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精霊の領分


ジルはもともとは人間の少女だった。



それとしらぬまま夢魔の王と恋に落ち、その後人外のものと通じたとして彼女は命を落とし、夢魔の王は彼女を死に追いやった人間たちを襲っていった。


キヨテルは死してなお彼を思うジルを彼女を哀れに思った精霊たちの力をかりて精霊として生まれ変わるのに力をかした。


そして精霊としてはあまりに脆い彼女を精霊の間に収めたのだ。




『彼とともに安らかな眠りにつくことができるなら、それはとても幸せなことだとおもうの。』



そういって彼女は柔らかな笑みを浮かべ愛すべき恋人を胸に抱きその身を持って彼を救った。

美しい闇色の筒のなかで永遠に妨げられぬ眠りを彼女は彼に与えたのだ。

その身を呈して。





あの日僕の傍らで肩を震わせ嗚咽を押し殺していた彼女の姿を、僕は今も鮮明に浮かべることができる。




酷く足が重く、体をうごかすのも一苦労だった。

まるで泥の中を泳いでいるようになにもかもが緩慢に体にまとわりつく。

それは空気であったり、人の気配であったり、空中に舞うわずかな魔力の残滓であったり、そのなにもかもがいまの彼女にとっては耐えられぬほどの苦痛をその身にもたらした。


それでも彼女―ジルは壁にその身をはんば押しつけながら廊下を歩んでいた。


長く眠りについた彼は魔力のほとんどを失い、自我を失っていれば無差別に人間を襲うかもしれない。

もう二度と彼に誰かに傷つけられるのも、彼が誰かを傷つけるのも絶対に嫌だった。


あんなことを繰り返すのはもう嫌だ。


その思いだけが彼女を動かしていた。


昼の時刻と言うのも彼女の衰弱に大きく拍車をかけていた。

月の光の下ですごす闇の精霊のみであるジルはなるべく日陰を選んで道をすすんだが、ふいに肌の上を日の光がかすめるたび皮膚の上に水泡ができ赤くはれ上がった。


「いたい…どうして…?どこいにったのシルヴェストル…ここはどこなの?お願い一人にしないで…誰か…。」


無理やりに封印を破られてしまったことで力のほとんどを失っているジルは少しずつ自分の自我が希薄になりつつあるのを感じていた。


このままでは自分は消えてしまう。


周りを多くの人間がせわしなく行きかうが、精霊でしかも消滅しかかっている自分を見ることのできるものなどいない。


「誰か・・・だれ、か・・・わた、しを・・・・かれの・・・。」


計らずしも、「夢魔除け」のために使われた魔力の残滓が彼女の力を奪い、ジルの体は少しまたすこし、と幼く、小さくなっていった。



視界の色彩さえ白黒にむしばまれてゆく中、



「あなた、大丈夫?…やだ、酷く弱ってる。」



黒い髪の酷く懐かしい香りをまとう誰かが自分の身に触れるのを感じた。







枕に「夢魔除け」の魔法を施し続け、もうやってらんないわ、死ぬ!!!

と、いっぱいいっぱいになっちゃたので「私はご不浄トイレにいってまいります。」とかいってあわよくばトイレに籠城してやろうとか思って、普段あんまり使用頻度のすくないトイレ目指して、突き進んでいた。

なんかもう、一番古いトイレとか良いかもしれない。誰も来ないし。

とか思いつつ角を曲がったら、壁に寄り掛かかりながら這う少女を見つけてしまった。


どうしてこんなとこに幼女がっ!?


父がフリーダムとはいえここは城なわけで幼女がこんなとこにいるはずがない!!

しかも周りの人間はいかにも具合のわるい彼女を見て見ぬふりをしてるのか助けようとしている気配はまったくない。


なにこれ?


YES ロリータ NO タッチ?!


死にそうでさえあるのにロリコンどもの鉄壁の誓いはそこまで固いのかい!?

周りの男どもに幻滅し同時にこいつら絶対私のこと王女だってきづいてないんじゃね!?

いくらいそがしいからって会釈くらいしてもいいとおもうのよ。

まったくもー。


とか思いつつ、少女に近づくと頬の上をさらっと何かがなでた感じがした。

それは魔力の属性の気配のようなものだ、霊力が高いものは属性を直感で捉えることができるため、メーアはその頬に触れた魔力の気配を闇!もしくは夜っぽい!と感じた。そして目の前の少女が人のみでなく酷く弱っていることも。


夢魔…ではなかろうがそうだろうがこのままにしてはおけないわ…。



「あなた…大丈夫?…やだ、酷く弱ってる。」


闇に属するものならこの昼下がりの日差しはさぞやきついだろう。

メーアは肩にはおっていたショールを外し、


「あまねく万物を照らすものよいまは遠ざかり、あまねく万物に眠りをもたらすものよ今はここにあれ」


光を遠ざけ、闇のもたらす眠りと安らぎをイメージしながら疑似的でそしてささやかな「夜」をショールに宿す。


「これで、よし。」


ひろげれば結構な大きさのあるショールで幼女をぐるぐる巻きにし、抱え上げる。

これはさぼりどころじゃなくなっちゃったわ。


・・・とりあえずどこかの空き部屋でやすませてあげよう。



抱えた幼女は酷く存在が希薄に思えてメーアは抱え直しながら、すこしショールをずらしその肌に触れた。



「あ。」



彼女の不必要に高い魔力と霊力は確かな直感をもたらしメーアの身をつらぬいた。





「このこ…精霊!!!??」





書いてるとちゅうできえたああああああああ(´;A;)ダバダバ

もう戦えない・・・とおもいつつかきましt


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