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第14章 都市飛躍 行政長官トゥリウス・シッティウス篇

 数日後、シレンティウム行政庁舎・行政長官執務室


 行政長官シッティウスの仕事は朝から山積みである。

 昨日の決裁書類を定時にハルの元へ持ち込み、それが終わると今度は自分の仕事が待っているのだ。

 各部門に長官を任命したお陰で昔に比べて仕事の種類は減ったが、全体を統括すると言うことは並大抵では無い。

 専門的な知識は求められないが、それ故に全てに通じていなければならないし、それに付随した判断が求められるからである。

 もちろんシッティウスはどの部署長官に任じられても人並み以上の実績を残す自信はあったが、今彼に求められるのは総合的な行政能力。

 かつて州総督を務めたことのある能吏はその能力を遺憾なく発揮していた。



「シッティウスさん、いいかな?」

「楓さんですか、どうぞ」


 今日一番目の訪問者は楓である。

 一昨日に招聘したカゲモノ達のことで話があるということは聞いている。

 シッティウスの机の前にある椅子にぽんと腰掛けた楓が徐に口を開く。




「ふむ、なるほど…そのカゲモノという者達の住居地を手配して欲しいと言うのですな?」

「うん、そうなんだけどさ…その、300人分ほど…なんだけど、どうかな?」

「……結構な人数ですな」

「う、突然でゴメンナサイ」


 僅かに言い淀むシッティウスへ素直に謝る楓だが、シッティウスは特に気にした様子もなく言葉を続ける。


「しかし、その方達はシレンティウム市内の居住地で宜しいのですかな?聞けば特殊な生業をされている方達では?」

「そう、それなんだけども、シレンティウムの南西にある森を貰いたいんだ」

「森ですかな?」


 訝るシッティウスに頷く楓。


「そう、森」


 シッティウスはすっと立ち上がると自分の背の位置にある本棚へと向かうと、一冊の書類を取り出して開いた。

 その綴られた書類はシレンティウム周辺の地図となっており、シッティウスは楓が提示したと思われる森について指でなぞりながら調べる。

 今のところ手つかずの森で所有権を主張している人も部族も居ない。


「この森で宜しいですかな?」

「あ、奇麗な地図だ~へえ…あ、そうそう、この場所だよ」


 シッティウスが示す地図を見て楓は物珍しそうに覗き、その指で示す場所を確認してそう言った。

 シッティウスも確認が取れたことで地図を閉じ元の本棚にしまいながら言う。


「良いでしょう、その森であれば構いません…集落を建設するのでしたら資材や人手を手配致しましょうかな?」

「あ、それは大丈夫、道具をくれれば、後は自分達でやるみたいだから」


 楓の言葉に頷き、シッティウスは木札を一つ取り出すと、そこに書き付けを始めた。


「分かりました、では斧や鋸、鎚、鍬、円匙などを用意致しましょう。後、街道は如何致しますかな?今軍団は手空きですので、直ぐにでも敷設は可能ですが」

「…多分、いらない、郷は自分達で作ると思うから」

「分かりました、では手配をしておきますので、官営倉庫へこの札を持っていってください」


 書き付けの終わった木札を楓に手渡しながらシッティウスが言うと、楓は礼を言いながら手を振り踵を返す。


「わかった、ありがと~」

「いえ、おやすいご用ですな」





楓が去り、しばらく書類仕事をこなすシッティウスの元に2人目と3人目の来訪者が現れた。


「これは大神官代理殿、今日は何か?」

「少しばかりお願いがあって参りました。こちら東照からはるばる来て下さった薬師の鈴春茗さんです…鈴さん、この方がシレンティウムの行政長官を務めていらっしゃるシッティウスさんです」

「お初にお目通り致します、東照は東杭州から参りましたる、鈴春茗と申しまする」

「これは古風なご挨拶、私がシッティウスと申します…遠くからようこそおいで下さいました、こちらへどうぞ」


 シッティウスの案内で応接用の卓へと案内される2人。




「ふむ、なるほど、鈴さんをシレンティウムの薬師として雇うと言うことですか」

「そうですが、お願い出来ますか?」


 事のあらましを聞いたシッティウス。

 さして難しい話ではなく、新たに鈴春茗を薬師として雇うのでその顔合わせと、待遇について相談をしたいというのがアルスハレアの用件であった。


「もちろん可能ですが…手当を厚くするなどの特別措置は必要でしょうな」

「そうですね…東照の医療技術を伝授してくださるわけですから、普通の給金よりは厚くして頂きたいのですが…」


 少し言い難そうであったが、先にシッティウスがその意を酌んで給金面での待遇について言及したことで幾分救われたような安堵の表情を浮かべるアルスハレア。

 対する鈴春茗は自分のことである事もあり、カチコチに緊張している。

 その様子を特に感慨無く無表情で見たシッティウスは、手元に置いた書き付けにさらさらと書き込みを行いつつ口を開いた。


「ま、当然ですな、こちらから招聘したのですから特別職待遇でお迎え致しましょう。給金については財務長官のカウデクスに話を通しておきますので、薬事院の予算から支払いをするようにして頂けますか」

