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モノもち  作者: テイク
第一章 現れるモノ
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第九話 子供のけんかを侮るなかれ

 さて、サクミが来てみんなに自己紹介したら昼を食べるには丁度いい時間になった。


「さて、とじゃあ、昼だがサクミの歓迎会兼ねてちょっと本気出して作るかな」

「やっほ~です」

「やった~!」


 上がサクミ、下がシル。


「わたしはカレーが食べたいです」

「え~! わたしハンバーグがいい!」


 サクミとシルが言い争いをはじめる。


「何を言うですか! 今日はわたしの歓迎会ですよ!」

「食べたいものは食べたいんだもん!!」

「駄目です」

「なんで~!!」


 シルとサクミの言い争いは続く。


「駄目ったらだめです~!!」

「だからどうしてよー!!!」

「どうしてもですー!」

「う~、わたしよりも身長低いくせにー!!」

「年下の分際で何を言いますか!! わたしの方が1mm大きいです!!」

「1mmだけじゃん!!」

「1mmの差は大きいです。1mmを笑うものは1mmに泣くです!!」


 本当に子供のけんかだな。見ていてほほえましい。そういえば喉が渇いたな水でも飲もう。


「わたしの方が胸大きいもん!!」

「ブッ!!」


 シルの一言で思わず水を吹いてしまった。


「な!? ななななななな!!」


 顔が真っ赤なサクミ。思えば元シャーペンのシルは僕と一緒に授業に出ていた。というか使っていた。だからだろうか、シルにはそっち方面の知識がある。


「あんなことやこんなことも知ってるもんね~!!」

「あう、あう、あう」


 対してサクミは元洗濯ばさみ当然そっち方面の知識は皆無。


「そ、そそそそそそれで、でもでも、む、胸の大きさはか、関係ないです!!」


 茹蛸のような顔で言うサクミ。ここで嫌な予感がした。とりあえず逃げる準備をしておく。


「じゃあ、お兄ちゃんに聞いてみようよ!」


 ダッ!!


 その言葉を聞いた瞬間逃げ出した。


「あ、まってよ~!!」


 待てと言われて待つバカはいない。ちょうどリビングにキクが入ってきた。


「キク!!」

「はい!?」

「あとは頼んだ」

「あちょっと」


 それだけ言ってキクの脇をすり抜け自分の部屋へと駆け込んだ。


「ふう」


 あのまま逃げなければどうなっていたことか。まあ、普通の男にとってはいい展開(?)になっただろうが。僕はごめんだ。他人の目もあったし。とりあえずシルにはあとでお礼しよう。その必要はないかもしれないけど。それにしてもシルとサクミには困ったな。


「とりあえず二人のリクエストどうするかな」


 もう、ハンバーグカレーみたいなのでもいいかな? ふと耳をすましてみると。キクの声が聞こえた。おそらくシルとサクミのお説教だろう。


 コンコン!!


 ノックの音と供にエミが入ってきた。


「おう、さっきは災難だったな」

「エミなにか用か?」

「ああ、もう少し説教には時間がかかるらしいからそれを伝えに来た」

「わざわざ悪いな」

「いいってことよ。まあ、礼がしたいなら一品何か追加してくれ」

「はいはい」


 ちゃっかりしてる。


「じゃあ、伝えたからなー!!」


 エミは部屋を出て行った。扉が開いたときキクのガミガミ言う声が聞こえた。


「キクは怒らせないようにしよう」


 そう心にかたく誓ったのだった。怒られなくはないからな。


「さ~てと、どうやって時間を潰すかな」


 といってもそんなに時間はかからないだろう。読書は集中しすぎるといつの間にか夜になってたりするからな。


「そうだな、ラジオでも聞いてよう」


 部屋の中にはテレビはないので棚の上のラジオをとる。結構古いものだが修理しながら使い続けてきた。元は僕の叔父が使っていたものらしい。


 カチッ


「…………あれ?」


 スイッチを入れるが何も起きない。


「おかしいなこれでどうだ」


 カチカチカリ、シ~ン


「あ~ついに壊れたか」


 どうやらこのラジオはその役目を終えたようだった。つまり。ラジオをベッドの上におく。その瞬間ラジオが光輝く。


「やっぱりか」


 さすがになれたので取り乱しはしない。光が収まると大きなゴーグルをつけた白髪をポニーテールにした少女が座っていた。


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