第24話:グリフォン王国最強の魔法使い
ブレイジングオークとの戦いで助けた、グリフォン王国の王女ユリアと再会したハルカ達、彼女の兄ディランに会うべく、馬車に乗り、王都フリムシティへと向かっていた。
ちなみにハルカ達が住んでいるジャスシティからフリムシティまでは、馬車で片道30分はかかるとのこと。
1台目の馬車にはハルカ、マリー、トム、ユリア、それからメロスとバニラが乗っている。
ちなみに2台目はノワ、ゲン、カレン、ドロシーが乗っている。
ユリア「トム様〜♪」
トム「だからあまり抱きつかないでくださいよユリア王女!」
今日もトムに抱きつき、メロメロになっているユリア。
それを嫌がるトム。
その一方で、ハルカはマリーにこんな質問をした。
ハルカ「ねぇマリーちゃん、ディラン王子ってどんな人なの?」
マリーはユリアの兄であり、このグリフォン王国の第1王子でもあるディラン・アークバンについて、知ってる限りのことを快くハルカに教えた。
マリー「雰囲気は怖いけど、強くてかっこいいんだよ! しかも『グリフォン王国最強の魔法使い』友呼ばれてるんだ!」
ハルカ「最強の魔法使い!? それはすごいね!」
ディランが最強の魔法使いと呼ばれてることに驚き、ますます興味を示すハルカ。
そんなハルカを見ていたトムは、ユリアに抱きつかれながらも、心の中でこんな疑問を抱き始めた。
トムの心の声「前から思ってたけど、ハルカさんはこのグリフォン王国とかのことについて知らなさすぎている。国内の村々はもちろん、各国でも常識なはずなのに…」
などと思っているうちに、馬車はフリムシティにある、ユリア達が住まうグリフォン王国へと到着した。
ハルカ達が馬車から降りると、水色の髪の青年が一同を出迎えた。
ヒース「ようこそ皆さん、グリフォン城へ!」
ユリア「ただいま戻りました、ヒースさん!」
カレン「出迎えご苦労、ヒース」
ハルカ「あの人は?」
マリー「ディラン王子の側近のヒース・ライフリ様。あの人もディラン王子やカレン様の幼馴染で、氷の魔法が得意なんだよ」
マリーからヒースのことを聞いたハルカは、ステータスチェックを発動し、彼のステータスも調べてみた。
名前:ヒース・ライフリン
種族:エルフ
性別:男
年齢:18歳
ステータスポイント
格闘術:40 剣術:50 槍術:10 射撃術:100 弓術:70 盾術: 10
ステータスポイント(魔法)
炎:0 水:0 風:0 土:0 雷:0 氷:150 回復:70 テイム:70
身体能力関連ではカレンに劣るものの、射撃関連には優れており、氷魔法はアルティメットクラスに達していた。
ヒースに案内され、グリフォン城に入るハルカ達。
ヒース「ディラン、皆さんを連れてきたよ!」
ヒースはそう言いながら、ディランの待つ王の間のドアを開け、ハルカ達を案内した。
中にはユリアと同じ髪が銀色の青年が勇ましくたたずんでいた。
彼こそが、グリフォン王国第1王子のディラン・アークバンなのである。
ディラン「よく来てくれたな。カレンも護衛ご苦労だった」
ハルカ「この人がディラン王子…。グリフォン王国最強の魔法使い…。」
ハルカは緊張しながらも再びステータスチェックを発動し、ディランのステータスを調べてみた。
名前:ディラン・アークバン
種族:人間
性別:男
年齢:18歳
ステータスポイント
格闘術:120 剣術:120 槍術:80 射撃術:100 弓術:70 盾術: 40
ステータスポイント(魔法)
炎:0 水:148 風:154 土:0 雷:147 氷:0 回復:70 テイム:50
最強の魔法使いの異名を持つだけあり、水、風、雷の3つの属性の魔法を使えるようであり、どれもアルティメットクラス前後であった。
おまけ身体能力関連も半分は上級クラス、ある意味オールラウンダーな存在であった。
ディラン「トムも大きくなったな。7年ぶりくらいだったか? 先日は妹を助けてくれて感謝する」
トム「お久しぶりです、ディラン王子。あの時の僕は、ユリア王女の盾になることがやっとでした…」
ユリア「そんなことありません! トム様はとても勇敢で素敵です! お兄様、私、トム様と結婚したいです!」
ユリアはトムを褒め称えた上、なんと彼と結婚したいと宣言し出したのだ。
まぁいちいち抱きついている時点で察しは付いていたが。
トムはさらに動揺してしまう。
トム「ちょちょ、ユリア様!? なんてことを!? 貴族の子息とはいえ、僕なんがあなたとなんて恐れ多いですよ!」
そんな中、ディランはこんなことを言い出した。
ディラン「その結婚の話は一旦置いとくとして、お前に1つ頼みたいことがある、トム」
トム「頼みたいこと?」
ディラン「オレと戦え! マジックバトルコロシアムで優勝したお前に興味がある!」
ゲン「やっぱこうなるか」
ディランの突然の戦いの申し出に、トムを含め、この部屋にいる一部の者達が驚いた。
その申し出に、トムは迷っていた。
トムの心の声「あのディラン王子が直々に僕と…!? 僕なんかで相手になるのか…?」
だがそんな中、トムはハルカに潜在能力を解放してもらったこと、さらにはこれまでの戦いのことを思い出し…
トムの心の声「いや…今の僕なら通用できるかもしれない…!」
そして決断した。
トム「やります! あなたと戦わせてください!」
ディラン「そうこなくてはな!」
トムの決意に感激したのか、ディランはクールに笑った。
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