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「お兄ちゃん!アルバムどこ!?」
「な…なんだお前!今日は飛鳥ちゃんと……」
「その名前は言わないで!アルバムどこ!」
帰ってくるはずない妹が予定よりも早く帰宅して怒鳴りまくる
兄としてはいい迷惑だ
「怖いよ……何だか投げられそう……」
既に1人、投げ飛ばしてきた事は黙っておこう
「その時のアルバムが見たいの!」
あの時、同じ柔道場に居た少年
あれは……来斗君だ!
「なんだよ、急に……父さんの部屋にあるんじゃないのか?母さんは見るのも嫌だと思うからな」
「……解った、有り難う」
お父さんの部屋
ここに入るのも久し振りだな…うん……畳の匂い……やっぱり落ち着く
お母さんは良い顔しないからなぁ
「別にお父さんの事が嫌いじゃないからね……私は…さて、アルバムは……」
古いアルバムが幾つか並べられてる棚も年季が経ってる
ここにあるアルバムに写ってるのは……お兄ちゃんよりも私が多い
それが嬉しくて……よくお父さんの部屋にきたな。
私は…お父さん子だったから
「感傷に浸ってる場合じゃない、柔道場の写真があるはず……」
お父さんが沢山写真を撮ってたはず
「あった!」
見つけた写真には自慢気にトロフィーや賞状を持ってる私の隣に
「来斗君だ……本当に……同い年くらいの男の子だ……」
来斗君はずっと前から私だって気付いてたんだよね……でも忘れてて
松浦来斗君は学校は違うけど同じ道場に通う男の子だった




