第22話 4人の来訪者とクリスマスはどうしよう・・・・
大和田の家に来てからしばらく経ったけど、この快適な空間に生活は毎日穏やかに、楽しく過ごせていた。
俺は毎日お父さんと一緒に、取引先や他の店舗や工場を一緒に回って俺を紹介して、原っぱで駆けずり回ったり、たまに競輪場でお父さんが勝つから、金も溜まったみたい。
安南はお母さんと一緒に掃除や洗濯、飯の支度のお手伝いで、買い物を一緒に行くと、お母さんはおしゃべり、安南は同じ年くらいの子と横で仲良くなったり。
もちろん安南と二人だけの時も多い。そういうときは絵本を読んだり、アニメの動画を見たり、夫婦コントの真似をしたり。
でもとうとう、しっかり抱き合ってチューをしていたところをお母さんに見られてしまい
「そういうのは人前でするもんじゃないの。あんたたちはケンカもしないくらい仲がいいけど、そういうことをわざわざしなくても、仲は悪くはならないわ」
それ以降俺達は部屋の中でおはようと寝る前だけにすることに。
おもちゃなんかなくても、二人の間は簡単に壊れないし、続いていられる。二人でいられる限り・・・・
色々な人と巡り合い仲良くなっていったのもきっとお父さんとお母さんのおかげだと思う。みんな俺達を変な目で見ないし。
昼飯を3人で食っているとお母さんが
「そろそろクリスマスだけど、うちお店忙しいのよ。悪いけどイブは無し。ごめんね」
「その代わりねイブの前の日あんたたちに会いたいって人が来るのよ。うちでご馳走してくれるって」
クリスマスどうしようかと思ったけれど、うちの店はピザやオードブルの予約が多いから、だめだと思ったけれど、そうしてくれるなら良かったかな。
また俺達によく接してくれる人が来そうで、楽しみになってきた。
12月23日の午後3人の大柄な男性と女性がやって来た。
智弦さんと奥さんの絵美莉さん、汐里さん、郁さん。みんなそろって
「こんにちはよろしく」
て言われて俺達固まってしまった。絵美莉さんは芸能人みたいなオーラがあるし、汐里さんは2メートルくらいでプロレスラーみたいな感じ、郁さんは安南みたいに色が白かった。
「そんなぁ固まんなって、俺の奥さん元芸能人なんだ、怖くないよ、君たちになら」
って智弦さん、すると絵美莉さん
「ちーくんそういうことないじゃん。あなたたち、ほんと可愛いよ。デビューしようよ」
「あっわりい。俺元相撲取りとプロレスラーだったから、驚かせてごめんよ」
と汐里さん。
「安南ちゃん。俺も母親はロシアいや旧ソ連なんだ」
と郁さん
もしかしてこの人たちも昔は俺達と同じ境遇だったのでは?・・・・・・
部屋に上がって、智弦さん
「俺もさぁ実の両親に捨てられて、産みの母親の実家に出されて、嫌な目に遭って、そこを爺さんの弟大叔父夫婦に拾われたんだよ。親父は作曲家兼歌手、お袋は歌手だった。昔から俺のことを良くしてくれてさぁ、でもお袋は怖かった。なんせ毛皮のコートに指輪キラキラで、俺オバケちゃんって言ってたよ」
ここで皆大爆笑。すると
「実際はすごく優しかったよ。ようやくたどり着いたかなって。でも俺が大学卒業して、就職する前日に親父が、さらに2年後お袋も亡くなって」
次に汐里さん
「俺も両親に捨てられて、爺さんが贔屓にしていた相撲の親方夫妻に拾われたよ。親方と女将さんはもちろん、相撲の解説とか歌手の菊の国っているでしょ、菊ちゃんって呼んでたけど、その人親方の弟子で独立した頃、よく部屋に行ってハゼとか釣って、畑の野菜を掘ってみんなで天ぷらにして食ったり良くしてもらってたなぁ」
郁さんも
「俺もじいちゃんとばあちゃんに育てられた。函館でドライブインやっててさ。そう君たちくらいの頃、トラックの運転手が女の子を捨てていったんだよ。香織っていってさぁ。なんか楓雅くんにそっくりだった。そいつは寒がりで冬は毎晩俺を湯たんぽ代わりにして抱きついて寝てた。だけどある冬父親が迎えに来て連れて行ったけど、雪道でスリップして・・・・・」
みんななんか暗い過去があるようで、しんみりしてしまって・・・・そこで絵美莉さん
「私も片親育ちで大変だったけど、小2のときちーくんが転校してきて、仲良くなくなって、うちの妹はちーくんたち家族にも懐いていたよ。そのうち私も良くしてもらったけど、転校してそれっきりだった。けど私引退して今はようやくちーくんのおよめさん。今が一番しあわせ」
「絵美莉さん芸能人だったの?」
「そうお歌歌ってたの。chemiryって名前で」
そういう絵美莉さんだけど、智弦さんなんか少し表情が・・・・
そうしているうちに3人は
「じゃぁ今日の飯は期待しておいてよ」
と言って店に行って絵美莉さんと3人になる。
「あっそうそう、二人にお洋服買ってきたのよこれ」
紙袋から取り出したのは、俺達おそろいやリンクコーデになる服だった。
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