立憲民主党は“また”分裂してしまうのか? 増税VS減税
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は立憲民主党が「再び分裂」しそうなことと、今国会の「法案に対する採点」についても見ていこうと思います。
質問者:
一体どうしたんですか?
筆者:
25年4月11日に次期参議院選挙での党の公約づくりに向けた経済政策に関する立憲民主党内論議が始まったんですね。
そこで出席した40人のうち
「物価高に伴う経済対策をめぐる論議は消費税減税の可否が中心で、減税派の発言数が慎重派の3~4倍だった」
と言う報道がありました。昨今の党の支持率低下に危機感を覚えているのでしょう。
しかし、立憲民主党代表選にも出た元代表の枝野氏は翌4月12日には、
「税金だから誰だって安いほうがよいに決まっているが、借金でやったらインフレになり、次の世代にツケを回すことになる」
と、“お決まりの緊縮財政発言”をした後に、
「党として決着はついている。野田さんは同じ思いでいてくれるので、うちの党は大丈夫だと思うが、私はポピュリズムには走らない。減税を言っている人は諦めるか、別の党をつくるか、どちらかだ」
とまで続けたのです。
質問者:
なるほど、「別の党をつくる」とまで言うのは過激ですね……。
筆者さんはどう思われますか?
筆者:
まずポイントとしてはこの立憲民主党の「減税」と言うのが過去の発言から推定するに「食品にかかる消費減税」と言うことです。
こちらのエッセイ https://ncode.syosetu.com/n1201ki/ で書きましたが、食料品のみの消費減税は25%しか予算規模と比べて価格引き下げ効果が無いというのが海外の過去のデータから分かっています。
消費税は給料の消費税控除(減額)が無い「賃下げ税制・派遣促進税制」であることが最大の問題であるために、消費税を廃止して法人税に統一することがベストであると思うんです。
又はガソリンの暫定税率廃止(トリガー条項発動)や年収の壁引き上げの方が国民の手元に残り予算効率的には良いです。
その主張が出来ていない(又は理解できていない)時点で「立憲民主党減税派」と言うのも「たかが知れているレベル」だなということです。
質問者:
なるほど、「減税の質」にもよるという事なんですね……。
筆者:
「ニックネームだけの減税」だけなら岸田政権で「住民・所得定額減税」がありましたからね。
実際は「遅い上にややこしい給付金」で酷い有様でした。
現在の立憲民主党は「給付付き税額控除」を主張しており、これもまた定額減税に匹敵するぐらい酷いシステムです。
つまり立憲民主党内において
「ややこしい&新たな利権の給付金」VS「効果がイマイチ減税」
の対決の構図が出来ており、僕から見ると「非常にレベルが低い」と言わざるを得ないわけです。
ただ、「増税メイン+給付」と言うのは自民党と本質的には全く同じであり、「減税の流れ」と言う意味では党を割る価値もあると思いますね。
減税の種類を変えていく可能性もありますしね。
質問者:
なるほど、「減税派」はこれからどうするんでしょうか?
具体的には新党と言う形なんでしょうか?
筆者:
それもあると思いますけど、僕の読みでは今一番“ホット”とも言える国民民主党に入れてもらう事を考えていると思いますね。
かつては一緒だった仲間もいるでしょうから、協力関係になりやすいです。
ただ、国民民主党側としては「所属している人の質を下げたくない」「議席数だけ確保したいという批判の回避」のために安易に受け入れることはしないんじゃないかとも思います。
まず離党をするのか? 次に国民民主党と合流するのか? この2つが「立憲民主党減税派」の今後の最大の焦点だと思います。
日本全体で見た場合では、しっかりとした根拠に基づいて所得税の壁引き上げや暫定税率廃止をずっと言い続けている国民民主党合流の方が良いと個人的には思いますけどね。
議席数が増えることで発言力も更に増しますからね。
どんな党でも一部の人間しか党を主導していないという事実に変わりはありませんしね。
◇民主党系統が離合集散している理由
質問者:
選挙は7月ですから、そろそろ「減税派」は進退を決めなくてはいけない頃でしょうけどね……。
しかし、民主党系統はどうしてこう離合集散を繰り返しているんですか?
