91
「でも本当に、まさか弥生ちゃんが来てくれるなんて」
緊張しながら来斗君のお母さんを見ると笑ってくれてた
……恨まれてたりしないのかな?
恨まれてるよね…自分の息子の事故の原因みたいなもんだもん
「あのっ……ごめんなさい!」
「弥生ちゃん?」
私はそのまま頭を下げた
「私のせいで勿論謝ったって許して貰える筈ないです」
許して貰える筈はない
この事故の事も私は最近まで忘れてたんだから
「…………」
「本当に……」
「顔上げてちょうだい?ね?」
「…………」
「私ね、弥生ちゃんが来斗に会いに来てくれて本当に嬉しいの……あの事があって弥生ちゃんの事、柔道の先生に聞いたわ…凄く大変だったって」
「あの……」
「お父さんの事も聞いたわ」
お父さんの事
「…………」
「来斗の事で凄く傷ついて…それからお父さんも……来斗ね、向こうの病院を退院した時、弥生ちゃんに会いに行くって行ったの……でもそれを私が止めた」
「…………」
「いくら言っても聞かない来斗に私は……まだ小さな来斗に弥生ちゃんの状況を伝えたの……もしかしたら来斗の事も忘れてるかもよって」
状況って……お父さんの事も?
来斗君は同じ小学1年生だよね……そんな事話して
「来斗君……大丈夫でしたか……?」
「もしかしたら傷つくかもって……でもそれでも弥生のちゃんの事が大好きだった来斗にはちゃんと話さないとって思ったの……来斗は解ってくれたわ、弥生ちゃんが自分と会って思い出して辛くなったら嫌だって」
来斗君……
「だからね、口には出さなかったけど今回こっちに戻って来る事を楽しみにしてたのよ?」
「…………」
「名乗り出れなくても近くに行けることがね」




