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モノもち  作者: テイク
第一章 現れるモノ
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間章5

再び鬼畜外道登場。


前よりは鬼畜でないはずです。たぶん…………。

「ヒャハハハハハ!!」


 少年が鑢が退きつめられた床に女の顔を押さえつけ、原付に乗りそのまま引き摺っている。女は走っていくたびに体が削れて行く。肉が削げ落ち、骨をあらわにし、神経繊維を裂き、脳に過剰な痛みを伝達する。

 女は痛みで気絶しても、すぐにまた痛みで意識を引き戻される。それも、すぐに痛みで意識を切断される。何度も何度も続く、永遠ともいえる連鎖。しかし、それもすぐに終わる。

 女の体感時間で永遠とも思えた時間はたった一分にも満たない時間で、女は絶命した。


「あ~? なんだもう死んだのかよぉ。もっとたのしませろってのったくよぉ」

「坊ちゃま。もう、戦力は十分なのですか? なんならまだ手配できますが」

「あぁ? 十分だよバァーカァ!! あんま俺様に指図すっとぶっ殺すぞぉ!」

「…………わかりました」


 執事はさっさと部屋を出て行く。


「ねえ~、マスタ~」


 艶っぽい声で金髪赤眼の少女が少年に言う。


(わたくし)暇~。ねぇ」


 金髪の少女が少年に顔を近づけながら言う。


「相手の所に遊びにいっても構わないぃ?」

「そうだなぁ~。まあ、いいんじゃねぇ? てめぇが消えて良いならなぁ」

「もう、いじわるねぇ~」

「ん~、でもそうだなぁ、遊びに行く位ならいいだろうぜぇ」


 少年がそう言って執事を呼び、旅行をすることを伝える。執事は少年が何をするつもりなのか察した。


「ですが、それは……」

「あぁん? 俺様が言ってる事が聞けねぇのかあぁん?」

「し、しかし」

「てめぇに指図される気なんかねえ。やれ」


 少年が金髪の少女に命令を下さす。


「了解よマスター」

「がはっ!」


 金髪の少女が執事の首を掴み持ち上げる。少女の細腕では到底持ち上げることが出来ないはずの老執事の体は宙に完全に浮いていた。まるで、人形(ドール)のように金髪の少女の手の中で、執事は弄ばれていた。


「ねぇ、どうやって殺して欲しいの? ねぇ、ねぇ、ねぇ? ほら、早く答えなさいよぉ~、じゃないと、(わたくし)が無惨で、惨くて、残忍な殺し方をしてあげるわぇよ~」

「ぐああ、くぅ、かっ!?」


 執事の首がへし折れるギリギリの力で金髪の少女は締め上げる。笑いながら、残忍にそして、死なないように息が続くように、ギリギリで力を緩めたり、すぐに締めたり。遊び、彼女にとってはそれも遊び。楽しい楽しい遊びだ。

 しかし、それもすぐにツマンナクなる。抵抗も出来ないのだ。この執事は護衛も兼ねているので平凡普通な人間とは違いそれなりに鍛えてあるはずであった。それなのに、金髪の少女の力に抵抗すら出来ないのだ。ツマラナイのも当たり前だろう。自分よりも遥かに長生きした執事が、まるで子供にしか感じられないのだから。


「もういいやぁ~、ねえ、生きたまま首を反対にしてみよっか~?」


 返答を聞くまえに金髪の少女は、首を掴んだまま、執事の頭をあいている左手で掴み、無造作にひねる。

 こきゅという音が響き、執事の顔は180°逆を向いていた。それでも幸か不幸か執事は生きていた。自分で自分の背中を見下ろすというレアな経験を体験してた。常人ならばショック死をしているだろう光景だ。それでも執事は生きていた。


「アハハ、ねぇ、どんな感じぃ? ねぇ、自分の背中を見るってどんな感じぃ?」


 執事は答えられない。下手に体を動かしたら最後、ベッドから動けぬ体になるのは必須だ。まあ、どの道、ここから生きて帰れたらなの話であるが。


「ほぉらぁ、もっとまわしてみようよぉ、ねぇ!」


 ごきゅ、今度こそ、何かが捻じ切れた。執事はそれ以降動かなくなった。力が抜け、だらりと手足が垂れ下がる。


「あら? もう死んだの? ツマンナイなぁ~、ほら、あんたあとは好きにしていいですわよ」


 ぽいっと、ゴミを投げるが如く、執事を佇んでいた紫髪の少女にほおる。


「グチャグチャニシテイイノ?」

「ええ」

「ソウ」


 紫髪の少女はまず、執事の指を一本一本捻じ切っていく。既に事切れている執事は悲鳴を上げることはない。ただ、捻じ切れた指からは今だ血が流れ出る。体が、その血で赤く汚れていくが、紫髪の少女は気にしない。むしろそれを楽しんですらいるように見える。無表情で顔にまったく変化はないのだが。

 手の指を全て捻じ切った後は、足の指。それも捻じ切り終わると、腕を引き千切る。それを細かく砕いていく。そして、全て潰したあとは、腹に指を突き刺し、無理矢理腹を、腹膜を引き裂いく。内臓がその姿をあらわす。大腸を掴み外に引っ張り出す。それを掴み、執事を振り回す。部屋に血の雨が降る。少女たちも、少年も気にせず、血の雨を浴びていた。

 遠心力に耐え切れず大腸が引き千切れ、執事の体が宙を舞う。そのまま窓から外へ落ちてしまった。紫髪の少女はおもちゃがなくなったような子供の顔をしていた。だが、すぐに近くにあった、出来損ないの少女の残骸に歩み寄り、それで遊び始めた。

 何がしたいのか。いったいこんなことをして何になるのか。意味がわからない。本当に意味がわからない。


「さあて、邪魔者は消えたな。さあ、遊びに行くぜ。まあ、その時に対戦相手と偶然かち合って騒ぎになっても、まあ、仕方ねえよなぁ」


 少年と五人の少女は、部屋を出て行った。


鬼畜外道君の名前募集中。素敵な名前を考えてやってください。


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