第35話:未確認魔物調査指令
デーモンコボルト改めノワ、さらにグリフォン王国の王女ユリアを仲間に加えてから2ヶ月が経ち、ハルカ達は色んな意味ですごいパーティーと注目を浴びながらも、冒険者として充実した日々を過ごしていた。
とはいえハルカが異世界人であることや、ノワがデーモンコボルトであることなどはバレてはいない。
そんなある日、ハルカ達は、冒険者ギルド会長のゲンからの直々に依頼を頼まれた。
最近目撃された、正体不明の新種の魔物の調査のため、いつものジャスシティー付近の森林地帯にやってきていた。
マリー「新種の魔物ってどんなのなんだろうね?」
トム「さぁね。なんせ正体不明だからね」
ハルカ「ともかく気を引き締めて行こう!」
ノワ「とはいえ、今の我々なら朝飯前だがな」
ハルカ「だとしても、それ言うの我慢してね〜」
真顔で余裕なことを言い張るノワに対し、ハルカはボソっとツッコミをいれた。
ついでにこの時のノワは人間の姿に化けている。
するとどこからか、陽気な歌い声が聞こえてきた。
スパイク「ズンチャズンチャ、ズンチャズンチャ♪ オレの名前はスパイクだぜ〜♪」
現れたのは、ドワーフの少年スパイク・ボスラーと、テイムしている鳥型魔物のプラズマファルコンであった。
そんな楽しそうに歌うスパイクにつられ、マリーは彼に話しかけた。
マリー「おじさん、ご機嫌だね!」
スパイク「ズド〜〜〜! 誰がおじさんだ!」
突然マリーに「おじさん」と呼ばれ、ずっこけ、その直後に怒るスパイク。
無論、マリーに悪気なし。
ドワーフは幼少期の時から老け顔な個体も少ないくはない。
マリーがおじさんと見間違うのも無理はない。
トム「初見でおじさん呼びすんなよな」
ユリア「でも仕方ありませんよ。この辺りではドワーフは滅多に見かけませんし」
スパイク「つーかお前ら誰だよ?」
ハルカ「私達はジャスシティーの冒険者なの。この辺りで謎の魔物の目撃情報があったから、調べに来たの」
スパイク「謎の魔物? なんか面白そうだな! オレらも助太刀するぜ!」
なんとハルカ達の調査をノリノリで手伝おうするスパイクとプラズマファルコン。
ハルカは少し戸惑いながらも、ステータスチェックを発動し、彼のステータスを調べてみた。
すると…
名前:スパイク・ボスラー
種族:ドワーフ
性別:男
年齢:12歳
ステータスポイント
格闘術:97 剣術:95 槍術:70 射撃術:44 弓術:10 盾術: 87
ステータスポイント(魔法)
炎:0 水:0 風:0 土:0 雷:0 氷:0 回復:0 テイム:70
人間よりも力が強いドワーフとはいえ、一般の個体に比べ、かなりの戦闘力を秘めていることが発覚。
おまけにテイムもやや高め。
これは前回でも話したことだが、ドワーフは魔法が使えないものの、中にはテイムを使える個体も存在する。
もし彼の潜在能力を解放した場合、今のマリーと同等かそれ以上にパワーアップするかもしれない。
ハルカは心の中でそう思った。
だがハルカがスパイクのステータスに感心していると、そこへ黒と銀の体毛に水色の鋭い瞳のオオカミらしき魔物の大群が、ぞろぞろと出現した。
スパイク「なんだなんだ!?」
ユリア「オオカミ型の魔物!?」
トム「でもあんなのは見たことないぞ!」
マリー「じゃあアイツらが謎の魔物!?」
ハルカ「みたいだね! メーくん、なにか分かる!?」
ハルカの疑問を聞き、メロスは謎のオオカミ型魔物の解析を始めた。
メロス「あの魔物達は、イーヴィルウルフ。こことは違う、悪魔界に生息する魔物です」
トム「悪魔界だって!?」
ノワ「なるほど…さっき言ったことは撤回した方が良さそうだな」
ハルカ「ともかく行こう、みんな!」
未確認魔物のイーヴィルウルフ達を迎え撃つハルカ達。
そしてそんな悪魔界の魔物との遭遇が、もうじき巻き起こる大規模な戦いの前触れであることも知らず…。
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