第8話:打倒ブレイジングオーク
メインキャラがさらに増えます!
金髪の少年と高貴な恰好をしている少女が、オークらしき巨大な魔物に襲われている光景を草陰から目撃するハルカ達。
少女は後ろの木に座り込んでおし、少年はそんな彼女の盾になっているかのように、前に立ち塞がっていた。
マリー「あっ! あの女の子、ユリア王女だ!」
ハルカ「もしやあれがグリフォン王国の王女様?」
メロス「ご名答です」
念のため、ハルカはステータスチェックを発動し、2人のステータスを調べてみた。
名前:トム・フェザール
種族:人間
性別:男
年齢:13歳
ステータスポイント
格闘術:20、剣術:30、槍術:10、射撃術:70、弓術:16、盾術:7
ステータスポイント(魔法)
炎:0、水:0、風:0、土:0、雷:35、氷:0、回復:30、テイム:20
名前:ユリア・アークバン
種族:人間
性別:女
年齢:12歳
ステータスポイント
格闘術:3、剣術:1、槍術:1、射撃術:30、弓術:36、盾術:1
ステータスポイント(魔法)
炎:32、水:0、風:0、土:0、雷:0、氷:0、回復:54、テイム:24
金髪の少年トムは雷魔法の使い手。
ほとんどのステータスが初級だったものの、射撃が70と中級の域に達している。
一方の王女であるユリアは炎魔法の使い手で、回復が50以上もある。
さらに黒と赤の2色のオークのステータスも調べてみるハルカ
名前:ブレイジングオーク
性別:オス
ステータスポイント
格闘術:90、剣術:40、槍術:40、射撃術:50、弓術:10、盾術:55
ステータスポイント(魔法)
炎:88、水:0、風:0、土:0、雷:0、氷:0、回復:0、テイム:0
ハルカ「要する格闘と炎魔法に特化したオーク!?」
メロス「えぇ。さっきまで戦ってきた魔物とは一味違いますからね」
マリー「とにかく助けに行こう!」
トム「ユリア王女には指一本触れさせないぞ! サンダーバレット!!」
トムは指先から緑色に輝く針状の電撃エネルギー弾を2発、ブレイジングオーク目掛けて発射した。
だがブレイジングオークにはまったく通用していなかった。
ブレイジングオークは反撃として、鼻から高熱火炎・フレイムブレスをトム達2人に発射した。
マリー「ウォーターボール!!」
だが間一髪、ハルカ達が駆けつけ、マリーは手から水の光球を発射し、ブレイジングオークの火炎を相殺した。
トム「君達は!?」
ハルカ「説明は後で! ともかく私達も加勢するよ!」
攻撃を妨害され、怒り狂ったブレイジングオークは、次に左手から火球を投げつけた。
ハルカ「ウインドスライサー!!」
対するハルカは、右手を手刀の型にして縦に振り、紫色の斬撃波を発射した。
ハルカの心の声「あっ、うっかり風魔法使っちゃった!」
トム達を助けたい一心でガムシャラだったとはいえ、ブレイジングオークに相性の悪い風魔法のウインドスライサーを発動してしまったハルカ。
ところが…
ブレイジングオーク「うが〜〜〜〜!!」
なんとウインドスライサーはファイヤーボールを真っ二つに切り裂き、そのままブレイジングオークの左腕すらも切断したのである。
腕を切られ、悲鳴を上げ苦しみ出すブレイジングオーク。
ハルカの心の声「でも魔力じゃこっちの方が上だからなんとかなった」
トム「ファイヤーボールを無力化した上に、ブレイジングオークにダメージまで与えた!? なんて威力のウインドスライサーなんだ!」
相性の悪い風魔法でブレイジングオークを圧倒していることに驚くトム。
ハルカ「マリーちゃん、今のうちに!」
マリー「任せて! それ〜〜〜〜〜!!」
ブレイジングオークが苦しんでいる隙を付き、マリーはサーベルによるこんしんの斬撃を炸裂し、トドメをさした。
斬撃をくらったブレイジングオークはゆっくりと地面に倒れ、紫色の煙となって消滅した。
ハルカ「なんとかなった…」
ブレイジングオークからトム達を守ることができ、安堵するハルカ。
トム「2人共ありがとう! 助かったよ!」
ハルカ「あなたも一生懸命彼女を守ろうとして立派だったよ!」
トム「いや、僕なんてまだまだだよ。全然通用しなかったし…」
勇敢な行動を褒められたにも関わらず、トムは自分の非力さを悔やんでいた。
すると木に座り込んでいたユリアがハルカ達に喋りかけてきた。
ユリア「あのー…お3方。危ないところを助けていただき、ありがと…」
お礼を言っている最中、ユリアは力尽き倒れてしまった。
トム「ユリア王女!」
メロス「大丈夫です。気を失っているだけです」
トム「うわっ! スライムが浮いて喋ってる!?」
マリー「メーくんっていうんだよ!」
兵士A「王女ー! ユリア王女ー!」
兵士B「中々見つかりませんね!」
女騎士「いや、必ずこの辺りにいるはずだ! くまなく探すんだ!」
兵士一同「はっ!」
トムがメロスに驚いているよそに、少し離れたところにユリアを探している兵士達が見えた。
先頭にいる女騎士がどうやら隊長格のようだ。
その彼女の足元には体長1メートル以上ある、赤茶色と白の体毛のキツネの魔物もいる。
おそらく女騎士がテイムしている相棒といったところだろう。
マリー「あっ! きっとあの人達ユリア王女の護衛の人達だ! おーい!」
ユリアの救助のため、兵士達を呼び止めようとするマリー。
だがそこへ、ハルカがその呼び止めを止めた。
ハルカ「待ってマリーちゃん! 護衛のみなさんも近くにいるし、ユリア王女をこのままにしとこう! 後はそっちの方でなんとかしてくれそうだし」
トム「確かに一理あるかも」
ハルカの心の声「それに一時的にとはいえ、王女の誘拐犯として疑われるのもなんか嫌だし」
マリー「ハルカちゃんがそう言うならそうするよ」
ハルカ「じゃあとりあえず、トムくんも付いて来て!」
トム「うん! ってなんで僕の名前知っての!?」
こうしてユリアを残してその場を後にするハルカ達。
それから数分経ち、ユリアは女騎士率いる兵士達に保護されたことは、言うまでもない。
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