女豹の目
R15です。恋愛です。
(r15は線引き難しいので、死ぬほど悩みました。ここに投稿して良いか。もし運営様からご指摘受けたら、即刻削除します)
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳ございません。
夕暮れ時の図書室で女が本を選んでいる。哲学書が押し込まれた隅っこで、適当な本を捲っては戻す。捲っては戻すという行為をひたすら繰り返している。
そう、此奴は別に本を読みに来た訳では無い。視界に誰も入らないこの場所で、俺を連れ込むことこそが目的。有り体に言えば『二人きりになりたかった』という表現になるだろう。
最もそんな可愛らしい言葉が似合うような奴では無いが。
本を捲る動作に飽きたのか、不意に後ろを振り返った。腰まで伸びた髪。全てを諦め、達観したような気だるげな目が此方をじっと見つめている。
妙な色気があるのだ。此奴の目には、見つめられると吸い込まれそうになる。そして、戻れなくなる。
「あぁ、そっか君、彼女も彼氏も居ないんだよね」
忘れてた。という言葉の後に僅かに口角があがる。蹴りを飛ばそうにも遅かった。
腕を回すと強引に口を押し付ける。虚をつかれ、僅かに口が空いたのをいい事に、問答無用で舌を捩じ込んだ。柔い感触が口腔を蹂躙し、悪戯に掻き回す。離れようと強制的に額に手の腹を押し付けて引き剥がすと、名残おしそうに銀の糸が引いた。
「お前.......っ」
「そっか、キスは初めてなんだよな」
相も変わらず気だるくてアンニュイな目だった。今行った強姦紛いの行いに悪びれもせず、口の端についた唾液を親指で拭う。それから飴でもしゃぶるように、口の中に持っていく。
「そうやって一生私に振り回されれば良い」
仄暗い双眸。か弱い小動物をいたぶって弄ぶような、そんな色をしている。
「あんたの骨、全部抜いてやるよ」
「うるせえ淫乱」
そう言うと僅かに目を見開いた。僅かに瞳孔が開き、外の光を集めてチカチカと光る。どうやら被虐趣味でもあったらしい。女だろうと構わず、その髪引っ張り回してやろうか?
俺の恨めしい目に気を良くしたのか、ヘラりと笑って見せた。加虐的なのか、被虐的なのか分からんこの女は、生温い気だるい目を脱ぎ捨てて、ネクタイを掴む。それからもう一度顔を近づけた。
「ますます欲しくなった。あんたが二人目だ。あたしを『淫乱』呼ばわりして、瞳孔かっ開かせたのは」
バランスを崩したのをいい事に、またも首に手を回す。耳元まで唇を近づけると、吐息混じりの声で、こういった。
「一人目はあたしの親友。二人目はあんた」
彼女が述べたのは、最愛の二人。彼女が心を開くたった二人。
目と口に色気があるって、どんなにスタイルが良くても叶わない気がします。
実は前から書いていた女豹の色ボケから派生して出来ました。
なろう様に投稿するならヤバいシーン全カット。
全て書くならムーンライト様にお世話になります。