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少年の告白
「弥生、母さんが転んで骨折ったって」
電話に出たお兄ちゃんはテレビを見てた私に早口で告げた
「……ドジ」
「弥生……全く…はい、解りました。荷物とか揃えて持っていきます」
「………」
素早くメモを取りながら病院からの電話に対応してる姿を見て溜め息が出る
『ドジ』
解ってるわよ…もっと他の言い方が有ったのなんて
でも骨折だし命に関わるわけじゃないから大袈裟に言うのも…
それに……しっかり者のお兄ちゃんが全部やるから
私はあまり関係無いもの
「はい、え?あぁ…解りました……弥生」
「ん?ご飯なら適当に…」
「母さんがお前に荷物持ってくる様にって…勿論、着替えの準備もお前にやらせてくれって」
「え……お母さんが?」
荷物や着替えもそうだけど…お母さんが私を?
「あぁ」
私を指名するなんて……お兄ちゃんじゃなくて
「嘘でしょ……」
「重いっ…これ…荷物を持つのはお兄ちゃんでも良かったよね…大体なんで私がっ……!」
『取り合えず1週間分だって』
誰も居ない病院までの道のりを歩きながらの呟きは止まらない
あの後、私はお母さんの入院の為の準備を本当に1人でやった
お兄ちゃんは何もしないし言わなくて…渡されたメモを見ながら用意した




