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はじめての休日

 今日は誰もがハッピーな一日「休日」

そう異世界探偵達の、休日が楽しみと言うのは例外ではなかった。1週間の間に1度しか無い休みだ、



 寝るも良し、劇場に演劇を見に行くも良し、城下町をただブラブラと散策するも良し。 天気は晴れ!穏やかな風に温かい太陽!


そんな休日…彼らは一体どんな風に過ごすのだろうか。



「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」

 仁は本来休みでは有るのだが、少しでも早く体の基礎筋肉を作る為、早朝から一人でトレーニングを開始しており、只今は木刀での素振りの真っ最中。

たった二ヶ月に加え、最近の運動量は地球に居た頃の何十倍なのだろう、ちょっとやそっとの事じゃ疲れなくなってきた。それは自分でも感じれる、成長なのだろうか。

「おい!ヘタレ、その素振り終わったら薪割っとけ!そろそろ無くなるからな。それ終わったら今日は自由にしていいからな」

 2階の窓からギリアムさんの指示が聞こえ、風呂を沸かす用の薪を作らなくてはいけなくなるが、これも一つのトレーニングとして考えれば、少し気が楽だ。


 道具小屋に置いてある、手斧を持ち一定のリズムを刻みながら薪を作る作業は、割りと好きな作業ではある。上手く割れれば気持ちいいし、何より割れた薪が積み木の様に積み上がるのは、とても充実感がある。


「ふぁ~~~あ…ん~…」

大きなアクビをかまし、寝癖が大暴れしている頭を描きながら書斎へと歩いていく、その姿は凛々しさ等全くの皆無で「休日のおっさん」そのものだった。

「あらジュンさん、起きましたか」

 書斎では彼の奥さん「ミア」さんが、一通りの掃除を済ませ書類を整えていた。

「ん~、ミア~、コーヒーある?」

「ありますよ、今淹れますから少し待ってくださいね」

「わかった…」

 ミアはそう言い、書斎の戸棚を開けジュンのお気に入りの銘柄のコーヒーを入れていく、温度は少々熱め、朝一番はブラックでミルクも砂糖も無し、3種のコーヒー豆を引きブレンドした「ミア・スペシャル」(順が勝手に命名)を、五感全てで堪能するのが順の休日における朝である。