「分かりました、ご配慮有り難うございます」


 その言葉に頭を下げるアルスハレア。


「あ、有り難き幸せ」


 相変らず固い鈴春茗に苦笑を漏らすアルスハレアに、シッティウスが問い掛ける。


「いえ、おやすいご用ですな…ところで、その技術とは具体的にどういったものなのですかな?」

「はい、薬剤の成分を壊さず、玉状にしたり、乾燥させたりして薬効を高めたり、また長期間保存が出来るようにする方法があるということです…詳しくは私も分かりませんが」

「…薬草や薬品には相乗効果をもたらす物がありますれば、これを体系的に研究し体系化したのが我が東照の薬事術でござります、これをば丸薬となし、保存する術をも伝授致したく、東照より罷り越しました」


 アルスハレアの目配せで鈴春茗が東照の薬事術の概況について説明すると、シッティウスが深く頷き、口を開いた。


「ふむ、なるほど…それですとシレンティウムで産する薬草類も効果を高めることが出来た上に、ここだけで無く他の地域へ輸出したり搬送したりすることが可能になると言うことですな?」

「そうですね、特に戦で使用する傷薬類の薬品は保存の利かない物が多いですから、今後医療術士だけで無く薬品を携行することも可能になると思います」


 シッティウスの言葉にアルスハレアが応じる。


「なるほど…それは助かります、では、研究費用として今期の予算は多めに付けておきましょう」

「有り難うございます」

「有り難き幸せでございます」


 2人が礼を述べて立ち去ると、シッティウスはそれを見送った後、資料へ書き込みを加えながら自席へと戻った。




 アルスハレアと鈴春茗の2人が去って直ぐ、西方郵便協会シレンティウム市拠点局長のマニウスがシッティウスを訪った。


「忙しい所を申し訳ありませんが、お時間戴けますでしょうか?」

「構いませんよ、どうぞ」




「ほう、協会員の現地採用をすると言うことですか」

「はい、東照紙や新たな北方紙の普及、学習所の充実で識字率が一気に上がったことで手紙の需要が増えまして…とても本部から連れてきただけの人員では賄えなくなりましたのでこちらで人員を採用させて頂こうかと思います。また、クリフォナムやオランの大きな村へ新たに支局を設置したいので、差し当たってはご報告と許可を頂こうかと」


 マニウスの用件は西方郵便協会の拡充と人員の採用をシレンティウムで行いたいというもので、特に断る理由も無いのでシッティウスは即座に許可を与えた。

 これくらいの事であればわざわざハルに諮る必要も無い。


「ふむ、採用や伝送石の無い支局設置については別に行政府の許可を取る必要はありませんが…村々にも郵便協会の支局を設置するおつもりですかな?」

「ゆくゆくは全ての村へと考えておりますが、今はまだ主要な町や村に配置するだけです」


 マニウスの言葉に僅かに眉を上げるシッティウス。


「ほう、それ程までに郵便の需要が…」

「はい、シレンティウムへ移住した帝国人の皆さんが故郷の家族と手紙の遣り取りをしたり、商売上の必要性が高まって情報交換をあちこちと行ったり、また東方郵便協会の進出で東照との文通も増えていますが、帝国国内からですとこのシレンティウムを介す必要がありますのでね。それに、北方人の皆さんも文字の利便性に気付き、今は積極的にあちこちで学習所が設置されています。その練習も兼ねてシレンティウム在住の身内と手紙を遣り取りしたり…ともかくここ最近爆発的に手紙の量が増えたのです」


 マニウスの説明に一々頷き、資料へ書き込みをしていたシッティウスがふと気が付いたように言う。


「それに北方紙ですか…」


 シッティウスの持つ資料には、ここシレンティウムで開発された北方紙の開発経過と生産量が記されている。

 北方紙は東照紙を真似て作った物ではあるが、質は東照紙に及ばない。

 紙の製法そのものはホーが持ち込んだ東照の書物の解読が進んで判明したが、原料が確保出来ずにしばらくは断念されていたのである。

 しかし工芸庁の職員やスイリウスの研究によって、シレンティウム周辺で最近農業長官のルルスが持ち込んで栽培が始まった油と繊維採取用の作物である亜麻の茎から生産出来ることが分かったため、現在その栽培の拡充と北方紙の大量生産が進められているのだ。

