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酸っぱい恋  作者: シュウ
柚子編
4/19

ぐるぐるぐるぐる

あのあと悶々とした気持ちのまま家へと帰ってきた私は、夜になっても楓のことばかり考えていた。

どうしてキスなんてしてきたのだろう?

そしてごめんなさいって・・・


「あーーっ! わかんない!」


ベッドの上で枕に顔を埋めて叫んでみても答えは出てこなかった。

よし。とりあえずは明日も学校だし寝よう。

ここは切り替えが大事だ。睡眠不足はお肌に悪いしね。

電気を消して布団に入り目を閉じる。






結局、全然寝れなかった・・・

目を閉じると楓の泣きそうな顔が浮かんできちゃって、寝るどころじゃなかった。

で、寝たら寝たで夢の中に楓が出てきて泣いてるし。

あぁ・・・目の下にクマ出来ちゃってるよ・・・

早く行かないとまたももちゃんに怒られちゃうなぁ。

いつもよりも少し早足で待ち合わせ場所についた私は、ももちゃんとなっちゃんと合流して学校へと向かった。

そして学校の校門近くで楓を見つけた。

そりゃあ同じ学校なんだから会っても不思議ではないよね。

でもどんな顔して会えばいいんだろ、と私が迷っていると、楓を発見したももちゃんが走って楓へと向かっていった。


「おっはよう!」

「百恵さん! おはようございます!」

「うわっ! 何そのキャラ!」

「わたくしはいつもこんなんでございますよ?」

「楓ちゃん。敬語がグチャグチャだよ?」

「やっぱり慣れないことはしないほうがいいね。あ、柚子。おはよー」


あれ? いつも通り?


「あ、お、おはよー」


私のほうが不自然になっちゃった。


「あれぇ? クマ出来てるよ? 寝不足?」

「ちょっと怖い夢見ちゃってさ」


もしかして昨日のことって夢だったのかなぁ?

それともふざけてただけ?

・・・やっぱり聞いてみたほうがいいよね。

今はももちゃんとなっちゃんがいるから、二人きりの時に聞いてみよう。



そして放課後。

結局二人きりになるチャンスは無かった。

そうだよ。普通に考えていつもももちゃんとなっちゃんと一緒にいるんだから、昨日みたいな時じゃないと二人きりになるわけ無いじゃん。

あー、私ってばほんとバカ。

そんなことを考えているとは露知らず、ももちゃんとなっちゃん、そして楓の三人は私の前で楽しそうに話しながら歩いている。

もう来週まで待たないとダメなのかなぁ?


「柚子ー?」


でも私が来週まで我慢出来るの?


「おーい、柚子ー?」


あー! そんなの絶対ムリ! ムリムリムリ!


「柚子ー!!」

「へっ!?」

「やっと気づいた。さっきから何考えてんの?」


ハッとして顔を上げると、三人が私のことを見ていた。

その時も視線は楓のほうへと吸い込まれるように見てしまう。

やっぱり綺麗な顔だなぁ・・・


「そんなに見つめられると私・・・恥ずかしい」

「えっ!? あっ! ご、ごめん!」

「はは~ん。その慌てようをみると、さては柚子ー」


ももちゃんの目がキラリと光った。時々勘が鋭いももちゃんの目が光るときは、90%ぐらいの確率で当たる。


「おぬし、やらしいことを考えていたな!」

「・・・へ?」


どうやら今回は残り10%のほうに傾いたらしい。

運の神様! ありがとう!


「いやいや、いいってもんよ。柚子だってそーゆー年頃だからね」

「えっ、ももちゃん? 私やらしいことなんて考えてないよ?」

「なぬぃ!? 私の勘が外れただとぉう!?」

「残念だったねぇ」


ももちゃんはがっくりと肩を落として、なっちゃんに慰められている。

横に来た楓が私に話しかけてきた。


「百恵ちゃんの勘ってそんなに当たるの?」

「うん。だいたい90%くらいで当たるよ」

「それはすごい確立だ。で、何考えてたの?」


その言葉に驚いて楓を見ると、いつもの笑顔の楓がそこにいた。

思わず目を逸らしてしまう。


「んん? 何考えてたのー?」


のぞき込むように私の顔を見ようとしてくる楓。

もうももちゃんとなっちゃんに聞こえないことを祈りつつ聞くしかない!

というより今しかない!

極力声を落として楓に尋ねる。


「あ、あのさ、昨日の、その、アレってどういうことなの?」


私の顔って、多分真っ赤なんだろうなぁ・・・


「あーアレ? あれは冗談。なんか柚子の顔見たら食べたくなっちゃって」

「えっ? でもあの時泣いて」

「あれは目にゴミが入っちゃっただけ」

「・・・そうなの?」

「結構大きかったみたいでさ。痛いのなんのって」


『ゴミが入っただけであんなに悲しそうな顔になるの?』とまでは聞けなかった。




家に帰ってきた私はご飯を食べてお風呂に入った。

湯船に使って一息つく。


「はぁ・・・」


もうよくわかんねー。

楓って私のこと好きなのかなぁ。

好きじゃなかったら普通キスなんてしないよねぇ。

なんか一日中気張ってたからからだがカチコチだ。

湯船の中で足とか手を揉みほぐした。

そういえば楓ってスキンシップ多いよね。

あれ?・・・今日触られてない?

・・・・・・・・・・・・


「いやいや! 別に触られるのが好きとかそーゆーんじゃないって! 寂しいとかじゃないよ? ・・・って誰に言ってるんだ」


はぁ。自分のからだ触って楓のこと考えちゃうとか私、楓のこと好きなのかなぁ・・・

ここまで読んでいただきありがとうございます!

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


柚子が気持ちに気づき始めました。

どうでもいいことですが、僕は柚子のことを「ゆすこ」と読んでます。


次回もお楽しみに!

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