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「あぁ……その時は俺も退院してるよな」
「うん……約束ね?」
「約束」
私の小さな小指と来斗君の少しゴツゴツした小指を絡ませる
なんか変な感じ
身長もこんなに高いんだ
ずっと私の腰くらいだったのに
「指切った………来斗君?」
お決まりの台詞が終わっても来斗君は指を離さない
「これから……絶対に離さないから弥生の事」
「………………うん」
小さく言うと小指が解放される
その感覚が少し寂しくて暫く小指を見つめてしまう
「弥生…………」
「来斗君……」
肩を抱かれると緊張が走る
背も高くて綺麗な顔……声だってドストライク
こんな王子様みたいな人が私を?
夢じゃないんだよね?
「来斗~お母さん仕事に………」
「…………」
「…………」
「あっ……!ごめんなさい…邪魔だったわよね?本当にごめん なさいね!」
バタバタと荷物を取って部屋から出て行く来斗君の お母さん
誤解されちゃった、誤解……ではないけどさ…。
「弥生っ!」
「じゃ、私帰るから!」
再度捕まれた肩をすり抜ける様に声を掛けて入口で手を降る
「弥生!」
なんか……昨日のデジャブみたいじゃない?
でも……あんな空気
「堪えられないよぅ……」
1階の冷たいタイルにペタっと座り込む
無理だよ……あぁ言う空気になった事ないんだもん
頬が熱くてこのままタイルに頬をつけてしまいたい




