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居た!
ちょうど信号が赤に変わろうとしてる時、私は声を掛 けた
待って!まだ言わなきゃいけない事が
来斗君は私の声に気付いたみたいでこっちに向かって走ってくれた
良かった…たまには素直になって伝えてみよう
『危ない!』
『キャー!!』
ドンッ……
『………』
何……今の音…来斗君は?
こっちに走って来てくれてたのに
周りが大きな声を出してるけどなんて言ってるか…音がなくなった様な感覚の中、キョロキョロと目線を動かすと信号機からかなり離れた場所に来斗君が居た
何であんな所に…
『子供が跳ねられたぞ!』
『救急車!誰か呼んだの?』
『……来斗君っ!』
来斗君が跳ねられた…今、車とぶつかったのは来斗君だ!
やっと理解した私は走って来斗君の傍に行き動かない来斗を揺すった
『来斗君!』
『君、駄目だよ!頭打ってるかも知れないんだから!』
『やだ…来斗君っ!』
『急いで!誰か……救急車!』
わけがわからなくて来斗君を揺する私を誰かが引き剥がす
その時に声が出なくなった…私の白い柔道着が紅く染まってたから
こんなに沢山の血なんて見た事ないよ…
『おい、大丈夫か!』
『女の子が気を失ったぞ!』
「…あ、気がついた?」
「………」
誰?
「椅子に倒れてたのよ、覚えてない?」
優しい声の人が私の目元を何かで拭いてくれてる
「あぁ……頭痛くて……」
「それで泣いちゃったのね」




