなかったくるみが試合に出るとはね」

「そうですね。あのときはサッカーなのかバスケなのかわからないくらいボール蹴ってましたからねぇ」


アハハハハと思い出して笑うくるみ。それにつられて私も笑みが溢れる。

くるみは明るくて可愛い、私とは正反対の女の子だ。どうして私にまとわりついてくるのだろう。そう思って一度聞いたことがある。


『どうして私にまとわりついてくるの?』

『えー! ダメですか? 私とれもんの仲じゃないですか』

『そんな親密な関係になった覚えないよ』

『まぁ細かいことはいいじゃないですか。私はれもんが好きだからまとわりついてるんです。それ以外に理由なんてありません』


そう言われて何も言えなくなってしまった。まぁ好きだからまとわりつくのは別に変なことではないよな。それに私も悪い気はしないわけだし。

なんか新しいペットをプレゼントされたような気分だ。


「あっ! バスケのコートが空いてる! ちょっとやっていきません?」

「仕方ないなぁ・・・」


いつもは誰かいて、滅多に空いていない公園のバスケのコートが空いていたので、少し寄っていくことにした。

私は一人でいるのも好きだが、同じくらいバスケをするのが好きだ。だからこの高身長に生まれてきて良かったと思う。

コートに入るなり、カバンからボールを出したくるみが、私に向かってパスを出す。

それを受け取った私は、くるみに向かってボールを投げ返す。

受け取ったくるみはクルリとターンして、ゴールに向かってレイアップシュートを決める。


「どうですか! 上手くなったもんでしょ!」

「さすが私だ。教え方が上手いな」

「えー! そこは私を褒めてくださいよー」

「はいはい。上手上手」


手をたたきながら適当に褒めると、頬を膨らませて私に強めのパスを投げてきた。

受け取った私は、その場で膝を曲げて飛び上がり、3Pシュートを決める。見事にリングにも触れずにパサっと音がしてボールが下に落ちる。

それを見ていたくるみが感嘆の声をあげる。


「ふぁー。やっぱりれもんは上手いですね。あんなに綺麗に決まるなんて」

「経験の差だよ」


3Pが上手いからという理由でシューターをやっている私からしてみれば、3Pを外すなんてことはできない。まぁ正確にはシューティングガードなんだけど、私以上にゲームメイクが上手い先輩がいるから、ほとんどシューターとしてしか働いていないのが事実です。


「小さい頃から頑張ってきたんですもんねー。そーゆーところ尊敬しちゃいます」

「他にも尊敬するとこはあるだろよ」

「他はれもんの良いところなので、尊敬とはまたちょっと違います」

「憎たらしい後輩だ」


そんなわけで、私と私のことをれもんと呼び捨てにする後輩は、よく一緒にいることが多いのだ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると幸いです。


結構間が空いてしまいすみませんでした。

今回より檸檬編がスタートとなります。

檸檬編は『先輩と後輩』がテーマです。


では次回もお楽しみに!

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