第65話:ハンナの秘密
ハンナ・ユーズ。
ジュネッス魔法剣術学園魔法科の1年生であるエルフの少女。
彼女は厳しい性格で、他の生徒達とも距離を置いていた。
ただし双子の妹で、自分とは逆に恥ずかしがり屋で大人しいマイリーには心を開き、大切に接していた。
6月のマジックバトルコロシアムが行われる少し前、妹のマイリーがタールに絡まれていた。
その両脇には取り巻きのイカンとゴップもいる。
マイリー「や、やめてください〜!」
タール「いいじゃないか〜! 僕と友達になろうよ〜!」
ハンナ「やめろ! マイリーから離れろ! ウインドショット!!」
それを目撃したハンナは、怒りながら手から風の衝撃波をタール目掛けて発射した。
タール「ハイドロマシンガン!」
対するタールは呆れた顔をしつつ、左手から水のエネルギー弾を連勝した。
水エネルギー弾の雨は、風の衝撃波を相殺し、そのままハンナに直撃した。
ハンナ「きゃあ〜〜〜〜!!」
マイリー「お姉ちゃん!」
水エネルギー弾をくらい、苦しみ倒れているハンナに、タールは冷たい目線をしながらこう言い放った。
タール「邪魔しないでよ。野蛮で愛想のないお姉ちゃんには興味ないから。てか君エルフでしょ? 人間である僕より魔法が強いんじゃないの?」
ゴップ「きっとタールは才能がありすぎて、エルフよりも強いんだよ!」
タール「それもそうか!」
タール達「あははははは!!」
ハンナの心の声「許せない…! こいつはマイリーを不幸にさせる悪いヤツだ…! いつかこの手で倒してやる…!」
タール達の無慈悲な笑いが響き渡る中、ハンナはタールへの憎しみの炎を燃え上がらせていた。
そしてマジックバトルコロシアム当日。
ハンナは大会に備えて魔法の特訓に励んでいたものの、タールと対戦することなく、予選を敗退してしまったのである。
だがその後、それ以上の悔しさが彼女に押し寄せることに。
トム「スカイラージボルト!!」
タール「ぎょえ〜〜〜〜〜!!」
ユリン「バトルエンド! 勝者、トム選手!」
なんと同じ1年で、自分より魔法の才能が劣っていたトムが、あの学園トップクラスのタールに圧勝したのである。
ハルカの潜在能力解放スキルで、その潜在能力を解放してもらったトム。
だがハンナはその事実を知らない。
だからハンナは実力が劣っているはずトムが何故タールに勝ったのか疑問であった。
ハンナの心の声「ふざけるな…! タールは私が倒すはずだったのに! 何故だ!? 何故トムなんかに!?」
そしてそれと同時に憎きタールへの打倒を横取りしたトムへの憎しみも芽生えていた。
するとマイリーがハンナ話しかけてきた。
マイリー「お姉ちゃん! トムくんすごいですね! あのタールくんに勝つなんて!」
ハンナが見た先には、久々に満面の笑むを見せるマイリーの姿であった。
マイリーはこの時から、トムに感心していた。
ハンナ「あ…あぁ、そうだな! それにお前ちょっかい出していたタールが痛い目にあって良かったな!」
一方のハンナもマイリーの喜ぶ姿を無駄にさないため、なんとか笑顔で返した。
しかしハンナの心の中は怒りと憎しみでいっぱいだった。
自分がいつか懲らしめるはずだったタールにトムが先に勝った挙句、大切な妹の喜びすらも彼に奪われてしまったからである。
妹のマイリーを笑顔にするのは姉である自分だけで十分。
それがハンナのプライドであるからだ。
ハンナはタールに加え、トムのことも嫌いになっていた。
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