 ゆっくりと寝惚け眼の順はコーヒーをすすり、朝刊の代わりに城下町の商人から送られてくる、情報紙を読み一日の予定を決める。

「ミア、今日は市場で野菜が高いらしいぞ、でも卵が安いみたい、あのおっさんの店のやつ」

「あら…、では必要最小限に留めましょうか。卵ですか良いですねぇ。あのおじさんの所に行くといつもおまけくれんですよ、大丈夫って言ってるのに…」

 ミアは笑いながらも、少々困り顔で反応をするも嬉しそうだ。

「んじゃ…今日は親子丼かな、鶏肉も安いみたいだし。」

「そうしましょうか、あっそれなら少々生地屋にも寄っていいですか?」

「ん?良いけど。なにか作るのか?」

「いえ、アスタちゃんの服がそろそろほつれてきたんで、手直ししようかと」


 ただのなんてことのない夫婦の会話だ、だが順やミアの様に戦場に身を置いてた者としては、これ以上のない「幸せ」なのだろう。

「ミアちゃーーーん!」

 その2人の空間に、一人ドタバタと駆け寄る一人の少女、アスタロッテだ(通称・アスタ)。

「アスタ…戸はもう少し静かに閉めてくれ、」

「あっおはよーししょー。ミアちゃんミアちゃん!お小遣いちょーだい!」

「ふふっ。はいどうぞ、大事に使ってくださいね。」

「うんっ!ありがとー!」


 ミアがアスタに手渡したのは、地球に換算すると約50円程ではあるが、城下や近くの村等では駄菓子なら割りと多く買える金額ではある。

「ん?アスタどっか行くのか?」

「うん!今日はねじょーか町の広場でね「魔装騎士ブライザー」のショーが有るんだよ!リューコと一緒に行くんだ~」

「お~あれか、たまに城下行った時にやってるな。あれだろ「俺は正義の騎士ブライザーっ!ここに見参っ!!」ってやつだろ」

「そう!先週はね!ブライザーの先輩騎士の「グレイザー」が裏切った所で終わったから、すっごい気になるの!!」

 最近アスタは、週に一度城下町の広場で昼から始まるヒーローショー「魔装騎士ブライザー」にハマっており、休みの日にはリューコと2人で観に行ってるらしい、リューコ曰く「最初は全く興味が無かったけど、見始めると続きが物凄く気になってしまう」らしい。

 普段から元気いっぱいの彼女だが、週に一度のこの日は朝からテンションは最高潮に達し、煩すぎるのが正直な意見だ。尻尾は千切れそうなほどに、左右に振り目は大きく宝石の様にキラキラと光り輝いている。



~~~城下町・中央広場~~~

 あの後薪割りが終了した仁も合流し、屋敷んぼ馬車から城下町までやって来た。

順とミアは買い物で市場街へ、仁・アスタ・リューコは「ブライザーショー」を見に行くため広場へ。

「あ…アスタちゃん、ブライザーってそんな凄いの?」

「うん!すーーーーーっごいんだよ!ししょーの次に強いんだよ!ドーンっなって、バァーン!ってなるの!」

「(うん…全然わかんないよ、アスタちゃん)」

「ほら2人共、早くいかないと特等席売り切れちゃうわよ~」


 そこはかとなくリューコさんも楽しそうだ…、それになんだろう会場の熱気か僕までドキドキしてきたぞ。


~~~魔装騎士ブライザー・開演~~~

「やっやめてくれタードナー先輩…俺達仲間でしょ!それなのに何で怪人を復活させたんだよ!ぐあっ…!」

「うるさいっ!急遽作った「魔装鎧システム」のせいで…俺の体はボロボロだぁっ!それにな怪人を復活させたのは俺じゃない…カルナ博士だ…俺達はアイツに踊らされてたんだ!」

「そっそんな…カルナ博士が、それに「魔装鎧システム」せいで…体がボロボロに…うわぁぁぁぁぁっ!」

 そして赤い鎧の「グレイザー」は、舞台端の垂れ幕の後ろに走り込み、舞台には紺色の鎧の「ブライザー」が座り込みここで終幕となる。


 会場からは拍手喝采、スタンディングオベーション状態だ。かくゆう僕も立ち上がり2人と一緒に拍手をしていた、そしてショーが終わると僕ら三人は、近くのカフェに入り感想をそれぞれ述べていた。

「ううぅっ、まさかグレイザーがあそこまでつらい過去を背負ってるなんて…」

 リューコさんはグレイザーが好きなキャラなのか、半べそ描きながらも、余韻にひたりジュースに手を付けていく。

「でもまさかあんな演出全てを魔術でするなんて、凄すぎますよ!」

「でしょ!あぁ~早く続きが気になるーーー!!」


 三人で感想会を楽しんでいると、赤岩さんとミアさんが此方に声を掛け屋敷へと戻る事になった。


~~~屋敷・夕食~~~

「んでねししょー!ブライザーがね!」

「うんうん聞いてる聞いてるー…ミアおかわり頼むわ」

「ちょっと待って下さいね~。」

「それでそこからグレイザーがね!」

「うんうん、聞いてるよー…グレイザーが剣でズバーッって切るんだろ」

「そう!でもね、ブライザーは諦めないんだよ!!」

「うんそっかそっか」

 同じ内容の話しを、何度も何度も繰り返し聞かされ、さすがの順も疲弊しだしたのか、段々と返事も適当になりつつ有る。


「(赤岩さん…話し聞かされるの今で8回目に入っちゃった)」


 その後何度もアスタの話しを繰り返し聞かされ、順は寝る時、珍しく夜うなされていたらしい。

 


 To Be Continued

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