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後悔

「……………すまない。

でも、ほら……一応はレア装備だと思うし……

君の役にも立てると思うんだ。」


「…………ゔぅ………………ぅ……………………」


そうして、数十分ほど泣き続けたフィンを宥めると……


「ほら、見てくれて! こうやって、コートにも変身出来るし。

何とかなると思うんだ!!!」


「…………ぅ………………分かりました。

取り乱してすいません…………」


「それでは、今度は君の事を教えてくれないか?

何で、裸で路地裏に居たのか?

そして、仲間達に裏切られたのか?」


「それは、簡単です。

僕が弱いからです……」


「子供だから?」


それからフィンは、自分の事を話してくれた。





フィンの年は、12歳……

そして、この町で最弱の冒険者と呼ばれている。


『マジかよ。コイツ最弱なの……だから、あんな低レベルなゴロツキ達に苦戦したのか。

うゎ〜……最悪だよ。安易に装備などさせるんじゃ無かった。』


「なのに何で冒険者なんかしてるんだ?」


「それは……」


フィンには病気の妹が居て、その妹を助ける為に冒険者をしているとこ事であった。


妹の病気は、魔力病と言い。

器以上の魔力を秘めて生まれて来た子供は、大きくなるにつれてその魔力が暴走して大人になるまで生きられないと言う物であった。


そして、その病気を治療する為に必要なのが

魔吸石と呼ばれる物でダンジョン内にある為に、色んな冒険者のパーティーを手伝っている。との事であった!


そして、弱い為に度々。

ああ言った事が起こると……


「それは、それは……親は居ないのか?」


両親は、妹の病気を治す為にダンジョンに潜り帰らぬ人となったらしく。


その原因を作ったのが自分との事であった……


当時8歳だったフィンは、妹ばかりに構う両親に寂しさのあまりに酷い事を言ったらしく。

それが原因で両親は、無茶をしてダンジョンに潜った為に亡くなった。


妹が病気と知ったのも両親が亡くなった後で……

その為、責任を感じたフィンは8歳から冒険者をして妹を助ける為の魔吸石を探している。


『……なんて、えぇ子なんや。

ヨシっ! 俺は決めたフィンの妹を助ける為に力を貸そう。』


その後、聞いた話によると魔吸石はレアな素材ではあるが……

手に入れるのは、そこまで難しくないとの事であった。


『……そうなの?』


勝手に激レア素材なのかと勘違いをしてしまった。


俺は、もっと魔王を倒したり……

魔物の街を作ったり……

進化が出来ない劣等種族を進化させる為の旅……そんな物を期待してしまったが。


俺の異世界での冒険は、そんなに簡単で良いなのかッ! と、少しガッカリしたが……


まぁ、フィンの妹が助かるなら問題無いと思ったが……難しくない。


ならば、何故!?


フィンは、魔吸石を手に入れていないのだろうと疑問に思った。


そして、その後の話を聞いた俺は衝撃を受けた。



フィンは、もう4年間も冒険者をやっているが……

今だにレベル1の為に、この町で最弱の冒険者と呼ばれているらしい。

しかも、昨日の元パーティーメンバーはフィンの後輩で、初めはフィンが色々と教えていたらしいが少しするとレベルが上がりフィンをナメるようになっていったらしく……


それを聞いた俺は……


『4年やってレベル1……

装備して貰う人を間違った。』


そう後悔した。





色々と聞いて、落ち込みましたが……


今は、とりあえず動ける様になった喜びと

やっと! 味わえる異世界生活を楽しむ事にした。


「よっしゃーーー!!! 

まず、異世界で初めにする事と言えば……

もちろん! 冒険者登録!!! イッツ! 

ギルドへ……!!!」


「僕は、もう冒険者登録してありますから必要ありませんよ。」


「おぉーーノォ〜ーー!!!

異世界転生の醍醐味が……

ては、色々とすっ飛ばして! ダンジョンに向かおう。」


「ダンジョンに向かいたいのは山々なのですが

実は、僕……装備を全て奪われてしまったので、今すぐダンジョンに向かうのは、ごめんなさい! 出来ません。

まずは、薬草採取などを行い武器を揃えてからになります」


「……マジで! これだけ、すっ飛ばしてるのに初めての冒険は薬草採取から!?」


「はい。

ダウンコートと素手では、モンスターは倒せませんので……」


「くっそー〜ーー!!! 何か良い方法は無いのか!?」


『昨日の者達から巻き上げた。

お金で、装備品を揃える事をお勧めします』


「その手があった!!!

俺に任せろ! フィン。」


「……何か良い方法でも、あるのですか?」


「ああ! ついて来い。フィン……

まずは、買い物からだ!!!」


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