第19話:死闘と仲間割れと
ひょんなことから、魔犬王デーモンコボルトと戦うことになったハルカ達。
だが現時点でのハルカとトムの仲は良好ではない感じであった。
デーモンコボルト「いざ尋常に…勝負!!」
デーモンコボルトは勢いよく飛び出し、並外れたパワーとスピードを活かし、パンチやキックをどんどんハルカ達目掛け繰り出した。
ハルカや潜在能力解放済みのマリーとトムでさえ、それをかわすのがやっとであった。
マリー「ウォーターボール!!」
トム「サンダーバレット!!」
距離を取り、マリーは手のひらから水の光球、トムは指先から緑色に煌めく針状の電撃エネルギー弾を同時に発射した。
だが命中したものの、デーモンコボルトには大したダメージにはならなかった。
デーモンコボルト「初級魔法にしては中々の威力だな!」
トム「さすがは魔犬王! パワーやスピードはもちろん、タフさもピカイチってことか! なら!
トムは状況を打開すべく、片手を上げ、マジックバトルコロシアムでタールへのトドメに使用したスカイラージボルトを発動しようとしていた。
するとマリーがサーベルを握りしめ、デーモンコボルトへと勇敢に向かっていった。
マリーの思わぬ行動により、トムは安易に魔法を撃てなくなってしまった。
ハルカ「ちょっとマリーちゃん!」
トム「あのバカ!」
マリーはジャンプし、デーモンコボルト目掛けてサーベルで切り込んできた。
だがデーモンコボルトは片手でサーベルを受け止めたのであった。
まるでグローブで野球のボールをポンっとキャッチするかのように。
ハルカ「そんな!」
トムはマリーの加勢に向かうべく、駆け出した。
だがデーモンコボルトはサーベルを受け止めている手から衝撃波は発し、勢いよくマリーをサーベルごと吹き飛ばした。
さらにそのままトムにぶつかり、地面に倒れた。
ハルカ「マリーちゃん! トムくん!」
地面に倒れ、マリーの下敷きとなっているトムは、彼女に対して怒り出した。
トム「いい加減にしろよ! 今僕はアイツに魔法を撃とうしたんだぞ! それを勝手な行動で邪魔して!」
マリー「うるさいなぁ! 得意な剣術でも戦いたかったから、別にいいじゃん!」
2人は立ち上がり、口喧嘩はさらにエスカレートした。
トム「そういう勝手な行動が敗北に繋がることに気づかないのか!? このポンコツ娘!」
マリー「ひどい! この間のマジックバトルコロシアムで負けちゃえば良かったんだよ! トムくんのケチケチ小僧!」
トム「なんだと〜!?」
メロス「お2人共、ケンカはおやめください!」
バニラ「ミャー!」
2人のケンカを止めようとしているメロスとバニラ。
その一方…
ハルカ「……いい加減にしなさい!!」
マリー「は、ハルカちゃん…?」
ハルカは大きな声を怒り出した。
ケンカをしていたマリーとトムもそんなハルカに圧倒された。
ハルカ「少し失敗したくらいで仲間をバカにして、バカにされたからバカに仕返して…そんなこと繰り返して、目の前の困難を乗り越えられると思っているの!? 私はそんなために2人の力を解放したんじゃない! 今のマリーちゃんを見たら、天国のおばあちゃんは悲しむと思う! トムくんもトムくんよ! 今のあなたはタールくんみたいになってる! 私のためにがんばってくれるのは嬉しいけど、その前にもっとお互いを支え合いなさい!!」
ハルカの説教がマリーとトムの心に響いた。
そして2人は…
マリー「トムくん、勝手にことばっかしてごめんなさい…」
トム「マリー、僕の方こそごめんよ。言い過ぎてしまった…」
ハルカ「仲直してくれるんならそれでいいの。急に怒っちゃってごめんね」
トム「いや、ハルカさんが叱ってくれたおかげで目が覚めたよ!」
マリー「うん! ちょっと怖かったけど、ありがとう!」
ハルカのおかげで仲直りしたマリーとトム。
メロスとバニラも安心していた。
デーモンコボルト「しょうもない仲間割れは済んだようだな!」
ハルカ「待たせてごめんなさいね!」
トム「でもそんなしょうもなさのおかげで僕らの絆は深まった!」
マリー「それじゃあ反撃開始といこう!」
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