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忘れられた魔女のはなし  作者: 淀瀬
3/5

部室にて

 軽市が会議室兼部室から姿を消してから、残された三人の間には嫌な沈黙が漂っていた。

 ツチノコ探しなんて馬鹿馬鹿しいだろ、それでも、奇人だが馬鹿じゃない軽市の考えだし深い理由があるのではと探ってみる。毬臼は鞄からスマホを取り出して見ているので、僕は力家に声をかけた。

 「なあ、力家くん」「何でしょう」「笑理が言ってた廃校、えっと、奥山小学校だっけ、それ知ってるの」まあ、実際どうでもよかったが、まだあまりしゃべりなれていなかったので、とりあえず聞いてみた。「知ってるほどではないけど、西奥山駅、この学校の最寄駅から8駅いったところの駅から大体、15ふんぐらい歩くところにあったかな」想像より詳しく返ってきてしまった。「そうなんだ、じゃあ有名なのか、」「地元の人は大体知ってるくらいかな」と言ったがこれは本当なのか、軽市と毬臼が知っていたことから、変人のたまり場かなんかかと邪推ていたが、違った。あいつらのように変人で無い事を願いたい、力家くんだけは。そう思っていると変人No2が話しかけてきた。「献十が知らないって本当だったのかい」あの軽市に茶々入れたいだけかと思ったよ、というが僕もそこまで面倒なことはしないしする理由もない。無意味なことに面白みを見いだせる君とは違うのだ「僕はほんとに知らんな、そんな学校」「結構有名だと思いますよ」そうか。力家も変人側だったか。残念ながら、生科部の常識人枠は僕だけの様だ、さすがに早合点だが。

 奥山小学校、最近ではあまり人がいないようで、社会見学などでも使われないらしい。あまり山奥ではないがそれなりには動きやすい服装でないと大変だそうだ。ちなみに力家は小学校の頃に見学に行ったから知っているらしい、と言っても遠巻きから眺めるだけだ。と言っていた。

 そういえば、「今日の朝のニュースを見たかい」と毬臼が聞いてきた。何かあったのだろうか。

「二人とも見てないなら仕方ないが、7時半ごろのことだ、ローカル番組の開始のあいさつをしようとしてたところ、突然キャスターがセリフを忘れたんだ。」その位のこと、よくとは言わなくとも、たまにはあるだろう。

「よくあることかもしれないけど、そのセリフが、時間だったんだよ、7時半になりましたっていう。」つまり、毎日いうセリフを忘れるなんて、不自然だと言いたいのだろう。

「まあ、気になることだが、幾らでも可能性はあるだろ、偶然スタジオに虫が飛んでて、セリフが飛んだとか」まあ、実際そんなことないだろうが、「それだけじゃないさ」楽しそうに笑っている毬臼に僕は嫌な予感がした。「今ニュースを確認してたんだけどね、なんとその時刻周辺だけで事故が37件も起きてるんだ。」はあ、さすがに事故が起きすぎだろう。それと比べればニュースの失態なんてどうでもよさそうなものだが、なんで先に行ったのだろう?

 「まあ、僕が言いたいのはそれだけさ」そうつぶやいた毬臼の目は少し虚ろげだった、諦観した人間の目だろうか。まあ、人の目をまじまじ見ることなんてそうないからわからないが......

 毬臼と力家が何やら雑談を始めたので、僕はさっきのことについて考えた、気象状況が悪く路面が

季節外れに凍ってたり、濃い霧が出てたとかならわかるが、11月14日にこの地域はそこまで寒くない、秋と言ってもいいくらいには温かかった。なら、なんでだろう。頭をひねってみるが、まだ情報が足りないのだろう、結論は保留することにした。

 「力家は何かわかるか」と聞くと、うーん、と口に出さなくても分かりやすい表情をする。

顔に出やすいタイプなのだろう。「しかし毬臼、何でそんな話ししだしたんだ。」「いやぁ、少し引っかかることがあってね、そのうち重大な事件が起きる気がするんだ」と、恍惚と舌なめずりをした。こいつはトラブルを楽しむ節がある。人の趣味に口を出すほど野暮じゃないが、どんな頭をしてるのか知りたいとは思った。

知ったところで楽しめるとは思わないが。

曰く、300の大したことない事故があり、29の軽微な事故があり、そして1つは重大な事故になるらしい。毬臼の言いたいことは分かった、もしかしたらまだ起こってないかもしれない重大な事故を防げるかもしれない。

 まあ、ぼくの知ったことではないか。

 果たしてこの姿勢は毬臼と比べて偉そうに言えるものなのだろうかと若干疑問に思った。

陽が傾き空が赤らむ、そろそろ帰ろうか。毬臼と力也も、荷物をまとめ始めた。静まり返った学校は節電のために薄暗く、非常灯が浮かび上がている、廊下は陽が入らないので寒そうだ。

読んでいただきありがとうございます。

なかなか書くの難しいですが、失踪しないように頑張ります。

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