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第11話:マジックバトルコロシアム

ついにトムくんが活躍します!

 ハルカがこの世界に転生し、マリーやトムと出会った次の日の朝…


マリー「おーい、トムく〜ん!」


ハルカ「お待たせー!」


 ハルカ、マリー、メロス、バニラは、ジュネッス魔法剣術学園が所有している、闘技場へとやって来た。

 トムも出場するマジックバトルコロシアムを観戦し、彼を応援するためである。

 闘技場の外には、トムが一足先に来ていた。



トム「みんなおはよう!」


ハルカ「昨日の仕上げ、どうだった?」


トム「バッチリだよ! ひょうとしたら今日の大会…」


タール「やぁトム! まさかホントに出場するとはねぇ」



 トムが喋っている最中、生意気な感じに声をかけて来たのは、トムと同じ魔法科の1年生であり、貴族の少年、タール・ジャブズマンであった。

 ちなみにその両端には、取り巻きの男子生徒が2人。

 太っているのがゴップ、痩せて背が高いのがイカンである。

 トムはそんなタール達を嫌な目で見つめ始めた。


トム「タール…!」


タール「でも君みたいな魔法の威力がショボい、落ちこぼれの1人が、僕らと肩を並べて大会に出場するなんて、空気が読めないにもほどあるよ」


トム「大会は魔法を使える生徒なら誰でも参加できるんだ! それに最後まで何が起こるか分からないだろ!?」


タール「僕は親戚で辞退させようとしているのに。ま、せいぜいがんばりなよ」


 トムの説教もろくに聞き受けず、タール達は闘技場へと入っていった。



そんなタール達に対し、ハルカやマリー達もご立腹であった。


マリー「何アイツ!? ムカつく〜!」


トム「タール・ジャブズマン。僕と同じ魔法科の1年だけど、全校生徒トップクラスの水魔法の使い手なんだ」


ハルカ「才能を理由に他の生徒を威張り散らすタイプか〜」





 それから1時間後、闘技場内にて、マジックバトルコロシアムがいよいよ開催されようとしていた。

 観客席には、ハルカとマリー達も座っていた。


ユリン「皆様、お待たせいたしました! これよりジュネッス魔法剣術学園主催! マジックバトルコロシアムを開催いたします! 司会及び心配は、魔法科2年、ユリン・シュカズがお送りいたします!」


 猫人族の女子生徒、ユリンは右手に持っているマイクによく似た魔道具を活かし、その元気いっぱいの声を闘技場中に響かせた。




 マジックバトルコロシアムは約16人によるトーナメント方式の試合。

 相手の魔法を受けて戦闘不能に陥ったり、降参したら負けとなる。

 ちなみにトムはなんと、最初の試合からの出場である。

 大戦相手は大柄なら男子生徒のゴメス。


ユリン「それでは第1回戦、1年トム・フェザール選手と、3年ゴメス・タイラン選手による試合を始めます! 各自宣誓を!」


トム「成長のために魔法を行使し!」


ゴメス「勝利のために魔法を行使する!」


トム、ゴメス「名誉ある戦いのために!」


ユリン「バトル、スタート!」


 ユリンの掛け声と共に、トムとゴメスによる試合が開始された。





 一方、観客席のハルカ達は、


ハルカ「試合をする前は、あぁいう風に宣誓するのね」


マリー「ちなみに剣での試合の時は、『成長のために剣を振い、勝利のために剣を振るう!』って宣誓するんだよ!」


ハルカ「なるほど」






ゴメス「先手必勝だぜ! くらえ、トルネードボール!!」


ゴメスは両手で紫色の風のエネルギーボールを生成し、トム目掛けて打ち出した。


トム「トオッ!」


だがトムは空高くジャンプし、風のエネルギーボールを見事にかわした。


ゴメス「かわした!?」


トム「サンダーバレット!!」


 さらに中にいるトムは、指先から針状の電撃エネルギー弾をゴメス目掛けて発射した。


ゴメス「どわ〜〜〜〜〜!!」


 電撃エネルギー弾が着弾し、身体中が痺れ、ゴメスは悲鳴を上げた。 

 その後、ゴメスはバタンと地面に倒れた。

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