第24話 初めてサンタさんに願いを込めて 枕元に靴下置いクリスマスイブ
「メリークリスマス」
の掛け声でもう一度乾杯!その後はケーキを食べ。子供たちは家へ戻り、俺たちは
「お父さん、お母さん、俺達風呂入ってくるね」
そう言って風呂に入り、パジャマに着替え、みんなに向かって手をつないで
「おやすみなさい」
布団の中で安南と抱き合いながらチューをして
「美味かったし、楽しかった」
「そうだね。私缶チューハイ以外飲むの見たの初めて」
「俺は大人の前で楽しく飯食ったの初めて。怒られないし、みんな話しかけてくれるし」
「こういのまたあったらいいなあ」
「毎日じゃないけど、たまにはありそう」
そう言いながら例によってまた長いチューでおやすみ。こんなに大人たちが大勢いたのに、楽しめたのは初めて。またあったらいいなぁ。
明日は一日早いクリスマスイブ。クリスマスそのものが初めてだった俺達。みんなにしてもらえて大満足。今日も乱気流もなくすやすや眠れそう。
よく寝て、翌朝もスッキリした気分。安南はもう朝飯の支度で起きているから、布団の温もりが少し低いかな。
顔を洗って着替えると、もうお父さんは気忙しく食べ終わり
「行って来らぁ。早速だけど仕込みを増やさないとな。それと新店舗にも行って来る」
と言ってそそくさと下に降りていった。今日はクリスマスイブ。うちの店はオードブルやピザ、チキンの予約で忙しいらしい。続けてお母さんも
「お母さんもお店手伝うから、お昼以降はお留守番しててね」
って。早速食べ終わるとお母さんと安南は片付けから、洗濯と掃除。俺はやることがないから2人を手伝うことに。
それが終わって昼飯は健之介くんのうちの餃子と昨日の残りのチャーハン、これは郁さんが作ってくれたピーマンと人参のみじん切りがたくさん入った野菜チャーハン。本当にうまい。餃子もしかり。
食べ終わるとお母さんはしばらくして下に行く。すると腹の中でニヤリとする俺。
「安南と二人きりになれる」
そう思うと、安南も同じなようだ。
飯を食った後はアニメの再放送。今日はスマイルマジキュア再放送、安南お気に入りのなほちゃん主役の回。幼い兄弟たちの世話を焼いたり手こずるシーンを食い入るように見ていた。
このとき俺達はぴったり肩を寄せ合い、手も繋いで画面に向かう。そしてマジキュアが終わり、安南と見つめ合って、チュー。だけどちょっと匂いで、現実に戻る。
この後昨日もらった絵本を2人で読むと、クリスマスイブの晩は枕元に靴下を置くと、サンタさんが煙突から入ってきて靴下の中にプレゼントを入れてくれるって話。
プレゼントかぁ、もらったことないなぁ。クリスマスイブの晩なんて、あの女は男を連れて帰ってきただけだし・・・・・
「なぁ安南、今晩俺達も靴下置いておこうぜ、何がいい?」
「う~~んなんだろ、でも靴下じゃ小さいから、タイツを置いておこう。そしたらちゃんと入るし」
なるほどねぇ、でもプレゼントって言っても思いつかないよなぁ。まぁ安南の言う通りにしてみるか。
一旦俺達歯磨きして、今度は汐里さんが置いてってくれた昭和のプロレス動画を見る。力豪山、確かに沢頭3時40分みたい。だけど大きな外人レスラーを空手チョップでバッタバッタと倒すのはかっこいい。だけど、汐里さんの昨日の一言が気になった・・・・
次は汐里さんのプロレスの師匠の馬田さんは大きな体で飛んだり跳ねたり。猪多は「元気ですか~~ダァ~~」のおじさんのイメージだけど、プロレスは初めて見た。怪しいインド人や、「けれて(キレて)ないですよぉ」の防州大の試合はなんか震える感じ。汐里さん猪多も防州も嫌いみたいだけど・・・・翔太くんのお父さんは大ファンみたいだ。
動画で楽しい時間も過ぎて、もう晩飯の時間。今夜は骨まで食べられるイワシのトマト煮と野菜畑、またイワシをもらったみたいでお母さんは運び終わるとすぐ下に降り、久々に安南と2人きりの晩飯。ボロアパートの頃に戻ったみたいだけど、食ってる場所も物も違うし、あの女の汚らしくもだらしがない雰囲気もないから数弾うまい、そして何より安南と2人きりなので・・・・・
食べ終えた頃お母さんが戻って片付けから、風呂に入ってさくらさんが買ってくれたおそろいのパジャマに着替える俺達。そして安南が
「タイツ置いておくね。起きたらあったらいいねプレゼント。」
「うん。でも大丈夫かなぁ?部屋に入れる煙突ないぜ。サンタさんは煙突から入るらしいから」
確かにうちは1階の厨房には大きな煙突があるけど、住まいにはない、だけどちょっとでもいいことがあればいいなぁと思って今夜は長めのチュー。最近ちょっと口を開け気味になるけど、もっと安南の温もりが入ってきそうで暖かい気分になれるかなぁ。
今夜も抱き合って眠りにつく俺達。明日起きたらなにかありますようにと・・・・
リビングで父悠太郎と母安芸子
「これっ楓雅と安南の枕元に後でそっと置いておこう」
「ブーツのお菓子の詰め合わせね」
「それと明後日だけど、店休みだから二人にフルコースを味あわせよう、この機会にテーブルマナーにも触れておいたほうがいいから」
「そうね。うちに来てからまだ私たちからごちそうを出してないし、枕元に招待状を添えておきましょ」
そうして楓雅と安南が寝静まった寝室にそっとブーツのお菓子と、招待状を枕元に置く、悠太郎と安芸子。
「この子達ったら、靴下じゃなくてタイツを置いているわ。脱ぎ散らかしているみたい」
「欲を張ったんだろ?あの子達もしかしたら、クリスマスいやお祝いそのものをしてもらったことがないんだろうな。明後日は思いっきり振る舞うぞ」
クリスマスイブという書き入れ時を終え、疲れている夫婦であったが、小さな子供たちの寝顔に安堵し、喜ばせようと思った瞬間、疲れも吹き飛んだようだ。
ごしょうたいじょう
ふうがくん あんなちゃん よいこにしているので、ディナーにしょうたいします
おたのしみに




