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「別に…どうもしないけど……」
「素直に寂しかったくらい言えねーのかよ」
「……別に」
「変な所でぶれないな…ま、弥生らしいけど」
「来斗君は…幽霊なの?」
前も言ってた『相変わらず』って言葉
今も…『弥生らしい』って…聞きたい事が沢山あるけど…一番聞きたい事は…来斗君の事
「……そうだよ…多分」
「多分?多分って何?死んだ事に気付いてないってパターン?」
よくある成仏出来なかったから地縛霊とかになったの?
あ、でも来斗君はフラフラ移動してるから浮幽霊?
「地縛霊とかじゃねーよ」
「そう…じゃあ……って何?何で私が考えてる事解ったの?!もう疑問バッカリだよ……」
「弥生、大丈夫か?」
廊下に座り込む私の肩を優しく叩く
子供に…しかも幽霊に慰められる私って
さっきも私が思ってた事解ったし……
「考えてる事…解るの?」
「全部じゃない、集中してたり、『考えてる事解りたい』って思ったりすると解る……だから弥生の事は一番解る」
「……なんで…私の事知ってるの?」
「………」
「来斗君?」
「教えない」
さっきまで何でも答えてくれる雰囲気だったのに
「じゃあ……なんでずっと現れなかったの?」
「やっぱり寂しかった?」
「違うわよ!いきなり現れなくなったら気になるでしょ!」
「やっぱり可愛くない…」
「うるさい…千春ちゃんが…」
「……千春、ちょっとヤバイみたいだな」
「………」
怖い……と思った。
来斗君が言った途端、身体がゾクッとした
『ヤバイみたい』
医者が言うよりも幽霊の来斗君が言うと真実味が増す
「死神みたい…」
「死神って……弥生って変な所で素直だなぁ…ちょっと傷付くぞ?」
「…ごめん」
「死神か……神なんかじゃねーし…」
神……そうか死神もか神様なのか
私は来斗君の腕に触れる
「……生きてるみたい」
死神の次に言う事じゃないけど…ハッキリ見えるし触れるんだもん
「………」
「いたいた、梅宮さん!」
誰も居ない廊下に高い声が響く
「……看護師さん」
この人……整形外科の…
「楓先生がまだ居るかもって教えてくれたのよ~お母さんが用事あるみたいよ?こんな所で1人で何してるの?」
「……」
「さ、行きましょ?」
触れてた腕は見えなくなって来斗君の姿もなくなってた
『生きてるみたい』
みたい……なだけなんだ。
来斗君は本当に幽霊なんだ




