第66話:悪魔少女の誘惑
マイリーが勇気を出してトムに話しかけ、姉のハンナがそんなトムを睨みつけるという事態が起こったその日の夕方。
ハンナは家のベランダから1人、藍も変わらず、怖い顔で夕陽を眺めていた。
空は赤、黄色、黒の3色に入り混じった夕闇で濁っていた。
今のハンナな心を表すように。
ハンナ「何がトム様だ…! あのタールに勝つのも、マイリーを幸せにするのも、私の目標だったのに…! それを横取りして…!」
ハンナは拳を強く握りそのつぶやいた。
そして怒りと憎しみが混じった彼女のつぶやきはさらに続く。
ハンナ「もっと力がほしい…! トムもタールもひれ伏せるほどに…! それにマイリーをいつまでも幸せにできるように…!」
???「素晴らしいわね、アンタのその憎しみ!」
ハンナ「だ、誰だ!?」
するとどこからか不気味な少女の声が聞こえ、ハンナの驚きに答えるかのように声の主でる少女が姿を現した。
赤茶色い髪に、同じく赤茶色い翼、まさかに悪魔を思わせる少女が宙に浮いていた。
レヴス「あたしの名はレヴス。悪魔族の美少女よ!」
ハンナ「悪魔族だって!? まさか悪魔兵団の生き残りか!?」
レヴス「はぁ? あんな野蛮集団と一緒にしないでくれる!? それよりこのあたしがアンタの復讐をサポートしてあげるわ!」
ハンナ「サポート? どういうことだ!?」
レヴス「アンタの心に秘めたその憎しみを、あたしが解放してあげるの! そうすればアンタが嫌っている男子2人をフルボッコにできるし、妹ちゃんを守ることもお茶の子さいさいよ!」
ハンナ「憎しみの解放…。断る! 私は私の力で…うっ!?」
ハンナはその申し出に少しは魅了されかけるが、自分のプライドのために断ろうとする。
ところが…
レヴス「はいはい。そういう暑苦しいお断りはいいから」
レヴスはめんどくさそうに右手をかざすと、ハンナは金縛りにあい、身体の周囲に赤い電流が流れていた。
レヴス「光栄に思いなさい。これからアンタは、あたしの下部になるんだから…!」
ハンナ「やめろ〜〜〜〜〜!!」
レヴスの不気味なささやきと宣言の直後、ハンナの体は赤い炎を思わせる禍々しいオーラに包まれた。
レヴスの力により、ハンナの憎しみが潜在能力となってどんどん解放されたのである。
マイリー「お姉ちゃん…。大声出してどうしたんですか?」
するとそこへ、何も知らないマイリーがハンナの部屋に入ってきた。
だがマイリーが入ってきたころには、レヴスの姿はなく、ベランダにたたずむハンナの後ろ姿しかなかった。
ハンナ「心配するなマイリー。私なら大丈夫だ…!」
そう言いながらハンナは首を後ろにいるマイリーの方に向けた。
そのときのハンナの顔は、まるで悪魔のような不適な笑みを浮かべていた。
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