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モノもち  作者: テイク
第一章 現れるモノ
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第三話 新生活にまぎれて三人目が出てきたり出てこなかったり?

 朝、目が覚めると僕はリビングの床で寝ていた。どうやら寝ていたソファーから落ちたようだ。なぜ、こんな場所で寝ているのかというとそれは家に増えた新しい住人のせいである。この家は部屋はあるのだが寝具やその他もろもろの家具がない。僕の一人暮らしなのだ当たり前のことだ。それで寝る場所に困ったのだ。一緒に寝るわけにもいかないので僕の部屋のベットを貸して僕はリビングのソファーで寝たというわけだ。


「うう、体中が痛い」


 硬い床で寝たせいだろう。体中がきしきし言ってる。


「まあ、あの二人にこんな思いをさせるよりはいいか」


 どこまで行ってもお人好しな僕。いつかこれで痛い目を見そうだよ。


「とりあえず着替えるか」


 …………そこで気がついた。着替え僕の部屋だよ。そして今僕の部屋にはシルとキク、つまり女の子が二人寝ています。


「どうしよう」


 着替えなければなにも出来ないわけではないが。


「着替えたほうがいいだろう」


 そんな格好である。あとで着替えることも出来るが。さて。


「行くしかないな」


 別にやましい気持ちからじゃないぞ。こんな格好しているときに誰か来たら困るからだ。それにご飯も作らなければいけない。別に寝ている間に部屋に入るだけだ。そう入るだけ別になにかしようってワケじゃない。何か害があるわけじゃないし。気づかれなければいいだけだ。それに着替えを取るだけそう取るだけ。


 よし、前振り終了。任務(ミッション)自分の部屋に誰にも気づかれずに入る。


 任務(ミッション)スタート。


「進路クリア」


 ほふく前進で廊下を進む。端から見ると変態だな。ったく誰だよこれ。


「目標のポイントを発見」


 物音はしない。まだ寝ていると思われる。さあ、行くぞ。本当変態だよな、これ誰だよ。まったく最悪だよな。


 ガチャ、ギ~


 扉を開ける。そこから中を覗く。二人ともまだ寝ている。そっと中に入る。


任務(ミッション)コンプリート。潜入成功」


 第二任務(ミッション)、二人を起こさずに着替えを取る。


「そ~っとそ~っと」


 二人を見ながらクローゼットに移動する。二人ともよく寝ている。うん、女の子が寝てる姿っていいよね。


「よし」


 クローゼットから着替えを取り出す。


任務(ミッション)完了」


 第三任務(ミッション)、誰にも気づかれずに写真を撮る。


 別に変態的行為ではない。この元道具たちの生態を解明することが今の僕の使命であって僕のこの現状を解明するのにも役に立つからだ。それに誰かに公開するわけでもない。思い出にもなるわけだし。気づかれなければいいだけだ。可愛く撮るし。


 うん、前振りてか言い訳終了。てなわけで撮影開始。


「ふう」


 よし。任務(ミッション)成功。


「これでよしと」


 携帯のカメラで写真を撮った。気づかれてないはずだ。よく寝てたし。うん。可愛く取れたな。


 第四任務(ミッション)、誰にも気づかれずにこの部屋をでる。


「簡単だぜ」

「お兄ちゃん~??」


 ビクゥ!!


