第54話:さらなる進化
悪魔兵団の幹部で、剣術が得意なラクアに苦戦するトム達。
だがそこへ、グリフォン王国王朝直属の剣士部隊隊長であるカレンと、そんな彼女がテイムしているフレイムフォックスのドロシーが駆けつけて来た。
刀身にドロシーが吐いた炎を纏わせた烈狐剣を勇ましくカレン。
ラクア「ほぉー。貴様は楽しめそうだな」
カレン「ここからは私も加わらせてもらう! トム、お前は少し休んでいろ! ユリアを頼む!」
カレンは炎の剣を握り締め、ラクアに攻め込んだ。
ラクアは手に持っている禍々しいソードで、その炎の1撃を受け止めた。
ラクア「中々いい太刀筋じゃあないか!」
カレン「やはりできるな!」
お互い一旦離れ、再びお互いの剣を激しくぶつけ合うカレンとラクア。
だがいかに剣士部隊隊長のカレンでさえも、ラクアの剣術の前に手こずっていた。
カレン「この腕前…ゲン会長クラスかもしれないなぁ…!」
トム「このままじゃカレンも危ない!」
カレンを助太刀すべく、再びラクアに挑もうとするトム。
するとユリアが止めに入った。
ユリア「私のホーリーフレイムでトム様を強化します! さっきよりもラクアと戦えるはずです!」
トム「なるほど、強化付与のサポートモードか!」
ユリア「では参ります! ホーリーフレイム・サポートモード!! 剣術アップ、身体能力アップ、さらに炎魔法付与!! 今回はいつもより多めに生成しております! それ〜〜〜!!」
ユリアは無数に生成した聖なる火球をトムの体目掛けてドバーっと付与していった。
次々とトムの体へと付与されていく無数の火球。
するとトムの体が黄金に輝きだし、髪がより輝きツンツンに逆立っていった。
さらに左手から放出したサンダーブレードにも炎の魔力が付与され、そちらも緑色から黄金へと輝きだしていた。
この代わりようは付与したユリア本人も想定外のことであった。
ホーリーフレイムによる想定外のパワーアップを果たしたトムは、改めて再びラクアの前に立ちはだかった。
カレン「トム…なのか…?」
トム「カレンさん、また僕にやらせてください!」
カレン「すまないな…」
ラクア「フン! こけおどしのつもりか!?」
再び剣をまじ合うトムとラクア。
だがホーリーフレイムを大量に付与してもらったトムは、剣術が大幅にアップしており、さきほどまで苦戦していたラクアを逆に追い詰め始めた。
トム「はぁ〜〜〜〜〜!!」
炎魔法を付与されたサンダーブレード改め、フレイムサンダーブレードによるこんしんの斬撃が、ラクアのソードを見事にへし折った。
ラクア「しまった!」
トム「これで決める! グリフォン王国流・灼熱雷鳴斬!!」
トムは空高くジャンプし、稲妻のごときスピードで急降下し、フレイムサンダーブレードによる必殺斬りでラクアの体を縦に斬りつけ、トドメをさした。
ラクア「こ、この僕が剣の勝負で不覚を取るとは…! 無念…!」
と言い残し、ラクアは紫色の粒子と化して消滅した。
ラクアに勝利したのと同時に、トムは元の姿に戻っていった。
するとそこへ、ユリアが満面の笑みでトムに抱きついてきた。
ユリア「やりましたねトム様! まさしく私達の愛の勝利ですね!」
トム「ちょっとユリア! ま、でもユリアのおかげで彼に勝てたし、今だけはこのままにしとくか」
トムは動揺するも、そのあと優しい表情をしながら抱きついているユリアの頭をポンポンとなでた。
だんだんとカップルらしくなってきたトムとユリア。
カレン「まったく、この状況でもお熱いな、あの2人は」
そんな2人に呆れながらも優しく見守るカレンとドロシーであった。
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