 その成果が少しずつ現れていた。


「はい、元々東照紙が普及していてこの都市は紙が安かったのですが、スイリウス工芸長官がその東照紙を研究し、開発した北方紙がいよいよ本格的に生産され始めましたので、紙が一気に安価になりましたので…東照紙は公文書や学習所での教材に使われたり、正式な契約書に使われる紙ですからそれ程輸入量は落ちていませんので、全体的に見れば紙はかなり普及しています」

「ふむ、分かりました、現地採用の件は自由にやって頂いて構いません。村や町へ支局を設置する際は行政府が力になりましょう」


 マニウスの言葉にシッティウスは書き込みを続けながらそう言葉を返した。


「ありがとうございます」

「おやすいご用ですな」




 しばらく書類仕事をしていたシッティウスが徐に立ち上がり、お茶の準備を始めた。

 それを見た官吏達も一斉に仕事の手を止めて昼の軽食の準備を始めるが、新任官吏だけが周囲の様子に戸惑ってまごまごしている。

 さっさと席から立った先輩官吏に恐る恐る質問する新任官吏。


「まだ昼休憩の時間では無いのですが…」

「え?お前何言って…って、そうか、知らないんだな。いいか、ここじゃ時鐘より行政長官の方が時間に正確なんだ、行政長官を見てれば時鐘は気にしなくて良いぞ」

「はえ?」


 新任官吏が間の抜けた返事をすると同時に、昼の時鐘が鳴り響く。

 そしてもう一度、今度は時刻の補正を知らせる鐘が鳴った。


「……え?」

「な?分かったら明日から時鐘は気にするな」


 思いっきり驚いて固まる新任官吏の肩を先輩官吏が優しく叩いた。

 今日もシッティウスの体内時計は正確無比である。



 溶けきらない程の蜂蜜を入れた茶を平然と飲み、新任官吏の胸焼けを誘ったシッティウスは、今度は遅れなかった時鐘の音と共に席へ着く。

 しばらくさらさらとペンが東照紙の上に走る音だけが響く静かな執務室に、また客が現れた。


 今度は東照城市大使の介大成である。


「行政長官殿、よろしいですか?」

「介大使、ようこそ、どうぞこちらへ」


 シッティウスは青白い顔をした新任官吏を気遣い、別の官吏にお茶の用意を言いつけ自ら介大成を応接用の卓へと案内する。


「今日はどのようなご用件ですかな?」

「はい、先日打診頂いた件ですが…」


 介大成の言葉に片眉を上げるシッティウス。


「ほう…まあどうぞ」

「失礼します」




「ほほう、それではシレンティウムへ輸出する岩塩の量を増やして頂けると?」

「そうです…ま、増やすと言いますか、最近我が西方府も物入りでして…専売権のある塩を何とかもう少し買って戴けないかというのが本音なんですがね」


 世間話もそこそこに本題を切り出した介大成。

 要約するに、西方府が管理している岩塩をシレンティウムや同盟諸族で購入して欲しいと言うのである。

 元々戦略物資にも位置付けられる岩塩は西方府の特産品であると同時に管理物品でもあり、シレンティウムも割当量を購入するだけであったが、ここへ来てその割当量を増やすのでどの程度までならばシレンティウムが量的に購入出来るかという打診である。

 シレンティウムは今のところ塩を生産する術が無く、帝国と東照帝国西方府からの輸入で全てを賄っていた。

 最近帝国内の治安悪化と共に帝国の物資が購入し辛くなっており、シッティウスから西方府へ岩塩の割当量拡大を打診していたところでもあった。

 これ程早く返答が来たのは、東方郵便協会支局の開設が大きい。


「こちらから打診した件と同件と考えて宜しいですかな?」

「はい」


 シッティウスの確認に介大成が頷く。


「それであれば構いません。かねてから打診しておりましたとおり、こちらとしましても人口の増加で需要が伸びている上に、商品や援助物資としての有用性には目を付けていた所ですので、願ったり叶ったりですな、ただ量となると…そうですな、需要等を調査の上至急回答致しましょう」

「そうですか、それは有り難い、宜しくお願いします」


 シッティウスの言葉に介大成も笑顔になる。


「ああ、それから…お国の反乱はどうですかな、鎮圧は進んでおりますか?」

「……正直申しまして、はかばかしくありません。尤も反乱軍も内紛があったようで今は勢いを失っています。しばらくは膠着状態が続くでしょう」


 シッティウスの質問に率直に答える介大成。

 2人の間での信頼関係が醸成された結果である。

 回答に少し眉根を寄せたシッティウスが言葉を継ぐ。


「そうですか…以前こちらと黎都督の間で合意した河川航路に関わる人材のことなのですが、その状態でこちらまでやって来られますかな?」

「それは問題ありません、むしろ今反乱で本国の南北の河川航路が断絶しておりますので、身を持て余している者がいると思います。こちらは就職先を斡旋して恩を売れますし、彼らからしても糊口をしのげるわけですから」


