第68話:トムVSハンナ
嫌っているとはいえ、間一髪でタールを救ったトム。
そんなトムに、ハンナが勝負を挑んできた。
強力な風魔法をトム目掛けて次々と繰り出すハンナ。
2人の戦いは校舎裏から多くの生徒達が休み時間を満喫する広場へと移り、その激しさのあまり、生徒達は逃げ出して行った。
ハンナ「どうしたトム!? タールを打ち破った時はその程度じゃなかったはずだ!」
トムの心の声「おかしい…! ハンナが急にこんなに強くなるなんて…! まさかハルカさん以外にも人の潜在能力を解放できる存在がいるのか!?」
レヴス「あらあら、随分と盛り上がっているじゃない!」
そこへ現れたのは、ハンナをおかしくした張本人である悪魔族の少女・レヴスであった。
するとハンナは怒りに満ちた態度から一転、レヴスに対して紳士の如くひざまづいた。
トム「悪魔族!?」
レヴス「その通り! 私は悪魔族のレヴス!」
トムの心の声「てことは、ミトンズ様が言ってた悪魔兵団以外の悪魔族の脅威ってこのことか!」
レヴス「そして今のハンナの主人でもあるのよ!」
トム「お前がハンナをおかしくしたのか!?」
怒りながら質問するトムは、レヴスは生意気な感じに答えた。
レヴス「おかしくしたとは失礼ね! 私はこの子の憎しみを解放しただけよ!」
トム「憎しみだって?」
レヴスの特殊能力、それは対象人物の心の中に抱えている憎しみを解放し、その人物の戦闘力に上乗せして強くするというものである。
ハンナにはタールから妹のマイリーを守れなかった悔しさ、さらに自分を差し置いてマイリーを笑顔にしたトムへの嫉妬心が強いため、憎しみを引き出し強くすることができるレヴスにとっては、いい研究素材であった。
トム「僕への嫉妬心…?」
レヴス「ようするこうなったのはアンタの責任でもあるって、わ〜け♪ さぁハンナ、アンタの憎しみをジャンジャンぶつけてやりなさい!」
ハンナ「分かりました、レヴス様…!」
まるで操り人形のごとくレヴスの命令を聞き、再びトムを襲おうとするハンナ。
するとトムは、そんなハンナに対してこう言った。
トム「やめてくれハンナ! 今の君とは戦いたくない!」
ハンナ「もう降参か? 天下のトム様も地に堕ちたものだな!」
トム「違う! 君はあんな悪魔に利用されて本当に嬉しいのか!? 君がほしかったのは本当にそんな力なのか!?」
ハンナ「当たり前だろ! レヴス様はどんなに努力しても無力なままだった私に素晴らしい力を授けてくれたのだ! いかなる存在を蹂躙し、大切な妹を守ることができるほどの力をなぁ!」
トム「確かに君は強くなった! でも憎しみに頼って戦うのはよくない! 下手をすればマイリーを悲しませてしまうことだってあるんだぞ!?」
ハンナ「だまれ! 私の唯一の幸せを奪っておいて…! お前を必ず倒してやる!! マイリーを笑顔にするのは私だけで十分なんだ〜〜〜!!」
トムの説得など聞く耳持たず、怒りの雄叫びを上げるハンナ。
今のハンナは強いが、トムがその気になればなんとかねじ伏せることは簡単であった。
しかしタールや悪い悪魔族ほど憎んでいないハンナに対して、トムは本気で戦うことはできないでいた。
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