第51話:フリムシティーからの増援(剣士部隊編)
妖精の里を舞台にした悪魔兵団との激戦は、今のところハルカ達や里の妖精達、さらにはバルキリーマイスターズが優勢であった。
だがいくら倒しても、悪魔兵団の軍勢は減る気配はなかった。
さすがの妖精の里を守る側の一同も、少しずつ体力が消耗している様子。
すると…
???A「みんな、待たせたね!」
???B「私達も加勢させてもらうぞ!」
トム「この声はまさか!」
そこへ現れたのは、ディラン王子の側近であるカレンとヒース、さらにはその2人がそれぞれ率いている王子直属の剣士部隊、魔法使い部隊と共に駆けつけて来たのである。
それにもちろん、カレンはテイムしているフレイムフォックスのドロシーと共に。
トム「カレンさん、ヒースさん! どうして!?」
ユリア「それもホーリーフレイムのおかげなんです!」
ユリアの説明によると、ホーリーフレイムには攻撃、味方の強化に回復、さらには自分の言った言葉を吹き込み、遠くへ飛ばして仲間にその伝言を伝えることが可能である。
マリーは念の為に伝言機能を使い、フリムシティーにいるディラン達に今回の悪魔兵団との戦いを伝えたのである。
トム「ホーリーフレイムにそんな力が…」
トムの感心をよそに、カレン率いる剣士部隊とヒース率いる魔法使い部隊も、悪魔兵団相手に立ち向かっていった。
まずは剣士部隊の活躍。
シホ「覚悟しなさい悪魔共! 妖精の里には1歩も通さないから!」
剣士部隊の1人、紫色のロングヘアーで猫人族の少女であるシホ・ヨリファは、大型剣・豪快かつ華麗に使いこなし、悪魔族の兵士達を次々と蹴散らしていった。
ユマ「それじゃ、スピーディに行くよ!」
同じく剣士部隊の1人、金髪ショートに白いウサ耳のウサギ人族の少女であるユマ・クルグは、両手に持った細長いサーベルを駆使した軽やかな連撃で、イーヴィルウルフの大群を圧倒した。
カレン「私も参らせてもらう…!」
リーダーのカレンは、専用武器・烈狐剣を巧みに使いこなし、悪魔兵団の兵士やイーヴィルウルフを迎え撃った。
兵士の後ろからのヤリ攻撃も、烈狐剣を背中に回して見事に防ぎ、そのまま自身も振り向き返り討ちにした。
フレイムフォックスのドロシーも口からの火炎で援護した。
するとそこへ、ズシン、ズシンと大きな足音と共に、悪魔界の上級魔物のデッドラクーンが現れたのは。
顔がタヌキ、体がゴリラ、背中にはコウモリの翼が生えているより禍々しい魔物である。
その剛腕から繰り出す怪力パンチや、口からの風の衝撃波を駆使して暴れ回るデッドラクーン。
それをなんとか回避するカレン達。
カレン「ドロシー!」
カレンの一言で、ドロシーは烈狐剣に向かって火炎を吐いた。
ドロシーの火炎を烈狐剣の刀身に纏わせ、それを構えるカレン。
カレン「狐火流剣技・烈火改心斬!!」
炎を纏った烈狐剣による斬撃が、デッドラクーンを撃破した。
デッドラクーンはゆっくりと地面に倒れ、紫色の粒子と化して消滅した。
トム「すごい、1撃で!」
シホ「さすがはカレンね!」
ユマ「うんうん! うちのリーダーは今日も絶好調だね!」
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