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「弥生が悪いんじゃない」
「……来斗君!?」
声が聞こえて寝てた上半身を起こすと薄暗がりに来斗君の姿が見える
「おい、起き上がって大丈夫なのか?頭痛いんだろ…?」
「何で……」
「解るから…だから弥生が入院してるって知ってる」
備え付けのパイプ椅子には座らないでベットの端に来斗は腰掛けた
今、思う事じゃないけど……幽霊って座るのね
「…千春ちゃんは?」
来斗君が此処に居るって事は良くなったのかな?
「あぁ、何とか…けど目覚めない…機械で動いてるって状態」
「そんな…」
「この病院では多いぜ?そういう患者…機械で動いてる人間……まぁ…それを人間って括りに入れても良いのかはわかんねーけど」
「……」
「俺みたいなタイプの存在も多いぜ?弥生は俺以外は見えないんたよな?」
俺みたいなタイプ……俺以外はって
「そんなに多いの?」
「幽霊の方?」
「うん……」
ハッキリ幽霊って言われると…やっぱり凹むし…胸が痛い
「あぁ…弥生、さっきも言ったけど…」
「私のせいだって…言えばいいじゃん!私が、あの時声を掛けなかったら……しかもずっと忘れてたんだよ?飛鳥だって覚えてたのに」
そうだよ……辛い気持ちや罪悪感を飛鳥はずっと抱えてたんだよ…その隣で私は何も知らない顔で笑ってた
「アイツとお前じゃ…」
「同じだよ……私は来斗君にも飛鳥にも…ずっと…っ…!」
来斗君の腕をギュっと握ると強く引き寄せられて抱き締められた
「弥生は悪くない……悪くないよ」
「………何で……こんなに触れられるのよ…幽霊の癖に」
なんでそんなに優しいのよ…子供なのに
抱き締められると安心する
「なんだよそれ…?今言う事かよ…弥生ってやっぱり面白いな……」




