第58話:終結する大戦
見事ゲムドンに勝利したハルカ。
そんなハルカの真の力に、味方陣営のみんなは改めて驚いていた。
カレン「これがハルカの実力…さすがにもほどがあるな」
ヒース「だね。ディランの言うとおり、彼が3分で負けるのもあながち大げさじゃないかも」
ノワの心の声「もし初めて出会った時の戦い、トムとマリー抜きでも我を苦戦させることもできただろうに…」
メロス「ハルカ様、ゲムドンはまだ生きております。油断しないでください」
ハルカ「うん、分かってる!」
ハルカのギガストームボウガンをくらい、体が切断されたゲムドン。
だがメロスの言うとおり、ゲムドンは上半身のみの状態になってもまだしぶとく生きており、怒りに満ちた目でハルカを睨んでいた。
ゲムドン「認めん…認めんぞ〜〜〜! 我ら悪魔族が、貴様らのような下等種ごときに負けてはならぬのだ〜…!」
上半身のみになり、瀕死の状態でありながらも、ゲムドンは右手をハルカに突き出し、魔力を溜め攻撃を仕掛けようとしていた。
だがその時だった。
ゲムドン「あがっ!?」
何者かが急降下して行き、倒れているゲムドンの背中目掛けて、両手で握りしめているヤリで突き刺した。
悪魔族の兵士「もういいだろう? いい加減負けを認めろよ…!」
それを行ったのは、1人の悪魔兵団兵士であった。
いかに驚異的な生命力を持っているゲムドンとはいえ、さきほどのハルカとの戦いで瀕死状態に陥っていたため、そのヤリによる1撃でついに生き絶え、紫色の粒子と化して消滅していった。
アスマ「部下を殺し、挙げ句の果てに別の部下に殺されるなんてね…」
イザベラ「皮肉なもんね」
ゲムドンにトドメをさしたその兵士は、ヤリを投げ捨て、ハルカ達に大してこう言った。
兵士「この勝負、オレ達の負けだ! オレ達にもう戦う意志はねぇ! 殺すなり好きにしてくれ…。それでアンタ達の気が済むのならな…」
その兵士は残った悪魔兵団を代表して降参を宣言、そして自分達にトドメをさすよう頼んだ。
するとそこへ、アシュリーがその兵士を睨みつけながら前に出た。
アシュリー「あ、そっ。ならお言葉に甘えて、トドメをさしてあげるわ! 私達の里を襲おうとしたことを地獄で後悔することね!」
そう言いながら、アシュリーは炎の魔力を溜め、代表の兵士を攻撃しようとした。
イソップ「待って姉さん!」
だがそこへ、イソップがアシュリーの攻撃を止めに入った。
アシュリー「なんで邪魔するの!? こいつらは私達の里を滅ぼそうとしたのよ!?
イソップ「もう勝負は付いたんだよ! これ以上無駄に命を奪う必要なんてないじゃないか!」
アシュリー「で、でも…」
イソップの言葉により、悪魔族達への追撃に戸惑うアシュリー。
さらにハルカとヨルもイソップのフォローに入る。
ハルカ「イソップくんの言うとおりだよ。例え敵でも、やり直すチャンスを与えてもいいと思う。それに彼は自分のボスを倒してまでこの戦いを止めてくれたんだし」
ヨル「ハルカさんとも分かり合えた今のあなたなら、それができるはずです」
アシュリー「…確かにそうですね。みんなのおかげで目が覚めました!」
兵士「見逃してくれるのか!? こんなオレ達を!?」
アシュリー「そういうことにしてあげるわ」
ハルカ「だからこれからは、他の種族の人達を見下したり、傷付けたりしたりしちゃダメだよ。なるべく仲良くするようにね!」
兵士「すまねぇ…ホントにすまなかった…!」
兵士は今にも涙を流しそうな目で、ハルカ達に感謝を述べた。
ハルカ「そういうことでいいよね? カレンちゃん、ヒースくん!」
カレン「あぁ、無論大丈夫だ」
ヒース「ま、僕らの使命は、妖精の里の防衛とハルカちゃん達のサポートであって、悪魔族の皆殺しではないからね」
悪魔兵団を見逃すことに、カレンやヒース達も快く賛成した。
そして…
ヨル「今いる悪魔族の皆さんに改めて命じます! 私達はこれ以上の戦いを望みません! 直ちにここから撤収するのです!」
ヨルの魅惑的で凛々しい叫びが森中に響き渡った。
こうして悪魔兵団最高指導者ゲムドンは戦死し、生き残った兵士達も悪魔界へと撤退していった。
妖精の里の危機は去ったのである。
後にこの戦いは「イーヴィル大戦」と呼ばれるようになり、ハルカ達のパーティーもより有名になったというのは、また別のお話…。
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