第31話:ユリアの潜在能力
ジャスシティー冒険者ギルド会長のゲンによる計らいにより、シェアハウスを与えられ、そこで共同生活を送ることにしたハルカ達。
ちなみに食器やもろもろの生活器具は、ディラン王子達の方で寄付してくれたとのこと。
ハルカ達一同がしばらく家の中でくつろいでいると、マリーがこんな提案をしてきた。
ちなみにこの時のノワは、人間の姿から、元のデーモンコボルトとしての姿に戻っている。
マリー「そうだ! せっかくだから、ユリアちゃんの潜在能力も引き出してみようよ!」
ユリア「確かハルカ様の体をなでると、引き出せるんですよね! なでてもよろしいでしょうか?」
ハルカ「もちろん! どうぞ!」
メロス「ただし、おしりとおっぱいには触らないよう気を付けてください」
ユリア「承りました! ではまず背中を!」
メロスの忠告を承知し、ユリアは手始めにハルカの背中をなで始めた。
ユリアの優しい手で背中をなでられ、開始早々に幸せな気分になるハルカ。
ハルカ「気持ちいい〜〜〜♪」
ユリア「お次はしっぽもよろしいでしょうか?」
ハルカ「どうぞ〜」
次にハルカのしっぽをなで始めるユリア。
なれた手つきでなでられているため、背中のとき以上にハルカは幸せそうな感じになっていた。
実はユリアは、カレンがテイムしているフレイムフォックスのドロシーをよく可愛がっていたので、なでる動作には慣れているという。
するとハルカの頭に直接メロスの声が鳴り響いた。
メロス「ハルカ様の癒し度が上限に達したため、スキル:潜在能力解放が使用可能となりました! 対象人物に対して使用しますか?」
ハルカの心の声「YES!」
メロス「かしこまりました! 潜在能力、開放します!」
メロスの宣言と共に、ハルカとユリアのいる方の地面に水色の魔法陣が浮かび上がり、ユリアの体は水色のオーラに包まれた。
ユリアの潜在能力の解放に成功した。
マリー「どう? ユリアちゃん」
ユリア「あまり変わった感じはしませんが…」
ハルカ「今ステータスを見てみるね。ステータスチェック!」
ハルカはステータスチェックを発動し、潜在能力解放後のユリアのステータスを調べてみた。
名前:ユリア・アークバン
種族:人間
性別:女
年齢:12歳
ステータスポイント
格闘術:10 剣術:40 槍術:4 射撃術:70 弓術:60 盾術:5
ステータスポイント(魔法)
炎:140 水:0 風:0 土:0 雷:0 氷:0 回復:130 テイム:80
スキル
ホーリーフレイム
調べてみたところ、炎魔法と回復魔法が100を軽く超えており、さらに「ホーリーフレイム」というスキルまで追加されていた。
ハルカはそのスキル名に疑問を抱いていた。
ハルカ「ねぇ、メーくん。ホーリーフレイムってどんなスキルなの?」
メーくん「説明させていただきます」
メロスの説明によれば、ホーリーフレイムはより強力なファイヤーボールとして敵を攻撃できる上に、術者の調整次第では、仲間の体力回復に一時的なステータスアップも可能な万能魔法とのこと。
ハルカ「要するに攻撃とサポートの両方で役立つスキルってことね!」
メロス「ご名答です」
マリー「ユリアちゃんすご〜い!」
ユリア「このスキルを使いこなせば、トム様をさらに支えることができるということですね! 嬉しいです!」
トム「だから急に抱き付かないでよ!」
自分の新たな力に喜びながら、ユリアはトムに抱き付いた。
するとノワが軽く手を上げ、こう言い始めた。
ノワ「盛り上がっているところ割って入ってすまぬが、言わせてもらう」
ハルカ「ノワくん?」
ノワ「ハルカよ、我の潜在能力も引き出してはもらえぬか?」
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