第15話 人並みに近づきつつある俺達 だけど・・・・
今日も俺達朝起きて、まずしっかり抱き合って、チュー、顔を洗ってアンナはエプロンを付けてパン耳朝飯。次に掃除やごみ捨て洗濯。11時ぐらいだろうか、呼び鈴が鳴って、出迎えるとママさん。今日は昼飯を持ってきてくれた。そこへアンナがママさんに
「ママさん、お洗濯したの。干してほしいけど、いい?」
「いいわよ。一緒に干しましょう。それにしてもアンナちゃん偉いわね。お部屋もきれいにして、おばさんと一緒に頑張ってもっと良いお嫁さんになりましょうね」
「うん。私頑張るよ」
もうホントありったけの笑顔で返すアンナ。それにママさんにすっかり馴染んで懐いている。洗濯物を干して、昼飯。今日はママさん野菜畑にソーセージエッグを持ってきてくれた。
「私、ほんとこの野菜畑大好き。それにこのソーセージ赤くないから美味しい」
「アンナちゃん。好き嫌いもしないし、味がわかるのね」
そうまた笑顔で返すママさんにアンナが
「私ケチャップ味とかピロシキ、ボルシチも嫌い。一番好きなのは筑前煮」
「アンナちゃん和食が好きなのね。じゃあ今度作るわ。楓雅くんも和食好きなのよ。ちょうどよかったわ」
好き嫌いもせず、残さず食べる俺達にママさん安堵の表情浮かべ、頼もしく見つめていた。
食べ終わるとママさんと一緒にアンナも後片付け。一息入れるとママさん
「今から公園に行きましょ」
そう言って一瞬固まる俺達。そして俺が
「今行くとママ友軍団が居て追い出されるから、やばいよ」
「大丈夫よ。公園はみんなのもの、ママ友軍団のものじゃないのよだからねっ行きましょ」
そう言われて着替える俺達。おそろいのショートパンツにニット帽。俺は緑、アンナはピンクのタイツを履いて。
ママさんに手を引かれて向かいの公園に入ると、ママ友軍団は子供をつれて消えた。
いつもより早い時間に入れて俺達思い切り走り回る。そうママさんがいるからか、二人だけのときよりずっと心強い。そういえばマスターも結構背が高くて、迫力あるよなぁ・・・・・
おやつの時間になったので、部屋に戻ってママさんアイスを出してくれた。店で出してるシンカンセンスゴクカタイアイス。ママさん
「アンナちゃん本当可愛いわねぇ。二人ともおそろいがよく似合ってるわ。それに間違われるでしょ、楓雅くんと姉妹って」
例によってアンナはごきげん。俺はちょぴるふくれっ面
「またそれかよぉ。でもそういう人ってみんな俺達に良くしてくれるんだよなぁ」
「あらっ良かったじゃない。そのうち2人でお店屋さんに行くと、いつもサービスしてもらえるかもね」
「そうならいいけど、実際俺パン工場でパン買うと牛乳とかおまけしてもらえる。でも恥ずかしいよ俺、女に間違われるの」
「いいじゃないの。よくしてもらえるんなら。いっぱい良くしてもらうのよ」
とうとうママさんにも言われたかぁ。
「それとね、今日私夜お出かけだから、早い時間に晩御飯持ってくるね。それとしばらく毎日私がお昼と夜ご飯用意するから」
「まじでっママさんありがとう」
そう言って俺達ママさんに感謝した。飯の心配は当分しなくてもいいと。
ママさんが帰った後アンナは
「ねぇふうくん。ママさん怖くないんだね。私ママさん大好き」
「当たり前だろ。でもママさん結構人気なんだよな。店の人とか近所の人にも」
どうやらマスターとママさん近所の人にも人気らしい。
ママさんが持ってきてくれた晩飯を食べて今日のテレビまずは昔の刑事ドラマ 太陽にかけろ!
ボスとジーンズ刑事を見て俺思わず
「マスターに似てる」
って言うとアンナが
「かっこいいんだね。なんかすごいオーラがある。ボスはお父さんって感じ」
「マスターもっとでかいよ、いつか会えるといいね」
「うん、会ってみたい」
そして今度は昭和名曲大全で、「♪雨々ふれふれもっと降れ」って歌ってる人を見て俺達
「やっばぁママさんそっくり」
って声を上げてしまった。
風呂に入って寝る前今日はアンナ俺の顔を胸に当てて赤ちゃんみたいにしてるんだけど・・・・・
深夜のマスターとママさん。ソファーで腕を組み、ウイスキーを煽りながら
「なんか俺くしゃみが止まらなかったな」
「私もよ誰か噂でもしているのかしら?」
「俺達は賛否両論だからな。まぁ仕方がない」
「ねぇあなた、あの子達よく食べるわよ。残さないし、好き嫌いもしないのよ。特に野菜をしっかり食べるの。アンナちゃんは和食が好きで、ピロシキ、ボルシチ、赤いウインナーとケチャップドバドバが嫌いなんだって。それに二人ともお箸を上手に使うのよ。食べ方もきれいで」
「結構大人っぽいんだな、味覚も。ただアンナちゃんロシア料理が嫌いなのが気になるな。それに箸を上手に使えるなんて、大したもんだよ。楓雅くんは機転が利くし、アンナちゃんは気配りや所作がきれいで良い感じの兄妹になりそうだな。それとアンナちゃんの謄本めくったけど、あの子日本国籍、雅の実家には内容証明出した。あとで両方の親族に接見禁止命令出してもらう」
「いよいよね。私たち親になるの。あの子達ならきっといい子になれそう」
「あぁ俺達いい巡り合いになるかもな」
「だけど、アンナちゃんお嫁さんって言ってるけど、それは少しずつ諭さないとね」
「それはお前に頼む。」
「オッケー。一緒に家事やって誰もが羨ましがる良いお嫁さんにしないとね」
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