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運命の賭け

アルトの運命を変えようと走るシグレ。その前に、大量の剣が容赦なく行く手を遮った。

「そう、…アルト。私が欲しいものは一つよ。」


息を吸い込み意を決して宣言する。


「―私はあなたが欲しい!!」


前を見るとアルトがポカンと口を空けていた。それからあごに手を当てうーんや、えーと、と言い悩んでいる。そして意を決したようにこちらを真っ直ぐ見た。


「すまない、君のその願いには応えられない。他にないだろうか。」


申し訳なさそうにこちらを見た。だけどこれで折れるほど覚悟はヤワじゃない。私は一度決めたら曲げない質なのだ。


「ダメ、私はアンタが欲しいの。言ったよね?

“何でも大丈夫”って。」

「た、確かに言ったが…。」


またもやうーんと悩み出す。

無理を言っているのは自分でも分かっている。それでも彼と、アルトと一緒に行動しなければならないと何故か強い使命感が芽生えている。


理由は分からない。でも、この人を失う未来だけは、絶対に見たくなかった。


じっと、アルトを見つめる。その目を見て私が折れないと悟ったのか苦虫を噛み潰したような顔をしている。


そしてはぁッとため息をつきながらこちらに向き直る。


「……分かったよ。だけど条件がある。今日だけだよ。今日だけ君のものになる。1日だけの関係だ。これだけは譲れないよ。」



アルトは人差し指をぴしっと立て少し不貞腐れながらそう言った。私としてはずっと一緒にいてもらいたかったが仕方がない。


「うん、分かったわ。今日だけね。」


 一先ずはあの映像の真偽を確かめなくてはならない。先ほどの映像がフラッシュバックのように脳内を反響する。


本当だとしたら…。考えるだけで恐ろしい。手をグッと握りしめた。


 そういえば映像では銀髪の男がアルトに『信じていたんだ』と言っていた。もしかしたらアルトと銀髪の男は知り合いかもしれないと思いアルトに質問する。


「ねぇ、アルト。あなたって身内に銀髪の男は

い――」


 刹那、体が浮いた。


アルトが私を抱きかかえ上に飛び跳ねたのだろう。建物の屋根が近い。下を見るとさっきまで自分が立っていたレンガタイルの地面がある。そこから魔法陣のような模様が浮き上がり、その中から剣のような先が鋭利な物体が飛び出していた。

あのままあそこにいれば身体は貫かれていただろう。


「ア、アルト?…一体何が起こっているの?」


「……すまない、シグレ。君を巻き込んでしまった。俺の自覚が足りてなかった。奴らは、見境がない。」


そう言うと颯爽と駆け出した。

魔法陣は空中にも現れ剣を飛ばしてくる。アルトは私を俗に言うお姫様抱っこの形で抱えながら屋根を伝い迫りくる刃を躱す。


だが、どれだけ躱したところで攻撃は終わらない。


次から次へと剣は飛ばされてくる。躱せば躱すほど剣の量も速さも増していくばかりである。

剣が風を切り、けたたましい轟音と共に私のすぐ脇を過ぎ去った。


鼓膜が震え、遅れて冷たい風だけが肌を叩く。このままでは埒が明かない。


 風が髪の毛を靡かせる。

私はある一つの推論を思いついた。それはこの状況を打開できるほどのものかは分からない。本当かも分からないことを当てにするのはどうかと思うが今はそれしかない。


私は一縷の望みをかけて声を張り上げた。


「銀髪の男を探して!確証は、ない…。けど、そいつがこの襲撃の犯人な気がす、る…。」


自分で言ってても目茶苦茶な理屈だなと思う。確証はない。なのに探してと命じる。


段々と自信がなくなり言葉に詰まってしまった。


だけどそんな私の言葉を聞いてもアルトは私に太陽のような笑顔を向け歯を見せ余裕のように笑ってみせた。


「分かったよ。それに賭けようじゃないか!」

最後まで読んでくださりありがとうございます!

次回は、銀髪の男の正体がわかります。

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