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第44話:妖精達の視点

 ハルカに潜在能力を解放してもらったスパイクとの模擬戦を終えたマリー。

 そんな彼女達の様子を、ヨルとアルテッサは離れた場所から眺めていた。

 ちなみにその時のヨルは、モコモコ付きの青いドレスを着たキツネ人族の姿であった。

 月の青い光を背に受け、ハルカ達を見つめながらこう話した。


アルテッサ「これが潜在能力を開放できる特殊スキル…。まさかあんな方法で」


ヨル「さすがは大聖女ミトンズ様がお認めになった異世界人。彼女達を助っ人として向かい入れて正解でしたね」


 ヨルはクールに微笑みながらそうつぶやいた。

 どうやらヨルは、ハルカをこの世界に転生したミトンズと面識があるようである。



ヨル「後はアシュリーさんがハルカさん達打ち解けてくれるといいんですけどね」


アルテッサ「彼女なら大丈夫でしょう。それなや弟のイソップも付いてますし」



ヨルとアルテッサが向いている先には、別の離れた場所から、同じくハルカ達の様子を眺めているアシュリーとイソップの姿があった。

 マリーとスパイクの模擬戦を見物していたアシュリーは心の中でこうつぶやいた。


アシュリーの心の声「すごい…! あれが彼女達の力…! 彼女達と一緒に戦えば、ホントにこの里を…! いやいや何考えているのよ! さっきこの里は別種族に頼らず守るって言ったばかりなのに!」


 アシュリーはマリー達の力に感心しているものの、プライドが邪魔して中々認めようとはしなかった。



 一方のイソップは、そんなアシュリーに優しい微笑みながら心の中でつぶやいた。


イソップの心の声「何を思っているのかまでは分からないけど、なんだかんだ言って、姉さんも少しはハルカさん達を認めつつあるみたいだな。でもあの人達ばかりに負担をかけさせるわけにはいかない! 僕だって、この里を守る妖精の1人なんだ!」



するとイソップは、凛々しい笑顔をしながら、アシュリーに声をかけた。


イソップ「姉さん! 絶対勝とうね、悪魔兵団との戦い!」


アシュリー「えぇ! 当然よ!」


イソップ「ちなみハルカさん達とも助け合ってね!」


アシュリー「もぉ〜! アンタまで〜!」


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