「ん~ムニャムニャ」


 なんだ寝言か。危ない危ない。今のうち今のうち。


 部屋をでた。


「ふう、任務(ミッション)完了。帰還する」


 リビングへと戻った。携帯のデータはパソコンにも保存してっと。他にもバックアップをとってとよし。


「さて、着替えたし。ご飯の用意しよう」


 いい朝だな~。

「さて、出来たな」


 他の人の分まで作るなんて初めてだな。昨日は混乱してて考える暇なんてなかったし。


「う~、おはよ~」


 考えているとシルがおきてきた。


「ああ、おはよ」

「おはようございます透さん」

「ああ、キクもおはよう」


 さてと、既に朝食の準備は出来てるので食べる。


「おっとそうだ、お前ら今日暇か?」

「暇~」

「暇です」

「なら、買い物行くぞ。これからいろいろ必要になりそうだからな」


 その言葉にシルが反応する。


「やた、買い物!! お兄ちゃんと買い物!!」

「よろしいのですか?」

「ああ、遠慮するな。お金は有り余ってる」


 本当に有り余っている。


「では、お言葉に甘えて」


 てか、なんだろうね、キクって年の…………いや、考えるのはよそう。


 その後準備をして買い物へ。目的地はデパートだ。ここなら服とかもそろうし。一気にそろえてしまったほうがいいだろう。


「とりあえずすきなの選んできてくれ」

「うん」

「では、行ってきます」


 キクとシルは店の中に。今は服売り場+下着売り場だな。こればっかりは僕にはわからない。それに入ったら変態だし。

 三十分後。女の買い物は長いと理解した。


「買って来たよお兄ちゃん!! ほら!!」

「見せんでいい」


 とにかく買ったことは確認。


「さて、次は家具か。行くぞ」

「お~」


 そんなわけで必要なものを買いに家具売り場へ。ちなみに待っている間に日用品は買い揃えました。


「おお~」


 シルは驚いてばかりだ。


「さてと、まずはベットとかか」


 元が下宿所だったのかなんだか不明だが僕の家は部屋だけは多い。で、和室と洋室半々あるわけだ。まあ、今はそれがありがたい。


「シルはベッドがいいな~」

「私は和室で」

「はいはい」


 そんなわけでそれぞれ必要なものを買っていく。といってもそんなにはない。そんなに広い部屋でもないからだ。

「さて、必要なものは買ったな?」


 既に夕方だ。デパートで昼食をとり買い物を続けた。やはり実感女の買い物はながい。


「は~い」

「ええ」

「じゃあ、帰るか」


 知り合いに会わないように警戒しながら帰る。思ったのだがこいつらが余計なことさえ言わなければバレてもよくないか?


「おや、透君ではないか」


 源さんに鉢合わせしてしまった。


「源さん!?」

「透君も隅に置けないね。こんな可愛い子を二人もとは」

「え、いや違いますよ」

「ふふ、隠さなくてもいい。さて、じゃあ、邪魔な老いぼれは表舞台から去るとしよう」

「え?」


 すれ違いざま、源さんが呟いた。


「………………大切に使われていたようじゃな」

「え?」


 よく聞こえなかった。何を言ったのか聞こうとしたが既に源さんは人込みにまぎれて消えていた。


「あの人まさか?」

「でもそんな」


 二人がなにやら驚いた様子だ。


「どうかしたか二人とも?」

「なんでもない」

「なんでもないです。たぶん気のせいです」

「そうか?」


 疑問は残るが考えてもしかたがない。僕達は再び歩き出した。


****


「ふう、さてと、まだまだ、始まるには時間がかかるな」

「マスター」

「大丈夫じゃ」


 源さんに数人の女性が寄り添っている。


「さて、いくとしようか」


 源さん達はいずこかへと消えた。


****


「ただいま」

「たっだいま~」

「ただいま帰りました」


 それぞれも個性がでたただいまだ。さて、誰が誰かわかるかな。答えは一番上から僕、シル、キク。簡単だったな。


「おかえり」

「へ?」


 …………かえってくるはずのない返事が返ってきた。家の中を見るとグレーブルーのショートヘアと同じ色の瞳を持ち僕より1、2歳年上の女の子が居た。青と白を基調としたゆったりとしたローブのような服を着ていて袖は手が見えないほど長く、裾は逆に太ももが見えるほど短い。真っ白な肌がなんとも言えない色気をかもし出している。そして思う、ああまたか、と。


「壊れるまで、最後まで使ってくれてありがと」


 素っ気無くその女の子は言った。抑揚の乏しい声だ。


「それで、君は?」

「元冷蔵庫」

「マジで?」


 コクリ


 女の子は頷いた。


「ってことはついに壊れたわけか」


 コクリ


 やっぱりか。


「とりあえずバッド電気で冷蔵庫注文しよう」


 電化製品はさすがに新品を買う。そして壊れるまで大切に使う。


「なんとか今日中に持ってきてくれるらしい」


 よかったよ。


「んじゃあ中の食材とかは?」

「凍らせた」


 リビングに行くと氷付けにされた食材があった。


「どうやったの?」

「私冷蔵庫、冷やすのが仕事で、能力(ちから)


 あれ、冷蔵庫の時よりパワーアップしてね? キクとシルはそんなことないのに。


「どんな力か見せてくる?」


 コクリ


 元冷蔵庫娘の手に透明な剣が現れる。


「冷たいこれ氷だ」

「ほえ~」


 シルが舐めようとて。


「やめたほうがいいですよ」


 キクが止めていた。とにもかくにもこれで三人目さてまた買い物か?


「でも、もう遅いからなお前の買い物は別の時でいいか?」

「いい」


 それから何かを待つように僕を見る。


「?」

「お兄ちゃん名前だと思うよ」

「ああそうか」


 シルに言われるまで忘れてた。


「そうだな、じゃあ、トウカで」


 名前の由来冷蔵庫……冷凍庫……トウコ。なんかそんな感じではないのでコをカに変えてトウカに。わかりにくいね。


「トウカ……」

「いやか」

「いい」


 気にいってくれたんだよな? 表情が変化しないからわからない。


「さてと、とりあえず夕食にするか」


 新しい家族の歓迎も兼ねて。


クールな冷蔵庫娘、トウカ登場。服のイメージですがパンドラハーツのエコーですかね


そして主人公が変態になってしまった。どうしてこうなった。


まだまだ、擬人は増えるかも

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