5/110
5
「そう言えば…今幾つなんだ?」
「あ……さっきの?」
「忘れてたのかよ」
「ごめん」
初めて会っただけだけど、ついさっきだもんね……忘れてるのは悪いよね
というかなんで私の横で並んで歩いてるのよ…全く気付かない私もだけど
「まぁ、同い年くらいか」
「……え?」
「年齢だよ、今聞いただろ?答えないから推測したの」
年齢?同い年くらいって……?
「えっと……誰と誰が同い年なの?」
「なんだよ、お前もっと年上なのか?俺はてっきり同じくらいだと思って……あ、年下か?」
「年下って…それはアンタがでしょ?」
言われた言葉に素早くツッコミを入れて口に手を当てる
あぁ……また口悪くなっちゃった
「アンタって…お前相変わらず口悪いな」
「え……相変わらずって…」
確認するように少年を見ると少し笑ってた
「言葉通りだけど……あ、そうだ」
お母さんの病棟に近付いた時、立ち止まった少年につられる様に私も足を止める
「言葉通りって…」