筆者:
僕が思うに理念が薄い「選挙互助会」の側面が非常に強いのだと思います。
「当選が目的」になっていると、理念や精神の無い人たちの集まりになります。
勿論「公約」として公開されているものはありますが、
大抵は「政権批判」に終始しており、日本を今後どうしたいのか? というビジョンが見えないのは「政権を取る気が無い」又は「幹部の当選目的」と見られても仕方の無いことだと思います。
質問者:
な、なるほど……。だから色々な考えの人がいるという事ですか……。
筆者:
いえ、一つの党に色々な考えを持つ人がいることは良いことだと思います。
ただ、立憲民主党の問題は議論をしてある程度の合意や納得が出て一つの意見に集約しているのではなく、
代表のトップダウンで政策が決まって、更にそれが党議拘束になってしまっていることです。
まぁ、これは自民党にも言えることなので「党議拘束が文化」になってしまっている日本の政治全体の問題だと思いますけどね。
政治家個人の喪失は政党でしか実質的に選べなくなり、そして政党に選択肢が無くなれば「国民全体の政治離れ」にも繋がりますからね。
アメリカではトランプ大統領の意に添わない判断をしても直ちに党から追い出されることは無いですからね。
日本の政治家は信念や理念が無く「国民ウケが良さそうで自分たちに投票してくれるかどうか?」で政策の価値判断をしているという事です。
※最近自民党が現金給付の評判が悪そうだからと言う理由で取り下げたのが最たる例だと思います。
質問者:
信念や理念がありそうな枝野さんは「超増税派」というのが悲しいところですよね……。
筆者:
幹事長の小川氏は3月のインターネット番組『ReHacQ』に出演し、相続税増税の重要性を説いた場面で、
『私も娘が二人いて、本当に残してやりたいのは金じゃないんですよ。良い社会を残してやりたい。この日本が本当に将来に向けて安心して暮らせるとか、希望を持てるとか、そういう社会を残してやりたい
と号泣しながら訴えたりと、さも「増税をすることが美しいこと」みたいにしているところが凄いですよね。
今この時点で増税祭りによって「希望を持てる社会になっていない」のに将来世代も何もあったもんじゃないと思うんですけどね。
政治家の時点で一般的な国民の価値観、家計の状況大きく乖離してしまっているんでしょうけどね。
選挙に当選すると財務省の方たちが「勉強会」と称した「洗脳プログラム」によって増税を議員たちに「洗脳」しにくるそうですから、そこで「頭をジャック」されるんでしょうね。
日本にとって害悪でしか無いですが。
質問者:
世の中お金が全てでは無いにしろ、お金で解決できることが多いことや、生活の基盤にあることは間違いのない事実ですからね……。
筆者:
お金を「不法なことをしてでも稼がなくてはいけない」というものでは無いと思いますが「不幸を解消する」と言う側面において最低限は必要だと思います。
現状の政府はその「国民生活のための最低限すら奪っている」ことから少子化が止まらないのだと思います。
「立憲民主党減税派」は涙ながらに彼らの言う減税を訴えて立憲民主党を離党するような根性や理念を見せて欲しいところです。
そうでなければ今後、国民からは「増税派」として全員が判断していくことでしょう。
現に立憲民主党の支持率は国会が進むごとに下がっていますからね。
落選のリスクも厭わない(いとわない)で離党する人間がどれぐらいいるのか? 注目です。
◇極論を言えば「全ての党がダメ」
質問者:
他の党についてはどうなんでしょうか?
筆者:
まずは「問題外」なところを国会のこれまでの“判定機”も振り返っていこうと思います。
「予算判定機」では大阪万博追加予算、高校授業料無償化など日本維新の会の「思うがまま」の予算となりました。
そのために「日本のために本当に必要な減税」と言うのが全く成立しなかったのです。
前回の衆議院選挙で日本維新の会と関西で全面衝突した公明党は維新案を反対することなく、自民と一体と言う事が改めて判明しました。
自公維の3党は「運命共同体」だということが判明した瞬間です。
質問者:
所得税の壁を178万円ぐらいまで引き上げるぐらいのことをして欲しかったですよね……。
筆者:
最低でもそのラインぐらいはクリアしなくては日本全体が沈没します。
今回の壁上昇のメインの恩恵に預かれる年収200万円以下の世帯の方だけではなく国民全体が苦しいのです。
質問者:
他に何か「試金石」となるような法案は無いのでしょうか?
筆者:
ちょっとこの当時はスルーしてしまったのですが、4月9日に成立した、「道路脱炭素化推進計画」を含む「道路法改正」に注目したいです。
これは道路の脱炭素化すなわち太陽光発電パネルの設置を促進させるもの(恐らく補助金などが今後付いてくるか道路改修の時についでに設置される)です。
この法案には何と日本保守党以外の全ての政党が賛成しました。
現状中国産モノばかりなので「中国にお金(再エネ賦課金)を流している」という状況で太陽光パネル促進政策はいらないでしょう。
質問者:
本当に日本の政治家は中国の太陽光パネル好きですよね……。
そんなにお金が入るんですかね……。
筆者:
軽量で柔軟に曲げることが可能で、どこでも貼り付けることができるペロブスカイト太陽光パネルは、日本が優位だと言われています。
特許出願後の登録「成功率」や、出願者以外からの引用などの「影響力」、多数の国で登録された「グローバル性」などで日本企業(パナソニック、東芝、積水化学など)が優位だからです。
しかし、現状の技術では値段が高く柔軟な太陽光パネルの量産化が難しいので実用化に至っていません。
中国勢は国の支援の下、1万人ともいわれる膨大な研究者が集中的にペロブスカイト太陽電池の開発を進めているとされており(また技術を盗むかもしれないし)、日本が完全に主導しているとは言えないのです。
質問者:
せめて日本企業がペロブスカイト量産化を実現するまで待つべきですよね……。
筆者:
そして、唯一この法案に反対した日本保守党の共同代表である作家の百田氏は24年11月には「30歳超えたら未婚女性は子宮摘出」などと発言しました。
言わば“狂気”ともいえる思想の持ち主であることから「まともな政党はいない」と言っていいでしょう。
質問者:
結局のところそうなってしまうわけなんですね……。
筆者:
自公維以外では憲法改正(緊急事態条項)、減税、外国人問題などの各々の価値観で
「マシだと思う政党・政治家」に投票していくしか無いです。
僕が思うに全ての既存政党は「悲惨」なのですが、政治家としては「投票に行ってくれないことが一番嬉しい」状況なのです。
投票に行かなければ大企業、宗教法人、医師会などの政治団体の思う壺の政策ばかりが推進されて行き(後はせいぜい高齢者に多い住民税非課税世帯にばら撒き)、他の国民の声がより届かなくなります。
質問者:
こんなに悲惨でもやはり選挙には行かなくてはいけないんですね……。
筆者:
選挙に行って、それ以外の時は声を上げる。これしか国民にはありません。
暴力革命を起こしてしまえば血で血を洗うことになり、アフリカや中東の情勢が不安定な国になってしまいます。
これをご覧の皆さんそれぞれの生活を守るためにも政治を変えていくことが重要なのです。
僕はそのお手伝いを今後もさせていただきたく、僕なりの視点で情報発信をしていきますのでどうぞご覧ください。