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彼女の本音  作者: 本庄梓
素直な私
106/110

106

「あぁ……その時は俺も退院してるよな」

「うん……約束ね?」

「約束」


私の小さな小指と来斗君の少しゴツゴツした小指を絡ませる

なんか変な感じ

身長もこんなに高いんだ

ずっと私の腰くらいだったのに


「指切った………来斗君?」


お決まりの台詞が終わっても来斗君は指を離さない


「これから……絶対に離さないから弥生の事」

「………………うん」


小さく言うと小指が解放される

その感覚が少し寂しくて暫く小指を見つめてしまう


「弥生…………」

「来斗君……」


肩を抱かれると緊張が走る

背も高くて綺麗な顔……声だってドストライク

こんな王子様みたいな人が私を?

夢じゃないんだよね?






「来斗~お母さん仕事に………」

「…………」

「…………」

「あっ……!ごめんなさい…邪魔だったわよね?本当にごめん なさいね!」



バタバタと荷物を取って部屋から出て行く来斗君の お母さん

誤解されちゃった、誤解……ではないけどさ…。



「弥生っ!」

「じゃ、私帰るから!」


再度捕まれた肩をすり抜ける様に声を掛けて入口で手を降る


「弥生!」




なんか……昨日のデジャブみたいじゃない?

でも……あんな空気


「堪えられないよぅ……」



1階の冷たいタイルにペタっと座り込む

無理だよ……あぁ言う空気になった事ないんだもん

頬が熱くてこのままタイルに頬をつけてしまいたい



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