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せんべい布団の飛行船  作者: 佳尾るるる


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第14話 ママさんがやって来て アンナ怯えて固まる 暖かい食べ物でご満悦な俺達

 借金取りを撃退して、翔太くん親子にアンナを紹介し、その後の夕食でアンナが


「ふうくんのところにも来るんだね 怖いお兄さん」


「アンナのところにも来るんの借金取り?」


「うん。たいてい私がいない時間だけど・・・」


「もう勘弁してほしいよ・・・・」


 それは偽らざる思い。他人を巻き込むなっての。子供の俺に弁済の義務なんてないんだから。


 風呂掃除から布団を敷いて、一緒に入浴。アンナは俺達が脱いだ服を洗濯籠に入れる。


 風呂とアンナの肌の温もりで一瞬癒やされるも、またあいつが来ると思うと正直気が滅入る。


 布団に入る前にアンナが正座して


「ふうくんここに頭おいて」


って膝枕。なんかこの気遣い申し訳ない。それに俺が寝ている間、俺を赤ちゃんにしているみたいだけど、それも気が引けて。きっとアンナは俺に気配りをしているのかもしれない。


 最近本当に夢紀行は不発。だけど、なんか凄まじいインシデントに襲われそうな気もしだした。


 朝が来る。借金取りが来そう。部屋を追い出されそう。アンナと引き裂かれそう。どこかへ連れて行かれそう。そうそうばかりの不安だらけ。パン耳の朝飯も食べた気がしない。


 今日から昼もパン耳。パン耳が2回になってますます不安がつどる。


 公園でも上の空。部屋に戻ってため息をした瞬間呼び鈴が。例によってアンナと恋人繋ぎで出ると、大柄な女の人が。


「あっママさん」


その瞬間アンナ固まって俺の後ろに隠れて


「ふうくんのお母さん?」


「違うよえっとね」


答えあぐねているとママさんしゃがんで俺達の目線で


「おばさんね、楓雅くんのお母さんのお店の人なの。あなたお名前なんていうの?」


と優しく穏やかに言うけど、ハスキーボイスなせいか、アンナはしどろもどろに


「アッアンナ」


「アンナちゃんね。可愛い子ねぇ楓雅くんのお友達?」


そしたらアンナ


「違うよお嫁さんだよ」


「あらっ可愛らしいお嫁さんね。エプロンも似合わうわよ」


そう言われてアンナすっかりごきげん。


 中に入ってもらって、例の封筒と名刺を出して


「また来たんだよ。塾長の名刺見せたら帰ったけど。ところでさぁあの服とか売って借金返したら?」


「私の母親のも売っていいよ」


そう言われママさん


「そういうわけにもいかないわ。そのことはマスターに話しておくから、あなたたちは心配しなくていいわよ。大人に任せておいて」


 そう言ってくれるママさんだけど、大丈夫だろうか?


「ところであなたたちご飯はどうしてるの?」


「毎日アンナが用意してくれる。朝と昼はパン耳で夜はレトルト」


「アンナちゃん偉いわねぇ。でもお腹すくでしょ?」


 そう言われるとそうだけど、心配させてしまうから黙っていると


「今日からご飯は私が用意するわ。早速晩御飯持ってくるからちょっとまっててね」


そう言ってママさん一度部屋をあとに。


「お店って水商売?」


「違うよ。昼の方。ハンバーグとかピザがすっごい旨いんだよ」


「へぇぇじゃぁハンバーグかなぁ?だけどケチャップ風はやだなぁ」


「醤油ベースのおろし玉ねぎとか大根おろしもあるよ」


そう言うとアンナなんかうきうきしている。きっとそれは空腹を完全に満たす毎日を期待してのことだろう。


 しばらくしてママさんが料理を持って食欲をそそる匂いとともに戻ってきた。


 ハーフハンバーグ玉ねぎソースにミニフライドチキン、ミニエビフライ、ミニコロッケとお子様ランチより多めの主菜、じゃがいもの蒸したのと、多めの人参のガレット、キャベツとほうれん草と人参の温野菜。俺達の年齢にしては多めのライス


 ママさんそれを並べて俺達を呼ぶ


「ご飯よ。たくさん食べてね」


二人揃って合掌して


「いただきま~す」


「ふうくん、美味しいねハンバーグ、コロッケも、チキンも美味しい」


「だろ!マジで旨いんだよ。それにこの人参もすっごい旨い」


「アンナほんというと人参好きじゃなかったけど、この人参すっごい美味しい。それにこれ野菜畑みたいキャベツの」


と言うとママさん


「野菜畑。いい名前ね。じゃこれから野菜畑も作るからいっぱい食べてね」


すっかり満腹でごきげんな俺達、そのあと風呂にも入れてくれて、部屋を後にした。




         そのころマスターとママさんは


「どうだったよ?」


「驚いたわよ」


「何を?」


「元気なんだけど、女の子と一緒だったの。アンナちゃんって同い年の子。外人みたいですごいかわいいのよ」


「へぇぇ楓雅くんガールフレンドと一緒なのか?」


「それがねぇ、お嫁さんだって自分で言うのよ」


「お嫁さんかぁ」


「エプロンしてご飯の支度とお洗濯をしてるんだって、だから部屋も片付ているのよ」


「随分しっかりしてるんだなぁ。アンナちゃんも」


「あとこれ」


「なんだこれ、金融会社の督促状か?」


「先日も取り立てに来て、塾長の名刺を見せたら逃げたって。それであの子達親のバッグやアクセサリー売って返してっていうのよ」


「あいつ(塾長)と楓雅くん接点あるのか。ともあれ借金に関しては楓雅くんはもちろん、我々にも責任はない。それも明日弁護士に話しておく。それとアンナちゃんだけど」


「なあに?」


「ウチで引き取ろう。楓雅くんと一緒に」


「ええっ。素直でいい子なんだけどぉ・・・でも・・・」


「楓雅くん一人より、アンナちゃんもいたほうが、お互い切磋琢磨出来たり、協力しあえていい方向に行けるだろう。現にそうなんだから」


「そうだけど、アンナちゃんの親の方は?」


「育児放棄だから大丈夫。それも明日弁護士と児相に話しておく。俺が責任を持つって。それに悪いがもうしばらくあの子たちの面倒をよろしく頼む」


「オッケー。任せておいて」



次回は明日12月27日21時3分ごろ、投稿予定です。




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