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可愛いは正義じゃないでしょ?

午前の政務を終え、今日は午後から授業もない上、良い天気だし、のんびり騎士達の修練場の横の道を抜け厩付近を散歩。


ひひ―ん。ぶるぶる。


良く貴族は馬は優雅な生き物で好ましいっていうけど、私は、馬のあの


『俺達走りにマジ命かけてるんで!』


って感じでブルブルヒンヒン言いながら歯をむき出しにして走ってるのが好きだ。

あいつらいつもマジなんだもん、ういやつらめ。


どこかの馬鹿共も馬車馬のように働けばいいのに…。


溜め息しか出ない。



しばらく柵に寄りかかり放牧されてる馬を眺めていた。


青臭い芝生の匂いとかマジ癒やしだわぁ。

執務室紙の匂いしかしないし、こんど花瓶に草でも生けようと思う。

花はすぐ萎れるし。




「これはこれは姉上、ご機嫌よう。」


この世で私を姉とのたまうのは世界に二人しかいない。

エヴァンナの声ではない少年の声、さらに絞ると弟は一人しかいない。

弟となると奴しかいない訳だが


「まぁ……、エヴァンズ、ご機嫌よう。」


振り返るとエヴァンズとその後ろに数人の騎士と侍女が跪いている。


エヴァンズはこの国の第一王子だ。


3年下妹のエヴァンナとは双子で末っ子で幼い頃は良く追いかけ回して泣かせたものだ。

私が追いかけ回さなくなってからはエヴァンナに追いかけまわされ今は侍従やら護衛やらをぞろぞろ引き連れわざわざ自分を追いかけさせるとか我が弟ながら性癖を心配してしまう。



エヴァンナとエヴァンズは双子なので顔は母の若い頃に瓜二つ。灰色ががった淡い金髪は肩のあたりで切りそろえられ、父譲りの黒い瞳は男とはいえ思えないほど大きくクリクリしている。

華奢でほとんど少女と見紛うばかりのその外見のせいか、老若男女問わず人気がある。



「奇遇ですね姉上、馬を見てらしたのですか?お暇なんですか?ならこれから僕と遠乗りでもいかがですか?」


「だがことわ「うわぁ、嬉しいなぁ!姉上と遠乗りとか久しぶりですよね?」」



エヴァンナ(馬鹿)よりよっぽど扱いづらいよこの弟。


そして風に吹かれてなびく髪のサラサラ感が超憎い。


「というわけだからサエラ、馬番に鞍を着けるよう行ってきて。」


「はい、我が君。」


サエラと呼ばれた女騎士は立ち上がると厩の方へ入っていった。

真紅の髪を肩で切りそろえ、きりっとしたかんじの如何にも「負けず嫌い」です、って感じだ。

あ、キュッと締まったいい尻。


てか…ワー…我が君だって、我が君だって、何それ超はずい。

その呼ばせ方はちょっと背伸びしすぎなんじゃない?

いまはまだ可愛いから良いけど、あと2、3年してムキムキマッチョにでもなってから呼ばせなさいよ。


とエヴァンズを凝視するがエヴァンズは何を考えてるのかニコニコしてるし。


イラっ☆っとくる。


そして、お付きの人々の視線が痛い。

侍女が三人に騎士が二人…


何故そんな親の敵を見るような目で見るし。


特に睨みつけるように凝視してくるのは、短く刈り上げた黒い短髪に筋肉モリモリな男。日に焼けた肌にエヴァンズの貴色である白の騎士服を纏う………


……




…名前が思い出せないとか言えない。


とにかくエヴァンズと一心同体のごとく何時も一緒にいる親衛隊の騎士。胸に銀糸で葉の刺繍があるから親衛隊長だろう。


貴色の騎士服を纏えるのは親衛隊。襟には貴紋の刺繍。そして親衛隊長は命を捧げると言う意味で左胸に貴紋の刺繍。


白とか青なら良いんだけど、私の貴色橙色なんだよね…橙色とか微妙すぎる。

即位したら絶対貴色変える!


絶対にだ!

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