 シッティウスの心配に対して笑顔で答える介大成。

 シッティウスもハルが熱心な政策だけに気がかりだったのだろう、その言葉を聞いて安堵の表情を浮かべた。


「そうですか…なるほど、それではくれぐれも宜しくお願いします。街道建設は既に普請が開始されていますので、道中の護衛については手配をぬかりなくお願いします」


 交換条件であった西方府塩畔までの街道敷設は既に始まっており、煉瓦造りのアルトリウス街道を拡充し、更には石材舗装の街道を平行して建設しているのだ。

 敷設現場においては魔獣や盗賊、非同盟部族の攻撃が予想されるため、途中からは西方府が兵を出して敷設作業員を護衛することになっていた。


「ええ、こちらこそ、色々無理をお願いもしていますが、一つ宜しくお願いします」

「お安いご用ですな…と言いたい所ですが、互いの利が一致したのです、気になさらぬことですな」




 ハルの元へ今日の決裁書類を持ち込み、昨日の書類を引き取ってきたシッティウスが自席に着くと同時に、時鐘が終業の時を告げた。

 シッティウスはもちろん、鐘の音と共に自席の書類を片付け始めており、それを見た官吏達も一斉に退庁の準備を始める。

 シレンティウム行政府では、戦時やその他余程の事が無い限り残業は許していない。

 これは「時間内に仕事を終えてこそ真っ当な官吏」というシッティウスの方針である。

 そんな帰り支度をする官吏達の様子に目を丸くしながら尋ねてきた者がいる。


「おお、今日のお仕事も終わりですね」


シッティウスが声に思わず片付けの手を止めて振り返ると、そこには養蜂家のフィクトルがにこにこと笑顔を浮かべて立っていた。


「これはフィクトル氏ではありませんか、このような時間にどんなご用ですかな?」

「いえね、今年もハチミツが採れ始めましたので、まずはお持ちしようかと思いまして」


 片付けもそこそこに、シッティウスがいつになくいそいそとフィクトルを自席の前の椅子へと誘う。

 フィクトルは大きな壺と小さな壺を2つずつ持っており、官吏達にも分かるほど甘い蜂蜜の匂いが漏れ出していた。


「それはわざわざ有り難いですな…で、どうですかな、今年の出来は?」

「昨年は蜂を増やすことに専念しましたので然程でもありませんでしたが、今年はすごいですよ!」

「ほう…それは楽しみですな」

「そうでしょうとも!と言うわけで、ここにお持ちしました」

「…!これは……!」


 目を軽く見張るシッティウスの前には琥珀色の蜂蜜。

 薄暗い部屋の中、壺に夕日が差し込み、きらりと輝く。

 フィクトルが開けた小壺にはそれぞれ種類の異なる蜂蜜が入っており、その蜜の色は微妙に違っている。


「こちらの透き通った方が、帝国でも主流の蜜蜂たちが採取した蜜です、主に特定された花から採蜜する特性がありまして、まろやかな味と強い甘みが特徴です」

「ふうむ、確かに…そして味が一様ですな」


 失礼、と言いつつ差し出された壺に手を入れてその蜂蜜をなめるシッティウス。

 その顔が心なしかほころんでいる。


「ははは、その通りです、今年は牧草の花からたくさん蜜を集めましたので」


 嬉しそうにフィクトルが解説を加える。


「こちらは?」

「こちらは以前仕入れたハチ達のものなのです。このハチ達は東照の南方で主に飼われているのですが、彼らは余り花を選り好みしません。様々な花から蜜を集めます。味の特徴としましては、酸味とコクがあります、どうぞ」


 差し出された2つめの壺へ、やはり失礼と断わりながら指を差し入れ、先程とは少し異なり濃い色をした蜜を舐めるシッティウスの顔に再び緩いものが漂う。


「ふむ、なるほど、なるほど…これはこれで美味いですな…宜しい!両方頂きましょう、いつも通り支払いは銀貨で宜しいかな」

「有り難うございます」


 そう言いつつにこやかに大きな壺を差し出すフィクトル。

 シッティウスは直ぐに銀貨を数枚取り出し、フィクトルへ至福の対価を支払った。


 その様子を見ていた官吏達がこそこそと小声で話す。


「銀貨でって…どんだけ買うんだよ……」

「いや、よそうぜ、あの人の詮索をして良いことが有るとは思えない」

「…うっ…気持ち悪いです…」


 甘い匂いにやられた新任官吏がえずいたので、官吏達は慌てて彼を外へと連れ出す。



「さて…帰りますかな」


 縄で繋がれた大きな壺を片手に持ち、シッティウスは帰宅の途につく。

 仕事一筋ではあるが、決して居残ったり、泊まり込んだりはしないシッティウス。

 家庭には家庭の温かさや癒しがある、仕事では味わえないものが待っているのだ。



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